レスベラトロールによる筋ジストロフィー治療の有効性についての臨床研究の成果 ~長寿遺伝子の長期活性化による運動機能の向上と筋力の増加~
[研究の概要]
札幌医科大学附属病院において、筋ジストロフィー症患者さんに対してレスベラトロールを用いた探索的治療研究を実施した結果を論文として発表致しました。
札幌医科大学の筋ジストロフィー症治療研究チーム(医学部小児科学講座 堤裕幸(つつみひろゆき)名誉教授、川崎幸彦(かわさきゆきひこ) 教授、保健医療学部理学療法学 小塚直樹(こづかなおき)教授、医学部薬理学講座 堀尾嘉幸(ほりおよしゆき)教授らを中心とするグループ)はこれまでの研究成果を元に、レスベラトロールの有効性と安全性を調べる自主臨床研究を行いました。
本学では10年以上にわたりサーチュイン(長寿遺伝子産物)の1つSIRT1に関する研究を精力的に進めてきました。その研究から、サーチュインの1つSIRT1の活性化が筋ジストロフィー症の進行を抑制する機能をもち、SIRT1を活性化するレスベラトロールが動物モデルの筋ジストロフィー症に有効であることを2011年に世界で初めて報告しました。その後の研究成果を元に、今回、初めて筋ジストロフィー症の患者さんにレスベラトロールを投与し、その有効性と安全性を検討する治療研究(第2相a臨床研究)の結果を国際科学誌Scientific Reports(Resveratrol improves motor function in patients with muscular dystrophies: an open-label, single-arm, phase IIa study | Scientific Reports (nature.com)に公表致しました。(2020年11月25日オンライン版で発表)
[研究の背景]
・筋ジストロフィー症は筋力が次第に衰えていく疾患で、様々なタイプのある遺伝性の疾患です。寿命に影響するタイプもあり、現在のところよい治療法はありません。
・私たちの研究グループでは長寿遺伝子産物SIRT1の研究を行ってきました。その中でレスベラトロールがSIRT1の活性化を介して細胞の酸化ストレスを低下させ、細胞死を抑制することを明らかとしてきました。そのメカニズムとして活性酸素を分解するSOD2(スーパーオキシドディスムターゼ)量を増加させ(文献2)、活性酸素の発生源となる障害されたミトコンドリアをオートファジーの活性化を介した分解機構で分解し(文献4、7、8)また、細胞死を起こすp53の働きを抑制して、同時に細胞生存に関与するFOXO転写因子を活性化して細胞生存に働くことを明らかとしてきました(文献5)。また、SIRT1を骨格筋で欠損するマウスが弱い筋ジストロフィー症状を示し、SIRT1が骨格筋の細胞膜の膜修復に関与することを明らかとしてました(文献9)。レスベラトロールをドゥシャンヌ型筋ジストロフィー症モデルマウス(mdxマウス)に投与すると、骨格筋や心筋の酸化ストレス量が低下し、骨格筋量の増加、遅筋量の増加が見られ、骨格筋や心筋の繊維化の抑制や心筋肥大の抑制、血清クレアチンキナーゼの低下、筋力や筋の持久力の増加、心筋機能の低下を抑制することが明らかとなりました(文献3,6,7,8)。
[研究目的]
レスベラトロールの筋ジストロフィーへの有効性と至適な投与量について検討し、同時に安全性について調べました。
[研究]
筋ジストロフィー症(ドゥシャンヌ型、ベッカー型、福山型)の患者さん合計11名にレスベラトロールを経口で服用する臨床研究を行いました。
[対象者]
12歳から46歳のドゥシャンヌ型、ベッカー型、福山型の筋ジストロフィー症の患者さん 男性10名、女性1名。多くの方は症状がかなり進行した方で、7名の方は歩行困難で車いすが必要な方でした。
[実施場所]
札幌医科大学附属病院
[レスベラトロールの投与方法]
所定の検査(血液、筋力、心臓、呼吸機能など)後にレスベラトロール1回/1日を8週間連続服用し、その後8週間はレスベラトロールを2回/1日で服用、さらにその後、レスベラトロール投与量を3回/日に増量して8週間連続で服用しました。投与中は定期的に外来受診をして検査を受けていただきました。
[主な研究実施者]
札幌医科大学筋ジストロフィー症治療研究チーム
