はじめに
WHOがCOVID-19のパンデミックを宣言したのが、2020年3月11日でした。あれからちょうど5年が過ぎようとしています。そんなに前のことではないのに、もう遥か昔のことのようにも思われます。「喉元過ぎれば・・」の諺通り、世の中は当時のことを忘れたかのように以前の生活を取り戻し、前へ前へと進もうとしています。
でも、ちょっと待ってください。数か月間に及ぶ一斉休校、国内外の移動制限の一方でのGo to travel、飲食店でのアルコール提供禁止、アベノマスク、東京五輪の無観客開催、等々・・。何が正しくて、何が正しくなかったのかを今一度検証することも必要なのではないでしょうか?今後また襲来するであろう、新たな感染症パンデミックに備えるためにも、しっかりと過去を振り返り、将来への教訓や判断材料を積み上げていくことが重要だと思います。
「理事長・学長室から2025」No.36をお届けします。
1.パラオ共和国より臨床修練医を受け入れました
この度、パラオ共和国の医師アルラン・ジェイソン・カレイ先生を臨床修練医として本学附属病院に受け入れました(写真1)。アルラン先生は、米国の医科大学を卒業され、現在パラオ共和国のベラウ国立病院に勤務されています。総合診療医ですが、救急医療などにも携わっているとのことです。
今回の研修の目的は、放射線診断、IVR等の知識・技術の習得で、総合診療科の辻喜久教授と放射線診断科の山直也准教授が指導にあたります。研修期間は3か月間の予定です。
2024年7月の東京での太平洋・島サミット(PALM10)の際、パラオ共和国のスランゲル・ウィップスJr.大統領と面談し、本学からのパラオへの医療支援と医療者の交流に関して合意したところです。今回の研修にあたっては、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンのご協力をいただきました。
2月28日の懇談では、アルラン先生は札幌の印象を「美しい街」と言っていただき、スキーやスノーボードへの挑戦の意欲も示していました(写真2.3)。本学附属病院における研修がアルラン先生にとって実り多いものとなり、パラオ共和国との一層の友好につながることを願っています。
今回の研修の目的は、放射線診断、IVR等の知識・技術の習得で、総合診療科の辻喜久教授と放射線診断科の山直也准教授が指導にあたります。研修期間は3か月間の予定です。
2024年7月の東京での太平洋・島サミット(PALM10)の際、パラオ共和国のスランゲル・ウィップスJr.大統領と面談し、本学からのパラオへの医療支援と医療者の交流に関して合意したところです。今回の研修にあたっては、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンのご協力をいただきました。
2月28日の懇談では、アルラン先生は札幌の印象を「美しい街」と言っていただき、スキーやスノーボードへの挑戦の意欲も示していました(写真2.3)。本学附属病院における研修がアルラン先生にとって実り多いものとなり、パラオ共和国との一層の友好につながることを願っています。
2.フィンランド、タンペレ大学の久末智実先生をお招きして講演会を開催しました
2月16日、教育研究棟D102講義室において、「今こそ考えよう、暴力が生じている家族への支援 ~フィンランドにおける暴力予防と対話を学びながら~」と題した講演会を開催しました。講師として、フィンランド、タンペレ大学の久末智実先生をお招きしました(写真4)。久末先生は、1995年に本学衛生短期大学部看護学科を卒業され、その後オーストラリアなどで看護師・保健師として勤務され、2020年からはフィンランドに活動の場所を移し、現在はタンペレ大学の博士課程に所属しています。
当日は、日曜日にもかかわらず、約50名の学内外のDV対策に携わっておられる看護師、保健師、医師などが参加されました。講演後は、保健医療学部看護学科の澤田いずみ教授らの進行のもと、グループ・ディスカッションが行われ、活発な討論がなされました(写真5,6)。
久末先生は、医療人育成センターの鷲見紋子教授とも十年来のご友人とのことです(写真7)。久末先生には、6月28日の本学創基80周年記念講演会でもご講演いただく予定です。
当日は、日曜日にもかかわらず、約50名の学内外のDV対策に携わっておられる看護師、保健師、医師などが参加されました。講演後は、保健医療学部看護学科の澤田いずみ教授らの進行のもと、グループ・ディスカッションが行われ、活発な討論がなされました(写真5,6)。
