理事長・学長室から2023

16令和5年7月20日発行

はじめに

 今年も早、半分が過ぎました。本当に時間が過ぎるのは早いですね。年をとるにつれて時間の流れがものすごい勢いで早くなっていく気がします。この現象、実は19世紀のはるか昔から「ジャネーの法則」として知られているそうです。すなわち、「人生のある時期に感じる時間の長さは年齢の逆数に比例する(年齢に反比例する)」とのことです。ってことは、今の私にとっての1年は、10歳の時の2か月、30歳の時の半年くらいの感覚だということですね。そう言われてみれば、そんなもんかなとも思います・・。ちなみに、NHKの『チコちゃんに叱られる!』によれば、年をとると時間が早く感じるのは、「人生にトキメキが無くなったから」だそうですよ!!
 「理事長・学長室から2023、第16号」をお届けします。
 

1. 「次世代のがんプロフェショナル養成プラン」に本学中心の事業が採択

 6月20日付けで、文部科学省より「次世代のがんプロフェッショナル養成プラン」の審査結果が発表され、本学が北海道大学、旭川医科大学、北海道医療大学と連携して、応募した「地域に貢献する北海道がんプロ養成プラン」が採択されました。ヒアリングにおいて尽力された、齋藤医学部長、櫻井教授に感謝いたします。
 本事業は、北海道における4大学が連携して、がん診療に関わる医療スタッフ(腫瘍内科医、放射線治療医、病理診断医、看護師、薬剤師等)の養成や、telementoring (遠隔指導)の導入により地域医療へ貢献することを目的としています。さらに、ゲノム医療を担う専門医や遺伝カウンセラーの養成や、分子標的治療薬・免疫治療薬などの開発・研究に従事する人材育成も目指します。またYouTubeなどを用いた市民への啓発活動も行います(図1)。
 事業責任者は本学の齋藤医学部長になります。今後、本学の関係各科・部署そして連携大学との協力により実質的な成果をあげていくことが期待されます。
 

2.スポーツ庁の支援を受け「北海道スポーツ医・科学コンソーシアム」を設立

 本学は、北海道、札幌市、北海道スポーツ協会と共同で、スポーツ庁の「地域におけるスポーツ医・科学サポート体制構築事業」に応募し、本道における事業計画が採択されました。
 この採択を受け、この度「北海道スポーツ医・科学コンソーシアム」を設立します(図2)。コンソーシアムの運営委員長を本学の片寄保健医療学部長が務めます。このコンソーシアムの活動により、冬季競技の年代別トップアスリートや道内各地域の高い潜在的競技能力を持つ学校部活動選手に焦点をあてたスポーツ医・科学的支援を行っていきます。
 これまでスポーツ選手のメディカルサポートに多くの実績をあげてきた本学が事業を牽引し、北海道のスポーツ医・科学の発展、ひいては本道のスポーツ全体の振興・活性化につながることを願っています。
 

おわりに

 高校の学級・学校閉鎖が相次ぐなど、コロナ感染が依然として続いています。世界的流行である「パンデミック」が終わり、今後は「エンデミック」(ある感染症が、特定の地域や集団内で一定の罹患率または一定の季節に繰り返し発生している状態)に移行するだろうと言われています。なかなか気が休まらないですね。
 一方、全国いたるところで「線状降水帯」が発生するなど、これまでとは様相が異なる天候変動やそれに伴う災害が発生しています。これも世界的な温暖化・気象異常の一端なのでしょうか?
 世界が一致団結して立ち向かうべき問題が山積しているのに、分断や対立、ましてや戦争なんかしている場合じゃないですよね。一刻も早く、平和で未来に希望が持てる世界・時代が訪れることを願ってやみません。