医学部小児科学講座 責任者:堤裕幸(つつみひろゆき)名誉教授、川崎幸彦(かわさきゆきひこ)教授
保健医療学部理学療法学 責任者:小塚直樹(こずかなおき)教授、
医学部薬理学講座 責任者:堀尾嘉幸(ほりおよしゆき)教授
医学部医療統計学 樋之津史郎(ひのつしろう)教授
臨床研究実施担当責任者:医学部小児科学講座 川村健太郎
そのほかの研究参加組織
北海道千歳リハビリテーション大学、北海道大学、愛知医科大学
[研究の結果]
・運動機能の向上:運動機能スケール(MFM)を測定したところ、レスベラトロール服用24週間後に10%の向上が見られました。このような向上は通常の治療法ではこれまで観察されたことがないものでした。
・筋力の向上:2種類の筋力測定項目で有意な増加が観察され、10名の患者さんで測手できた肩を挙げる力では、投与24週間後で平均して2倍の筋力増加(平均で4 kgfが8.3 kgfに増加)が観察されました。また、5名の患者さんで測定できた肩の外転力でも約2倍の筋力増加(平均で4 .4kgfが9.1 kgfに増加)が見られました。このような筋力の増加もこれまでの治療法では見ることができないものでした。
・血中クレアチンキナーゼの量:筋の壊れを示すクレアチンキナーゼの量は平均で34%の低下がみられましたが、統計的には有意な差ではありませんでした。今回参加いただいた患者さんの病態が均一ではないことが影響している可能性が考えられました。
・副作用:腹痛と下痢が一部の患者さんで認められました。軽度の下痢は4名の患者さんで見られました。最大投与量の場合(1日3回投与)は中等度の下痢が2名の患者さんに観察されました。下痢はレスベラトロールの投与量を減らすと回復しました。その他に治療期間中に呼吸器系の感染症を発症した患者さんがいましたが、レスベラトロールの投与とは無関係と判断しています。
<今回の臨床研究の意義>
・今回の臨床研究では患者さんの数が少なく、年齢幅が広いこと、筋ジストロフィーが3つの種類にわたっていること、また、各患者さんの症状がまちまちであることが分析結果を出づらくしたものではありますが、治療により運動機能や筋力の改善が見られたことはレスベラトロールが筋ジストロフィーの治療に有効である可能性が強く示されたと考えています。特に、運動機能(MFM)が改善したことは患者さんのQOLの改善に直接つながる重要な知見であるとともに、筋力増加については平均で2倍、患者さんによっては3倍の増加を示したことはこれまでの既存の治療法では観察されたことがないもので、特筆に値する結果であると考えています。
<今後の展開について>
・今回の研究ではごく少数の患者さんで効果があったことを示すことが出来ましたが、より多くの患者さんにご協力いただいてさらに大規模な臨床研究を行うことがレスベラトロールの実用化に必須と考えています。
・また、今回使用したレスベラトロールは健康食品として使われているものであり、医薬品ではありません。研究結果からは長期の服用が必須と考えられ安全性のためにも、また、費用負担の面からも医薬品としてのレスベラトロール開発が求められます。
・現在、筋ジストロフィーの治療薬は、ドゥシャンヌ型に対するステロイドホルモンが主体ですが、一方で注意すべき副作用も多く、完全な治療法というには距離があるものです。また、同じくドゥシャンヌ型の一部では遺伝子治療が始まっていますが、まだ全面的な応用には至っていません。レスベラトロールはこれらの薬物とは作用機序が異なる点で、これらの治療薬と併用も可能であり、症状の進行抑止や症状低下のための筋ジストロフィー治療薬としての開発が必要と考えています。このためには多くの患者さんや治療に当たられる医師をはじめとした医療関係者の方々のご協力が不可欠であります。どうぞ、今後の展開につながるようなご支援を頂けますと光栄です。
[参考文献]
(1) Kawamura K. et al. Resveratrol improves motor function in patients with muscular dystrophies: An open-label, single-arm, phase IIa study. Scientific Reports www.nature.com/articles/s41598-020-77197-6.