久末先生は、医療人育成センターの鷲見紋子教授とも十年来のご友人とのことです(写真7)。久末先生には、6月28日の本学創基80周年記念講演会でもご講演いただく予定です。
3.医師就労支援事業講演会で、アクセンチュア社の堀江章子さんが講演されました
2月21日、附属病院西棟10階共用会議室において、令和6年度第2回医師就労支援事業講演会を開催しました。
講師として、(株)アクセンチュア常務執行役員の堀江章子さんをお招きしました(写真8)。アクセンチュア社は、総従業員数74万人を擁するグローバルな総合コンサルティング会社で、堀江さんはその中でインクルージョン&ダイバーシティ(I&D)の日本統括を務めています。つまり、多様性とか女性活躍、さらには働き方改革などのエキスパートっていうことですね。
当日は、まず堀江さんからI&D推進の事例や先進的取り組みについてお話いただき、その後、西田幸代講師(病院管理学)の司会のもと、北川未央先生(放射線治療科)と藤田千紗先生(血液内科)を交え、女性医師としての働き方の実際や課題についてディスカッションしました(写真9,10)。
結論として、個々の教室の中で考えるのではなく、他の教室・部署との横のつながりや情報共有が必要であること、そして何よりリーダー(教授など)の理解と方針が大事だということになったかと思います。
本学も、女性医師(他の職種も含めて)がどんどん活躍できる大学そして附属病院に変わっていくことが求められています。
講師として、(株)アクセンチュア常務執行役員の堀江章子さんをお招きしました(写真8)。アクセンチュア社は、総従業員数74万人を擁するグローバルな総合コンサルティング会社で、堀江さんはその中でインクルージョン&ダイバーシティ(I&D)の日本統括を務めています。つまり、多様性とか女性活躍、さらには働き方改革などのエキスパートっていうことですね。
当日は、まず堀江さんからI&D推進の事例や先進的取り組みについてお話いただき、その後、西田幸代講師(病院管理学)の司会のもと、北川未央先生(放射線治療科)と藤田千紗先生(血液内科)を交え、女性医師としての働き方の実際や課題についてディスカッションしました(写真9,10)。
結論として、個々の教室の中で考えるのではなく、他の教室・部署との横のつながりや情報共有が必要であること、そして何よりリーダー(教授など)の理解と方針が大事だということになったかと思います。
本学も、女性医師(他の職種も含めて)がどんどん活躍できる大学そして附属病院に変わっていくことが求められています。
おわりに
2020年からこれまでに本学附属病院が受け入れたコロナ感染症患者は約1400名(重症患者150名を含む)、コロナ関連検査の実施件数は実に約6万8000件に上ります(データは高橋聡感染制御部長提供)。パンデミックの初期には、道内の医療機関、保健所、宿泊療養施設等に本学の医療スタッフを派遣し、さらにはコロナ患者の健康観察アプリの開発などを通して、本道におけるコロナ感染拡大の抑止・沈静化に大きく貢献してきました。これらの本学の「コロナ禍における闘いの記録」を、現在高橋聡教授を中心に編纂していただいております。今後の感染症医療の上で大変貴重かつ有益な記録・資料となるものと思います。
この4月からは、「感染症医療教育・支援センター」を機構化し、「感染管理認定看護師」養成コースの開設に向けての整備を進めます。また、医学部講座再編により、微生物学分野と感染症学分野から構成される「感染学講座」が新設されます。今後も感染症医療を本学の「強み」の一つとして強化していきたいと考えています。
例年のことですが、3月は異動の時期でもあります。異動される教職員の皆様には、これまでの大学ならびに附属病院における多大なるご貢献に心より感謝申し上げます。新天地でのご活躍とご健康をお祈りいたします。
この4月からは、「感染症医療教育・支援センター」を機構化し、「感染管理認定看護師」養成コースの開設に向けての整備を進めます。また、医学部講座再編により、微生物学分野と感染症学分野から構成される「感染学講座」が新設されます。今後も感染症医療を本学の「強み」の一つとして強化していきたいと考えています。
例年のことですが、3月は異動の時期でもあります。異動される教職員の皆様には、これまでの大学ならびに附属病院における多大なるご貢献に心より感謝申し上げます。新天地でのご活躍とご健康をお祈りいたします。