理事長・学長室から2023

13令和5年4月14日発行

はじめに

 4月7日に、4年ぶりに保護者の方々も出席しての入学式が行われました。新入生もご家族も皆、嬉しそうで良い表情をしていました。晴れがましさと緊張感が入り混じるこの雰囲気はやはり良いものですね。心より入学をお祝いするとともに、これからの学生生活が実り多いものになることを願っています。
 本年度は、保健医療学部の開設30周年にあたります。記念誌の発行(大学ホームページで公開中)、記念ホームページの開設、記念式典の開催などが予定されています。今後も、医学部、医療人育成センター、附属病院との連携を深め、未来に向かってさらに発展することを祈念しています。
 「理事長・学長室から2023、第13号」をお届けいたします。

1. 大学新ロゴマーク(コミュニケーションマーク)を制定

 大学新キャンパス完成に伴う記念事業の一つとして、新ロゴマーク(コミュニケーションマーク)を制定しました。広報委員会、学生アンバサダー、教職員タスクフォースのメンバーにより選抜された候補作について、学生・教職員による投票を行い、新マーク(図1)が決定しました。
 コンセプトは「世界に羽ばたく札医のつばさ」です。Sapporo Medical Universityのイニシャル「S」をモチーフに、世界に、未来に向かって飛躍する翼やプロペラをイメージしています。
 カラーは青とえんじ色の2色からなり、それぞれSMUブルー、SMUレッドと命名しました。各色のコンセプトは以下の通りです。

SMUブルー:北海道の大空(スカイブルー)、海(マリンブルー)、自然(グリーン)を調和させています。(PCやスマホなどの画面ではグリーン基調に見えますが、実際の色はより青みが強いものになっています。)この色には、「医療人としての使命感」「若々しさや新しさ」「北海道で生まれた豊かな人間性・人柄」という意味も込められています。

SMUレッド:本学伝統のシンボルマークのえんじ色を基調に、「北の大地」をイメージしています。「生命力」や「人と人の絆」を表す色でもあります。

 これまで、札幌医科大学のスクールカラーとして伝統的なえんじ色(SMUレッド)が用いられてきましたが、今後はSMUブルーも、もう一つのスクールカラーとしてどんどん使っていただければ幸いです。
 新しいコミュニケーションマークは、今後、白衣やスクラブ、封筒・便箋、各種グッズ、名刺、WEBサイトなどに幅広く使用していきたいと考えています。

2. 本学附属病院が「がんゲノム医療拠点病院」に指定

 4月1日付けで、本学附属病院が厚生労働省より「がんゲノム医療拠点病院」に指定されました。今回、全国で拠点病院に申請した61施設中、32施設が指定を受けました。
 がんゲノム医療とは、主にがんの組織を用いてたくさんのがん関連遺伝子を調べ、がんの特徴を明らかにするとともに、より治療効果が期待できる薬剤を探索するもので、本学では、櫻井晃洋教授をはじめとする遺伝子診療科が中心となり展開しています(図2)。本学附属病院は、これまでも全国でもトップクラスの検査実施数を誇り、がんゲノム医療の実施に必要な、がん薬物療法専門医、臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラー、分子病理専門医、バイオインフォマティシャンなどの人材が充実しており、各部署との協力によって迅速に検査を実施できる体制を整えています。
 今回の拠点病院の指定により、本学附属病院で独自のエキスパートパネル(専門家集団による症例検討会)を実施できるようになりました。櫻井教授は、「ひとりでも多くの北海道のがん患者さんを救うため、これからもがんゲノム医療を含むがん診療に全力で取り組みます」と意欲を示しておられます。

3. 医学部に韓国から3人の私費留学生が入学

 本学医学部は、この度、韓国から3人の私費外国人留学生を迎えました(写真1)。医学部が留学生を受け入れるのは、2008年に中国から1人の留学生を迎えて以来15年ぶりであり、国際化を目指す本学にとっては、大変意義深いことと考えます。ぜひ良き医師となることを目指して頑張っていただきたいと思います。3人とも日本語は上手ですが、何かと不自由や不慣れな点があるかと思います。同級生の皆さん、そして教員や学務課をはじめとする事務局の皆さんのサポートを是非よろしくお願いいたします。

おわりに

 3月のマスク着用ルール変更以降も、巷にはほとんどマスクを外す人は見られず、コロナ感染者数も下げ止まり状態で、今一つスッキリしない状況が続いていますね。でも、5月8日に新型コロナ感染症が「5類相当」に移行されれば、様々な医療制度、補助・支援制度、行動制限などが変更される見込みで、それに伴いさすがに人々の行動にも変化が生じてくると予想されます。
 その中にあって、医育機関、医療機関たる本学としては、冷静かつ的確なる対応をとっていかねばなりません。学生、教職員、医療職員の皆さんには、感染制御部や危機対策本部の指示に従って、適切な行動を継続していただくようお願いいたします。