循環器・腎臓・代謝内分泌内科Division of Cardiovascular, Renal and Metabolic Medicine

概要

診療内容・特色

  近年「心腎連関」すなわち循環器と腎が相互に影響しあうという概念が注目されています。循環器・腎臓・代謝内分泌内科では、それぞれが専門分野を持ちながらも、循環器、腎臓、糖尿病・内分泌代謝全般についての知識と技術を持ち、一人一人の患者さんに対し “全人的な医療”を提供できることが特徴です。
【循環器疾患】

当科は Interventional Cardiologyの分野において、北海道における先駆者としての役割を担い、心臓カテーテル検査・虚血性心疾患に対する冠動脈形成術や不整脈に対するカテーテルアブレーション治療および植込み型デバイス治療(ペースメーカー・植込み型除細動器・両心室ペーシング機能付き植込み型除細動器)などをいち早く積極的に取り入れ,優秀な治療成績を挙げています。最近では外科治療不適応症例への大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁治療(Transcatheter Aortic Valve Implantation: TAVI)や重症僧帽弁閉鎖不全症に対する経皮的僧帽弁形成術 (MitraClip®︎)、心房細動に対する冷凍凝固アブレーション・皮下植込み型除細動器(S-ICD)などの最先端の治療も行っております。心臓超音波検査・核医学検査においても道内で指導的立場にあり、道内各地から、循環器疾患を有する数多くの紹介患者を受け入れています。
また、高度救命救急センターでは当科兼務のスタッフが院外心肺停止患者の蘇生に補助循環装置(IABP/Impella®︎/PCPS)および脳低体温療法を導入し、良好な社会復帰率を得ています。

【腎臓・高血圧疾患】
 急性または慢性の糸球体腎炎・ネフローゼ症候群・急速進行性糸球体腎炎などの原発性腎疾患や膠原病などに伴う続発性腎疾患に対する超音波ガイド下腎生検による組織診断およびステロイドを中心とした免疫抑制療法を行っています。また、糖尿病性腎症・高血圧性腎硬化症など生活習慣病に伴う慢性腎臓病に対する治療および合併する循環器疾患の管理においても、循環器・腎臓の両者を診療するという当科の特徴を活かしたきめ細やかな診療を行っています。さらに、末期腎不全に至ってしまった患者様に対しては腎移植も含めた腎代替療法を提示し、血液透析・腹膜透析療法を担当しています。
また、腎臓は血圧をつかさどる臓器であり、腎実質性高血圧症・腎血管性高血圧症・副腎性高血圧症などの二次性高血圧症にも深くかかわります。二次性高血圧の診断においても、尿検査や超音波検査など各種画像検査や内分泌学的負荷試験および原発性アルドステロン症に対する副腎静脈サンプリング(カテーテルを用いた専門的な検査)を含む専門的な検査などを担当し、正確な診断を行い、原因に対して治療を行います。
【糖尿病・代謝内分泌疾患】
 1型および2型糖尿病、甲状腺疾患、副腎疾患、下垂体疾患、脂質異常症、高尿酸血症などの診断・治療を担当しています。糖尿病に関しては食事・運動・内服療法に加えてインスリン自己注射の導入を積極的に行い、良好な血糖コントロールを得ることを目標としています。さらに虚血性心疾患や閉塞性動脈硬化症、糖尿病性腎症などの合併症も専門医の観点で自ら介入できるのが当科の特徴です。
さらに甲状腺疾患、副腎疾患、下垂体疾患では各種血液検査、負荷試験やCT、MRI、エコーなどによる画像診断により確定診断を行い、内科的管理の継続または外科的手術適応の判断を行います。

専門分野

循環器疾患
 狭心症・心筋梗塞・弁膜症・心筋症・不整脈・大動脈疾患・肺高血圧症
腎臓疾患
糸球体腎炎・ネフローゼ症候群・急速進行性糸球体腎炎・糖尿病性腎症・末期腎不全に対する腎代替療法(血液透析・腹膜透析) 
高血圧・糖尿病・内分泌疾患
高血圧・糖尿病・高脂血症・高尿酸血症・副腎疾患・甲状腺疾患・下垂体疾患