医学部長あいさつ
札幌医科大学が1950年に現在の場所に開学し70年が経過しました。これまで医学部から5,844名が卒業し、北海道をはじめとする国内や海外の場で活躍してきました。
そうした先輩達の活躍は、病気をもった方々の診療にとどまらず、医学研究、医学教育、医療・保健行政など幅広い分野に広がっており、それぞれの分野の歴史をつくってきました。
最近では皆様ご存じのように、新型コロナウイルス感染症は日本国内のみならず世界中にこれまで経験したことがない社会的・経済的混乱を引き起こしました。この中で医療とりわけ医師がこれほど社会に注目されたこともないかも知れません。人間社会を形成するためには人々の健康は必須の条件であり、そのためには医療・医師は欠くことができない社会的インフラだからです。コロナ禍の中で北海道内においても札幌医大附属病院を始め札幌医大を卒業した医師達が全道各地で地域住民を守るために大活躍してまいりました。
医学部を卒業するとほとんどの人は医師になるわけですが、その進路は様々で臨床医学、基礎医学、公衆衛生などがあります。しかしいずれの分野に進んでも、そしてどこに住んでいても一生涯勉強し続けなければなりません。
医療は絶え間なく進歩しており医師はそれを学ぶことを怠った瞬間に取り残されてしまうからです。
札幌医科大学医学部は大学在学生ばかりではなく卒業生に対しても学習のためのサポートをし続けます。
令和3年には10年がかりの新キャンパスが完成し、医学部生、大学院生、卒業生が力一杯勉強する器ができました。また、良い医療を提供するためには、知識のみではなく様々な医療スタッフとチームを組み、最善の治療方針を決定してゆかなければなりません。医師はそのチームの中では常にキャプテンである事を求められます。
そのためには学生時代から部活動、ボランティア活動などを通じ、判断力やコミュニケーション能力を養う努力は必要です。札幌医大は有意義な学生生活を送るためのソフト、ハードの面でのサポート体制も整備されております。あとはエネルギーにあふれた皆様を迎え、札幌医科大学が新しい時代に向けて発展出来る事を確信しております。