助産学専攻 教育内容
助産学専攻の教育への取り組み
本学の助産学専攻は2012年に専攻科として開設しました。カリキュラムや教授法を検討する上で特に重視していることは、母性看護学を中心とした看護基礎教育とのつながり及び卒後の助産師教育とのつながりを踏まえた教育活動です。また、2020年に開設した公衆衛生看護学専攻の学生と共に学ぶことで、互いの職種を理解し合い連携する力を育むことも目指しています。
本専攻には道内を中心に様々な大学から学生が入学してきます。入学後、個々の学習状況を把握するため厚生労働省が示す「看護師教育の技術項目と卒業時の到達度」の達成状況及び母性看護関連のケア・技術について調査を行います。この結果を参考に個別の状況に応じた関わりを検討し、教育活動を行っています。
さらに本専攻を担当する教員は、本学看護学科の教育にも携わっています。3年次の母性看護演習・実習や4年次の看護技術総合演習などを通して理解した看護学生像を基に、助産師へと成長していくための教育内容・方法を検討しています。
卒後の助産師教育とのつながりにおいては、臨床で勤務する修了生や実習指導者の声を大切にしています。臨床の状況や新人助産師のケア能力の現状を共有し、新人助産師になる前の助産教育において何を経験し獲得する必要があるのか時間をかけて意見交換を行っています。このような臨床助産師とのつながりの強さも本専攻の教育を支える貴重な財産と考えています。
修了生の7~8割は、北海道内の医療機関に助産師として就職しています。このことは北海道の周産期医療や母子保健への貢献を目指す本学の特徴の1つといえます。実習先に赴いた際、助産師として立派に働く修了生の姿に出会う機会も多くなりました。教員は、その成長した姿に感動し、日々の助産教育に携わるエネルギーをもらっています。そのエネルギーを基に、これからも安全に安心して子どもを産み育てられる社会の実現をめざし、助産師を養成していきたいと考えています。
取得可能な資格
- 助産師国家試験受験資格
- 受胎調節実地指導員申請資格
- 新生児蘇生法(NCPR)専門コース(Aコース)修了認定申請資格
カリキュラムの特徴
母性看護学教育を取り巻く現状を踏まえ、看護学教育から助産学教育への滑らかな移行を目指し学内での講義・演習で基礎を固めた上で、実習に向かえるようカリキュラムを構成しています。
カリキュラムは、助産学の基盤となる基礎領域、助産ケアに直接かかわる実践領域、助産師としての質を高める関連領域の科目群で構成しています。特に、学内演習ではロールプレイを多く取り入れ、「人」との関わりを重視し、臨床での「リアルな場面」を再現しながら助産師としてのケア能力を高める学修を充実させています。また、学生時代から多職種と協働する力を育めるよう、保健師を目指す公衆衛生看護学専攻の学生と共に学べる講義・演習も準備しています。