(2) Tanno M. et al. Induction of manganese superoxide dismutase by nuclear translocation and activation of SIRT1 promotes cell survival in chronic heart failure. J. Biol. Chem. 285, 8375-8382, 2010.
(3) Hori S.Y. et al. Resveratrol ameliorates muscular pathology in the dystrophic mdx mouse, a model for Duchenne muscular dystrophy. J. Pharmacol. Exp. Ther. 338, 784-794, 2011.
(4) Morselli E. et al. Spermidine and resveratrol induce autophagy by distinct pathways converging on the acetylproteome. J. Cell Biol. 192, 615-629, 2011.
(5) Hori Y.S. et al. Regulation of FOXOs and p53 by SIRT1 modulators under oxidative stress. PLOS ONE 2013 Sep 11;8(9):e73875.
(6) Kuno A. et al. Resveratrol improves cardiomyopathy in dystrophin-deficient mice through SIRT1 Protein-mediated modulation of p300 Protein. J. Biol. Chem. 288, 5963-5972, 2013.
(7) Kuno A. et al. Resveratrol ameliorates mitophagy disturbance and improves cardiac pathophysiology of dystrophin-deficient mdx mice. Sci Rep. 2018 Oct 22;8(1):15555.
(8) Sebori R. et al. Resveratrol decreases oxidative stress by restoring mitophagy and improves the pathophysiology of dystrophin-deficient mdx mice. Oxid Med Cell Longev. 2018; Article ID 9179270.
(9) Fujiwara D. et al. SIRT1 deficiency interferes with membrane resealing after cell membrane injury.
PLOS ONE. 2019 Jun 26;14(6):e0218329.
札幌医科大学附属病院において、筋ジストロフィー症患者さんに対してレスベラトロールを用いた探索的治療研究を実施した結果を論文として発表致しました。
札幌医科大学の筋ジストロフィー症治療研究チーム(医学部小児科学講座 堤裕幸(つつみひろゆき)名誉教授、川崎幸彦(かわさきゆきひこ) 教授、保健医療学部理学療法学 小塚直樹(こづかなおき)教授、医学部薬理学講座 堀尾嘉幸(ほりおよしゆき)教授らを中心とするグループ)はこれまでの研究成果を元に、レスベラトロールの有効性と安全性を調べる自主臨床研究を行いました。
本学では10年以上にわたりサーチュイン(長寿遺伝子産物)の1つSIRT1に関する研究を精力的に進めてきました。その研究から、サーチュインの1つSIRT1の活性化が筋ジストロフィー症の進行を抑制する機能をもち、SIRT1を活性化するレスベラトロールが動物モデルの筋ジストロフィー症に有効であることを2011年に世界で初めて報告しました。その後の研究成果を元に、今回、初めて筋ジストロフィー症の患者さんにレスベラトロールを投与し、その有効性と安全性を検討する治療研究(第2相a臨床研究)の結果を国際科学誌Scientific Reports(Resveratrol improves motor function in patients with muscular dystrophies: an open-label, single-arm, phase IIa study | Scientific Reports (nature.com)に公表致しました。(2020年11月25日オンライン版で発表)
