理事長・学長室から2024

No.30令和6年9月9日発行

はじめに

 「パラリンピック」という言葉が初めて使われたのは、1964年の東京五輪の時だったということをご存知でしたか?Paraplegia(対麻痺)とOlympicを繋げた造語でした。
 パリパラリンピックでも、日本代表選手の皆さんが素晴らしい活躍を見せてくれました。オリンピックに比べ、国民やメディアの関心度が低くなってしまうのはやむを得ないにしても、選手の皆さんのひた向きな努力や奮闘に敬意を表し、心から声援を送る社会でありたいです。
 障がい者スポーツが真に根付いているかどうかは、その国の社会の成熟度を示す指標となるとも言われています。スポーツ医学の側面からも障がい者スポーツを支援していきたいと思います。
 「理事長・学長室から2024」No.30をお届けします。

1.北広島市・札幌医科大学連携協定締結記念講演会が開催されました

 8月20日、北広島市芸術文化ホールにおいて、北広島市・札幌医科大学連携締結記念講演会が開催されました。会場には約220名と大変多くの方々が詰めかけました。
 上野北広島市長のご挨拶に続き、私が「人生100年時代のスポーツ医学 -豊かで健やかな暮らしのために-」と題した講演をさせていただきました(写真1)。引き続き、本学保健医療学部理学療法学科講師の戸田 創先生から「今日からできるコンディショニング」をテーマに、講演と実技指導がありました(写真2,3)。姿勢の矯正や体幹の可動域改善エクササイズについて、チラシも配布し明快にわかりやすく説明していただきました(図1,2)。参加者の皆さんはこぞってエクササイズを実際に体験し、会場は大変な盛り上がりを見せました(写真4)。
 開催にあたっては、北広島市の皆様に広報活動をはじめ周到なご準備をしていただき、また講演前にはエスコンフィールドの見学もさせていただくなど、ご高配いただきましたことに心より感謝申し上げます(写真5)。
 今後も、北広島市の皆様の健康づくりに貢献できるよう、新たな講演会やセミナー、運動イベントなどを企画できればと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

2.コドモックルと札幌医大の医療連携記念シンポジウムを開催しました

 8月21日、北海道立子ども総合医療・療育センター(コドモックル)と札幌医科大学の医療連携を記念したシンポジウムが、本学講堂で開催されました。
 前小児科学講座教授の堤 裕幸名誉教授ならびに北海道立病院局病院事業管理者の鈴木信寛先生のご挨拶に続き、コドモックルの高室基樹センター長より、コドモックルの概要や現状についての講演がありました(写真6)。続いて「コドモックルと札幌医大の医療連携」をテーマに、シンポジウムを行いました。座長として高室センター長と津川 毅小児科学講座教授、シンポジストとしてコドモックルから名和智裕先生(小児循環器内科)、高橋 希先生(小児耳鼻科)、札幌医大から長岡由修助教(小児科)、清水淳也助教(整形外科)が登壇しました。小児医療に関する若手医師の育成方法や、両施設間の人的交流・連携、さらには医療情報システムの連携・共有化のご提案など、非常に有意義なディスカッションが展開されました。
 このシンポジウムを契機に、両施設間の医療連携や人的・学術的交流が一層推進されることを期待したいと思います。また、今後はメディカルスタッフも含めたセミナーやシンポジウムなども開催できればと考えています。

おわりに

 パリオリンピック・パラリンピックが終わったばかりですが、1年半後にはミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪が迫っています。道内の冬季スポーツ選手のサポートに向けて、本学を中心とする「北海道スポーツ医・科学コンソーシアム」も、いよいよ活動を本格化させていきます。10月20日には、「北海道スポーツ医・科学フェスタ」を開催します(図3)。「女性アスリート支援」や「競技力向上のための多職種連携」に関するシンポジウムや、「身体セルフチェック」「スポーツ栄養」「スポーツメンタル」に関する体験・相談会など、多彩な企画が予定されています。スポーツ医・科学に興味のある方はぜひご参加ください。学生さんの参加も大歓迎です。