理事長・学長室から2024

No.29令和6年8月13日発行

はじめに

 数々のドラマと感動に彩られたパリオリンピックが閉幕しました。
 今大会では何かと「疑惑の判定」が話題となりましたね。特に柔道で顕著でしたが、バスケットボールやバレーボールなどでも物議を醸しました。どうしても審判の主観や見逃しなど、避けられない部分もありますよね。VARの導入など工夫はされているようですが、いっそ全てAIに審判をしてもらったらどうでしょうかね・・。
 「理事長・学長室から」No.29をお届けします。
 

1.学長と学生の懇談会(UIプロジェクト企画)を開催しました

 7月22日、医学部、保健医療学部の各学年代表の学生さんと学長の懇談会を開催しました。医学部からは、田中さん(2年)、江屋さん(4年)、倉部さん(5年)、保健医療学部看護学科からは、鷺坂さん(1年)、理学療法学科からは、林さん(1年)、橋本さん(2年)、酒井さん、山下さん(3年)、作業療法学科からは、松川さん(1年)、武藤さん(2年)、青木さん、高橋さん(3年)の、12名の学生さんに出席していただきました(写真1-4)。
 はじめに、医療人育成センターの杉村教授より、Z世代の気質の解説や本学学生にあいさつする習慣がないのはなぜか?といった問題提起のプレゼンがありました。学生さんたちは、始めこそやや緊張感が漂っていましたが、徐々に雰囲気もほぐれ、自身の体験に基づく意見や提言、鋭い指摘など多くの発言がありました。
 現状の課題として、学生と教職員の交流の場や懇親の機会が少ないことが挙げられました。特に医学部では学生と教員の接点が希薄なようです。決して堅苦しい会合ではなく、楽しく気楽に語り合えるような懇親会や交流の場を今後企画していくことが必要であると思いました。
 今回、かねてから私の念願であった学生さんと直接話し合う機会を持つことができ、大変嬉しく思いました。さらに多くの学生さんとの対話や、学生さん以外の教職員や学外のステークホルダーの方々との懇談なども行いたいと考えています。
 この懇談会は、UI(university identity)プロジェクトの一環としても企画されたものです。懇談の様子は、今後開設される予定のホームページの「大学ブランドサイト」にも掲載される予定です。
 

2.「北洋銀行ものづくりサステナフェア2024」に参加しました

 7月24日、アクセスサッポロで開催された「北洋銀行ものづくりサステナフェア2024」開会式に、石田理事とともに出席しました。このフェアは、道内のものづくり企業を中心に、優れた技術・製品を有する153にのぼる企業・団体が一堂に会する展示会です。本学もブースを出展し、整形外科学講座の寺本教授と株式会社Aimedic MMTが共同開発した関節運動テスタ「ATメジャー」や、株式会社ホープスが開発したポータブルX線装置カバー「FPDカバー」を展示しました(写真5, 6)。また、昨年出展したMRI腹部撮影用コイルサポート台の作製を担当した北海化成工業所のブースも訪問することができました(写真7)。
 本学では、現在の附属産学・地域連携センターと先端医療研究推進センターを再編し、新たな機構を構築する予定です。今後も、産学連携を進め、研究成果の発信や地域貢献に努めていく所存です。

3.エルッキ・タピオ・ラッシラ先生(神戸大学)の講演会を開催

 7月26日に開催された第5回医療人育成センターセミナーで、エルッキ・タピオ・ラッシラ先生(神戸大学国際人間科学部助教)に「フィンランドの大学入学試験で求められる資質能力:医学部や教育学部の事例を考察」と題したご講演をいただきました(写真8,9)。ラッシラ先生は、フィンランド、オウル大学出身で、教育学を専門とされ、日本・フィンランドの文化にも造詣が深い先生です。本年2月には、NHK Eテレの番組「ニュー試 あなたの脳をスキルアップ」に出演され、フィンランドの入試制度や教育について解説されています。
 今回、フィンランドへの国際交流派遣のご経験もある医療人育成センター長の鷲見教授のご紹介により、本セミナーが実現しました。今後の本学とフィンランド、パウロ財団(オウル大学、ヘルシンキ大学、タンペレ大学、東フィンランド大学、トゥルク大学)への研究者派遣等においてもラッシラ先生のお世話になることがあるかと思います。よろしくお願いいたします。

おわりに

 パリオリンピック開会式のセリーヌ・ディオンの『愛の讃歌』には心底感動しました。開会式の演出・構成には、フランス人の芸術的センスやエスプリが溢れていました(一部、宗教論争が起きていますが)。東京2020の開会式を思い起こすと情けなくなってしまいます。これまでの慣習にとらわれないこと、コンセプトをはっきりさせること、無駄を省いて展開をシンプルにすることなど、我々の仕事などにも通じる、多くの教訓を得ることができました。
 それにしても、世界がこれほどキナ臭い状況の中、重大なテロや人的被害を起こすことなく大会を完遂したことに最大限の敬意を表したいと思います。