学部長あいさつ

　2020年1月にCovid-19が国内で報告されてからの現在までに、社会システムそして人々の様々な価値観の変容をもたらしました。コロナ禍での教育・研究・保健医療の維持という未曾有の経験は、苦慮する課題への対応と決断の連続であったように思います。

　こんな時代である今、健康とQOLの回復と維持増進のための知と実践である保健医療学の果たすべき多様な役割が改めてクローズアップされてきました。コロナ禍、そして人生100年時代やSociety 5.0など、変化する社会に応じた保健医療の創生が求められているのです。

　保健医療学部は、1983年に開設された札幌医科大学衛生短期大学部を前進に、1993年に看護学科、理学療法学科、作業療法学科の3学科を構成して開設されました。現在までに大学院保健医療学研究科および専攻科を有し、医学部、医療人育成センターそして附属病院との強固な連携を背景に我が国における保健医療系学部のパイオニアとして発展を遂げています。さらに学部組織としての地域貢献推進センター、また附属病院との連携による看護キャリア支援センターや理学療法士・作業療法士研修センター、およびスポーツ医学センターなど保健医療学の専門性を多様な視点で発展させていく環境も整えてきています。保健医療専門職の学部・大学院・専攻科から卒後教育、キャリア支援そして専門性を活用した臨床環境にいたるプロフェッショナリズムの涵養を視点にもち、それを実践してきた本学部の実績は国内を俯瞰しても先駆的で誇れるものであると考えています。

　「進取の精神と自由闊達な気風」、「医学・医療の攻究と地域医療への貢献」という建学の精神のもと、他職種連携が意識された環境で学んだ卒業生は、北海道の地域医療をはじめ多様化する保健医療の最前線で高く評価されるリーダーとして活躍しています。教育・研究機関で保健医療学の攻究や行政機関・企業で活躍する卒業生も少なくはありません。これら卒業生という人財と多様な実績を礎に、最高レベルの医科大学を目指すという高い視座の理念で、未来の保健医療を支え、創成していく保健医療学部の歩みを重ねていきたいと思っています。

　ぜひ多くの皆様に本学部への関心をもっていただきますとともに、ご支援を賜ることができれば幸甚に存じます。