理事長・学長室から2025

No.41令和7年8月4日発行

はじめに

 7月後半の暑さは半端なかったですね!
 日本もいよいよ亜熱帯に分類されそうだというニュースを耳にして、北海道は別だろうと思っていましたが、そうでもなさそうですね・・。地球温暖化をもっと真剣に考える時が来ていると思います。
 「理事長・学長室から2025」No.41をお届けします。

1.パラオ共和国・札幌医科大学医療連携シンポジウムを開催しました

 7月15日、札幌プリンスホテル国際館パミールにおいて、パラオ共和国・札幌医科大学医療連携シンポジウムを開催しました。本シンポジウムは、本学創基80周年記念事業の一環として開催され、テーマとして「小さな島と大きな大地が抱える医療課題 ~共通点から考える持続可能な医療~」を掲げました。
 来賓としてパラオ共和国、ピーター・アデルバイ駐日大使にご臨席いただきました。大使には、柔道着18着を贈呈させていただきました(写真1)。パラオ共和国では近年、柔道が盛んで、先頃行われたパシフィック・スポーツ大会では銅メダルを獲得されたとのことです。
 稲葉基高先生(特定非営利活動法人ピースウインズ・ジャパン)による「パラオにおける医療支援の現状と今後の課題」と題した講演(写真2)に続いて、本年3月から6月まで本学附属病院にて臨床修練医として研修を行ったアルラン・ジェイソン医師(パラオ、ベラウ国立病院)が、本学における研修の報告やパラオの医療事情などについて講演を行いました(写真3)。放射線医学に関する医療技術や学術的研修成果のみならず、本学の多くの医師との触れ合いの思い出と感謝の気持ちが込められた感動的な講演でした。
 続いて、辻 喜久教授がファシリテーターを務め、パネルディスカッションが行われました(写真4)。パネリストとして、パラオコミュニティカレッジ副学長のクリストファー・キタロング先生、JICA緒方貞子平和開発研究所主任研究員の瀧澤郁雄先生、稲葉基高先生に登壇いただきました。パラオ共和国と北海道の地域医療に共通する課題や、遠隔医療と人的交流を組み合わせた医療支援の可能性などについて議論されました。
 シンポジウムには約280名の参加者がありました(写真5)。本シンポジウムが契機となり、パラオ共和国と本学の医療分野をはじめとする多岐にわたる交流・連携が促進されることを願っています。

2.田嶋幸三先生、土肥美智子先生をお招きし、スポーツ医学公開セミナーを開催

 7月31日、本学講堂において、スポーツ医学講座開設記念、スポーツ医学公開セミナーを開催しました。
 まず、渡邉耕太教授より「スポーツ医学の未来展望」と題して、国公立大学では初めてとなるスポーツ医学講座の意義や今後の活動への意気込みを語っていただきました(写真6)。
 続いて、今回の特別ゲストの土肥美智子先生と田嶋幸三先生にご講演いただきました。土肥先生は日本を代表するスポーツドクターで、サッカー日本代表(男女とも)のチームドクターやオリンピック日本選手団のチームドクター等を務めておられます。今回は「これまで30年、そしてこれから30年のスポーツ医学 ~スポーツ医学が社会にもたらすもの~」と題して、先生のこれまでのスポーツドクターとしてのキャリアや、蓄積してきた五輪選手の臨床データ等について述べていただきました(写真7)。
 田嶋幸三先生は、昨年まで日本サッカー協会(JFA)の会長を務めておられた、まさに日本のサッカー界のトップリーダーです。田嶋先生がJFA会長を務められた約20年間に、日本のサッカーは飛躍的に強くなりました。今回の「世界を目指す日本サッカー ~夢があるから強くなる~」と題したご講演からは、「サッカーを通して国民に夢と希望を与えること」そして「サッカーワールドカップで優勝すること」を目標に掲げて、それが実現可能なところまできた、これまでの道のりを感動的にお話しいただきました(写真8)。
 サッカー界の発展・強化のために尽くしてこられた方策や信念、そして熱い思いというものは、大学の運営にも共通するものだと感じた次第です。
 田嶋先生と土肥先生はご夫婦で、お二人とも超多忙な方ですので、今回揃って本学にお呼びできたことは、渡邉教授の言葉を借りればまさに「奇跡」とも言えることでした。
 会場には、本学学生、教職員、さらには北海道サッカー協会の関係者の方々など、約120名の参加者がありました。まさに本学スポーツ医学講座の開設を記念するにふさわしい素晴らしいセミナーとなったと思います(写真9)。今後のスポーツ医学講座のさらなる発展を期待しております。

3.医学部6年山本龍之介さんが米国UCSFでの臨床研修を終え帰国しました

 6月16日~27日、医学部6年の山本龍之介さんが、米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)にて臨床実習を行い、7月8日に帰国報告に来られました(写真10)。 
 UCSFとは本学は、2019年に国際交流協定を締結しましたが、その後コロナ禍により派遣を見合わせていました。今回、山本さんが初めての派遣学生となりました。UCSFには本学出身の長尾正人教授(整形外科)がおられ、現地での研修も整形外科や外傷学が主体となります。山本さんは、医学研修のみならず、米国の他州から研修中の学生らとも交流を深めるなど、有意義な2週間を過ごしたとのことです(写真11)。
 今回、山本さんに先鞭を切っていただいたUCSFとの交流が、今後ますます活発になることを願っています。

4.北海道総務部各所属対抗ソフトボール大会で本学事務局チームが準優勝

 7月10日~22日に開催された令和7年度北海道総務部各所属対抗ソフトボール大会(全14チーム参加)において、本学事務局選抜チームが準優勝を飾りました(写真12)。一昨年の優勝に続く好成績です。
 蚊が飛び交う、蒸し暑い夕刻の北海道職員野球場において、ベテランと新人の力がうまくかみ合い、大いに奮闘していただきました。来年度のさらなる好成績に期待しています。

おわりに

 まだまだ蒸し暑い日々が続いていますが、これから夏休み、お盆休みなどとられる人も多いかと思います。熱中症や水の事故・交通事故などに気を付けて、良い休暇を過ごされることを願っております。