理事長・学長室から2025

No.43令和7年10月2日発行

はじめに

 異常に暑かった今年の夏(毎年言ってますが・・)も過ぎ、朝晩は一気に冷え込んできました。その一方で、線状降水帯とか竜巻とか、以前に比べ日本の気候自体が激烈化しているような気がします。私も先日、羽田空港に着陸した直後に雷警報が発令され、滑走路上で2時間以上も立ち往生しました・・。
 「異常気象」は「地球からの警告」だと言われています。グリーン・トランスフォーメーション(GX)とかカーボンニュートラルとか、言っている割に成果は上がっていないようにも思われます。新しい日本の指導者、そして世界の指導者には「気候変動対策」「防災対策」に本気で取り組んでほしいと思いますが、われわれ国民レベルからの意識改革も必要ですね。
 「理事長・学長室から2025」No.43をお届けします。 

1.「Fビレッジ スポーツフェスティバル」に本学のスポーツ医・科学ブースを出展しました

 9月27日、エスコンフィールドHOKKAIDOにおいて「Fビレッジ スポーツフェスティバル」が開催されました。爽やかな晴天に恵まれ、エスコンフィールドの開閉式屋根はオープンされました(写真1)。本フェスティバルは、北広島市と日本ハムファイターズの共同主催によるもので、当日は上野正三市長はじめ北広島市の方々にご案内をしていただきました(写真2)。本学からは、保健医療学部理学療法学科の戸田 創講師らが「トップアスリートの身体機能評価体験」のブースを出展しました(写真3,4)。また戸田先生らは、「北海道スポーツ医・科学コンソーシアム」としても、「セルフコンディショニング」のブースを出展しました。ブースには多くの人々が訪れ、体力測定やセルフコンディショニングの実際を体験していただきました(写真5)。
 本フェスティバルには、全道から26のスポーツ団体、企業、大学が参加し、モルック、ボルダリング、スポーツチャンバラ、e-sportsなど種々のスポーツを体験することができ、場内は参加者の熱気と活気に溢れていました。
 北広島市と本学は、2024年3月に健康増進・啓発活動に関する連携協定を締結しています。今後も、種々のイベントや講演会などを通して、北広島市民ひいては道民の健康維持・増進に寄与していきたいと考えています。 

2.「創薬開発特別講座」特別教授任命式、ならびに「附属研究連携推進機構」部門長・副部門長任命式を行いました。

 10月1日、この度新たに開設した「創薬開発特別講座」の特別教授に、濱田洋文客員教授を任命しました(写真6、7)。濱田先生は、元フロンティア研究所分子医学部門の教授で、先生が開発された抗体を基にした抗悪性腫瘍剤が「ダトロウェイ」として、本年第一三共より世界的に発売されました。本学の基礎医学研究が社会実装された画期的な成果ですが、今後更なる研究を継続していただくため、また若手研究者のロールモデルとしてご指導いただくため本講座を設置しました。
 また、本年開設した「附属研究連携推進機構」の3部門の部門長・副部門長の任命を行いました(写真8)。「URA部門」の部門長:本望修先生、副部門長:谷口圭吾先生、板垣史郎先生、「産学・地域連携部門」の部門長:久野篤史先生、副部門長:池田望先生、板垣史郎先生(兼任)、「知財部門」の部門長:清水紀子先生、副部門長:古閑直行先生に任命書が交付されました。
 「創薬開発特別講座」ならびに「附属研究連携推進機構」の活動により、本学の研究がさらに促進され、ダトロウェイに続く研究成果が世界に向け発信されていくことを期待しています。 

3.中国医科大学の于 洋先生が国際交流研究者として来学されました

 9月12日~28日、中国医科大学(中国、瀋陽市)の于 洋(Yang Yu)先生が国際交流研究者として本学を訪問されました。于先生は、心臓血管外科医で大動脈疾患に対する外科治療を専門としています。本学の外科学講座心臓血管外科学分野の伊庭裕准教授が受け入れ先となっていただきました。9月18日には学長室を表敬訪問されました(写真9、10)。于先生からは、本学の先進的な心臓血管手術の見学や、同分野での講演など、大変有意義な研修を行っているとのお話がありました(写真11)。
 本学と中国医科大学とは、1984年に国際交流協定を締結して以来、相互に学生や研究者の派遣・研修を行ってきました。今後も、学術交流を継続し、両大学間の連携ひいては日中の友好促進にも貢献できればと考えています。

おわりに

 令和7年度も上半期が過ぎました。上半期は、創基80周年記念行事などで大変忙しくされた方も多いかと思います。大学そして附属病院には課題が山積していますが、下半期の6か月間におきましても、本学ビジョンの5つのKey、「機動力」「基盤」「気持ち」「希望」「絆」を大切に、皆で力を合わせて前進してまいりましょう。