理事長・学長室から2023

14令和5年5月15日発行

はじめに

 新キャンパス広場「らてす」の芝生の草も伸び、植樹の枝も葉を付けてきました。まさに新緑の季節ですね。
 5月8日から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が感染症法上の「5類感染症」に移行しました。WHOもCOVID-19の緊急事態宣言を解除しています。コロナ患者数は下げ止まりの感がありますが、この3年あまりコロナに翻弄された世の中が一つの節目を迎えたことは確かだと思います。
 本学としても5月8日に危機対策本部員会議を開催し、今後の大学としての対応と行動指針を決定しました。「理事長・学長室から2023、第14号」はその話題から始めたいと思います。
 

1. 5月8日より行動指針をレベル0(通常)に変更

 本学の行動制限などを定める「行動指針」については、これまでのレベル2(制限小)からレベル0(通常)に変更します。ただし、本学では行動指針とは別に「基本的感染対策等の留意事項」を定めており、マスク着用については、附属病院および臨床教育研究棟では「着用することを基本とする」としています。一方、大学管理棟および基礎医学研究棟では、着用を求めないことを基本としています。このほか、コロナに感染した場合の対応等についても示されていますので、5月8日付で総務課から学内に配信されたメール「【新型コロナ対策本部員会議】 本学における新型コロナウイルス感染症に係る感染対策等について」を参照し順守してください。
 また、附属病院に関しては災害医療対策本部(病院課)からの通知に、そして学生については保健管理センターおよび学生委員会の決定に従ってください。
 

2. 室伏広治スポーツ庁長官、6月16日にご来学

 6月16日に、「札幌医科大学スポーツ医学特別講演会」を開催します(図1)。特別講演の講師としてスポーツ庁長官の室伏広治先生をお招きしています。室伏長官は、2004年のアテネオリンピック、ハンマー投げの金メダリストで、2012年のロンドンオリンピックでも銅メダルを獲得しています。一方で、アスリートのパフォーマンス向上に関する研究など、スポーツ医科学にも造詣が深く、東京医科歯科大学の特命教授も務めておられます。
 現在、スポーツ庁長官として、わが国のスポーツ振興はもとより、北海道を含む地域の健康スポーツ普及にも力を入れておられます。室伏先生の講演に先立ち、水泳日本代表のチームドクターなどを務められた、早稲田大学スポーツ科学学術院の金岡恒治教授にご講演いただきます。本学のスポーツ医科学のさらなる発展の上で、大変有意義かつ貴重な講演会となるものと思います。
 現地参加は学内の学生・教職員限定ですが、当日リアルタイムにYouTubeによる配信を行います。ぜひとも多くの皆様のご参加をお願いいたします。
 ※一般の方への詳細は、後日HPでお知らせいたします。
 

3.令和4年度職員提案の表彰式を行いました

  本学では、大学・附属病院の業務改善・改革に関する提案・アイデアを広く職員から募集しています。4月19日、優れた提案をしていただいた3名の教職員に表彰状を授与しました(写真1)。受賞者と受賞提案は以下の通りです。
〇救急医学講座 上村 修二講師
 「医療スタッフを構成員に加えた附属病院運営企画部門の新設」
〇小児科学講座 平川 賢史助教
 「附属病院病棟における廃棄物の分別の徹底」
〇病院課臨床研修係 齋藤 方嗣係長
 「本学施設における各部屋の火元責任者プレートの効率的な掲示」ならびに「使用済み切手の有効活用」このうち、上村先生のご提案は、早速、附属病院における「経営戦略室」の新設という形で実現しています。
 日常の業務の中で、これってどうなの?とか、もう少し何とかならんのか?と思うことは多いかと思います。それを一時の思い付きにとどまらせず、改善のためのアイデアとしてどんどん提案してください。第一線で活躍している教職員の皆さんからの提案・意見こそが、大学・附属病院を良くしていく大きな力になるものと考えています。
 

4. 新コミュニケーションマーク使用デザイン名刺のお知らせ

 「理事長・学長室から2023 No.13」でお知らせした大学新ロゴマーク(コミュニケーションマーク)を使用した名刺のデザインが出来ました(図2,3)。
 尚、従来の大学シンボルマークを使用したえんじ色基調のデザインの名刺も、これまで通り使用可能です。どちらも大学のオフィシャルな名刺として扱います。

おわりに

  今年のゴールデンウイークは、コロナ前を上回る人出の観光地もあったとのこと。空港はどこも大変な混雑ぶりでした。世の中は、足早にコロナ後の世界、ノーマルな世界へと向かっているようです。
 しかし日本には、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という諺があります。今後も、コロナの新たな変異株の出現や、全く新たな感染症パンデミックが襲ってくる可能性もあります。われわれは、COVID-19パンデミックを通して学んだことや、その中で味わった苦労を忘れることなく、医療人あるいは医療人を志す者として、今後も日常生活・業務における適切な衛生管理や、飲食における節度ある行動を保持していかねばなりません。  
 札幌医科大学としても、「感染症医療教育・支援センター」による即戦力スタッフの育成、「感染症科」による診療体制の強化、さらには高難易度検査体制の整備など、今後も北海道さらには日本・世界の感染症医療に貢献していきたいと考えています。皆様のご協力を引き続きよろしくお願いいたします。