精神障害作業療法学

領域紹介 -精神障害作業療法学とは

人が抱える精神的な困難や精神障害を扱う作業療法の領域です。対象となる疾患や障害は統合失調症、うつ病、不安症、アルコール・薬物依存、青年期以降の自閉スペクトラム症、認知症、などです。学生は、精神障害の背景にある脳機能や心理学的要因、社会的環境の影響を学び、それらを踏まえた各種のリハビリテーション関連理論・技法を作業療法の視点から学習します。さらに臨床現場での実習を通してリハビリテーションの実際を体験します。

教員紹介

作業療法学科 講座・教員紹介

教授 池田 望

高校生へのメッセージ

対象者を生物学的・心理学的・社会学的な観点から包括的に理解するのが作業療法の強みであり、精神領域ではこの包括的な理解を元に “心の課題に向き合い、どう生きるか”をともに考え、支援する方法を探ります。“こころの世紀”である現在、様々な発展が期待されている領域です。一緒に学び、考えましょう。

講師 森元 隆文

高校生へのメッセージ

目の前にいる人が精神的につらい状況で“何ができるか”“何をすれば生活が良い方向に向かうのか”ということを検討し、支援をするのが精神障害作業療法だと考えています。札幌医科大学で一緒に考え、成長できる仲間をお待ちしております。

講師 横山 和樹

高校生へのメッセージ

作業療法の利点は、対象者の病気や障がいだけではなく、その人がもつ強みや生きがいに着目した支援ができることだと考えています。あらゆる方々がこころを健康に保ち、充実した地域生活を送れるように、札幌医科大学で一緒に学びませんか?

研究テーマ(教育活動、社会貢献活動)

1 精神障害を持つ人のリカバリーに貢献するリハビリテーション

精神障害リハビリテーション学分野では、人々の精神的健康や精神の疾患および障害を持つ人の回復(リカバリー)、およびその支援について研究を行っています。精神的な問題が立ち現れる背景には、個人の神経学的または心理学的な特性のみならず、地域社会の理解や文化的背景も要因として存在します。したがって、包括的・多角的な視点から多様な研究アプロ—チがとられます。具体的には視線計測や脳酸素動態などによる認知神経学的な指標や各種心理・行動尺度を用いた量的研究の他、インタビューやフィールドワークによる質的データの分析、さらにはそれらを複合した研究(混合研究)を実施しています。対象には、精神症状を持つ方々だけではなく、予防・未病の観点から症状が顕在化していない方も含まれます。

2 認知症の人と家族の支援に関する調査研究

調査研究報告書の写真
世界に先駆けて超高齢社会となった我が国の認知症対策は海外から注目されており、札幌市でも認知症当事者を含めた支援活動であるチームオレンジや認知症カフェ、若年性認知症の人や家族への支援など、様々な施策が展開されているところです。私たちは札幌市と連携しながら実態調査や効果検証を行い、施策への提言を行っています。

3 統合失調症者への認知行動療法プログラムの効果検証

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統合失調症を有する方々が、自分自身の考え方(認知)や行動のクセについて学習し、症状の緩和や実生活での暮らしやすさにつながるプログラムを実施し検討しています。その結果、統合失調症の症状である妄想が和らいだり、気分が改善する、また日常生活でのストレスへの対処様式の変化などの効果を示す知見が得られています。

研究室ホームページ