理事長・学長室から2026

No.55令和8年10月6日発行

はじめに

 9月19日~23日に、附属病院次期統合情報システムの更新が実施されました。本学にとっては、平成30年以来8年ぶりとなる、病院機能の根幹に関わる一大イベントでしたが、教職員、病院職員の一丸となった長期間にわたる事前準備、そしてシルバーウイークを返上しての更新作業により、大きな混乱もなく無事終了することができました。ここでも「札幌医大の底力」を見せていただいたような気がします。
ご尽力いただいた渡辺病院長をはじめとする関係教員・医療職員、山崎病院事務長以下の事務職員、そして富士通をはじめとする関係業者の皆様にあらためて感謝申し上げます。今後は、新しいシステムのもと、附属病院の機能がますます充実し、より良い医療が展開されていくことを願っています。
「理事長・学長室から2026」No.55をお届けいたします。

1.第106回北海道医学大会総会で室伏広治先生が講演されました

 10月3日、札幌グランドホテルにおいて第106回北海道医学大会総会が開催されました。特別講演では、東京科学大学副学長の室伏広治先生に「人間の可能性をひらく医学 -スポーツ科学からHuman Potential Scienceへ-」と題してお話しいただきました(写真1‐3)。室伏先生は、言わずと知れたハンマー投げアテネ五輪金メダリスト、ロンドン五輪銅メダリストという陸上界のレジェンドですが、2020年~2022年にはスポーツ庁長官を務められたほか、スポーツ科学に関する論文・著作など学術的業績も豊富で、現在、東京科学大学教授・副学長に就任されています。ご講演では、ご自身の競技者としての経験、研究者としての科学的知見に基づき、スポーツ医科学が人間のウェルビーイング、そして健康寿命の延伸に寄与することを示されました。そして今年4月には東京科学大学に、自らセンター長を務めるGENTEN Research Centerを開設し、人間の潜在能力と身体の原点を明らかにするべく取り組んでおられます。その先進性とスケールの大きさに深く感動しました。
 今回の医学大会の会頭は私が務めさせていただき、各科トピックスでは、麻酔科学講座の山蔭道明教授に「麻酔科診療の70年:安全を支える医学から、周術期を支える医学へ」とのテーマで素晴らしいご講演いただきました(写真4)。
 総会に先立ち行われた、北海道医師会賞および北海道知事賞授与式では、本学からは、仲瀬裕志教授と津川 毅教授が受賞されました。お二人の先生方、誠におめでとうございます。


2.熊本地震の被災地に派遣されたJMATの皆さんが任務完了報告を行いました

 8月31日~9月5日までの6日間にわたり、令和8年熊本地震の被災地でJMAT(日本医師会災害医療チーム)として派遣されたメンバーの皆さんによる活動報告会が行われました(写真5,6)。
吉山暉人助教(救急医学講座)により、現地での活動内容のプレゼンテーションをしていただきました。熊本県庁内のJMAT調整本部を拠点として、宇城市ならびに八代市における災害支援活動の調整、さらには避難所への巡回・視察など、猛暑の中、着実に任務を完了されたことに敬意を表します。
 本年11月には、札幌医大にDMAT事務局が設置されます。従来の東京、大阪に加え、新たに九州地区の国立病院機構九州医療センターと、北海道地区では本学附属病院が指定されました。本学のこれまでの災害支援の実績や、人材育成の取り組みが高く評価された結果だと思います。今後も、救急医学講座を中心に、本道の災害医療拠点としての役割を果たしていきたいと思います。

3.医学部4年の学生が、クアラルンプールで開催された国際医学生生理学クイズ大会に参加しました

 9月9日~10日にマレーシアのクアラルンプールで開催された、第22回国際医学生生理学クイズ大会(IMSPQ 2026)に、本学医学部4年生の島津大和さん、駒林佑海さん、小島一朗さんが参加しました(写真7)。生理学講座細胞生理学分野の佐藤達也教授が指導教官として同行しました。今回は、残念ながら予選敗退となりましたが、本学は昨年、オンラインでの国際的生理学クイズ大会(PQJ online 2025)を主催するなど、本大会に積極的に関与してきました。今回も大会参加を通して、諸外国の学生との有意義な交流ができたとのことです(写真8)。3人の学生さんには引き続きの活躍を期待するとともに、他の学生さんたちにも、このようなイベントや国際交流事業の海外研修などの機会を捉えて、積極的に国際感覚を身に付けていただきたいと思います。

おわりに

 10月に入り、めっきり冷え込んできました。でも、長期予報によれば、今年の北海道の冬はエルニーニョ現象の影響により、暖冬で雪も少ないそうですよ。一方、インフルエンザの流行も広がっているようです。体調管理に留意して今年の冬もしっかりと乗り切っていきましょう。