[研究の背景]
・筋ジストロフィー症は筋力が次第に衰えていく疾患で、様々なタイプのある遺伝性の疾患です。寿命に影響するタイプもあり、現在のところよい治療法はありません。
・私たちの研究グループでは長寿遺伝子産物SIRT1の研究を行ってきました。その中でレスベラトロールがSIRT1の活性化を介して細胞の酸化ストレスを低下させ、細胞死を抑制することを明らかとしてきました。そのメカニズムとして活性酸素を分解するSOD2(スーパーオキシドディスムターゼ)量を増加させ(文献2)、活性酸素の発生源となる障害されたミトコンドリアをオートファジーの活性化を介した分解機構で分解し(文献4、7、8)また、細胞死を起こすp53の働きを抑制して、同時に細胞生存に関与するFOXO転写因子を活性化して細胞生存に働くことを明らかとしてきました(文献5)。また、SIRT1を骨格筋で欠損するマウスが弱い筋ジストロフィー症状を示し、SIRT1が骨格筋の細胞膜の膜修復に関与することを明らかとしてました(文献9)。レスベラトロールをドゥシャンヌ型筋ジストロフィー症モデルマウス(mdxマウス)に投与すると、骨格筋や心筋の酸化ストレス量が低下し、骨格筋量の増加、遅筋量の増加が見られ、骨格筋や心筋の繊維化の抑制や心筋肥大の抑制、血清クレアチンキナーゼの低下、筋力や筋の持久力の増加、心筋機能の低下を抑制することが明らかとなりました(文献3,6,7,8)。
[研究目的]
レスベラトロールの筋ジストロフィーへの有効性と至適な投与量について検討し、同時に安全性について調べました。
[研究]
筋ジストロフィー症(ドゥシャンヌ型、ベッカー型、福山型)の患者さん合計11名にレスベラトロールを経口で服用する臨床研究を行いました。
[対象者]
12歳から46歳のドゥシャンヌ型、ベッカー型、福山型の筋ジストロフィー症の患者さん 男性10名、女性1名。多くの方は症状がかなり進行した方で、7名の方は歩行困難で車いすが必要な方でした。
[実施場所]
札幌医科大学附属病院
[レスベラトロールの投与方法]
所定の検査(血液、筋力、心臓、呼吸機能など)後にレスベラトロール1回/1日を8週間連続服用し、その後8週間はレスベラトロールを2回/1日で服用、さらにその後、レスベラトロール投与量を3回/日に増量して8週間連続で服用しました。投与中は定期的に外来受診をして検査を受けていただきました。
[主な研究実施者]
札幌医科大学筋ジストロフィー症治療研究チーム
医学部小児科学講座 責任者:堤裕幸(つつみひろゆき)名誉教授、川崎幸彦(かわさきゆきひこ)教授
保健医療学部理学療法学 責任者:小塚直樹(こずかなおき)教授、
医学部薬理学講座 責任者:堀尾嘉幸(ほりおよしゆき)教授
医学部医療統計学 樋之津史郎(ひのつしろう)教授
臨床研究実施担当責任者:医学部小児科学講座 川村健太郎
そのほかの研究参加組織
北海道千歳リハビリテーション大学、北海道大学、愛知医科大学
[研究の結果]
・運動機能の向上:運動機能スケール(MFM)を測定したところ、レスベラトロール服用24週間後に10%の向上が見られました。このような向上は通常の治療法ではこれまで観察されたことがないものでした。
・筋力の向上:2種類の筋力測定項目で有意な増加が観察され、10名の患者さんで測手できた肩を挙げる力では、投与24週間後で平均して2倍の筋力増加(平均で4 kgfが8.3 kgfに増加)が観察されました。また、5名の患者さんで測定できた肩の外転力でも約2倍の筋力増加(平均で4 .4kgfが9.1 kgfに増加)が見られました。このような筋力の増加もこれまでの治療法では見ることができないものでした。
・血中クレアチンキナーゼの量:筋の壊れを示すクレアチンキナーゼの量は平均で34%の低下がみられましたが、統計的には有意な差ではありませんでした。今回参加いただいた患者さんの病態が均一ではないことが影響している可能性が考えられました。
・副作用:腹痛と下痢が一部の患者さんで認められました。軽度の下痢は4名の患者さんで見られました。最大投与量の場合(1日3回投与)は中等度の下痢が2名の患者さんに観察されました。下痢はレスベラトロールの投与量を減らすと回復しました。その他に治療期間中に呼吸器系の感染症を発症した患者さんがいましたが、レスベラトロールの投与とは無関係と判断しています。
<今回の臨床研究の意義>
・今回の臨床研究では患者さんの数が少なく、年齢幅が広いこと、筋ジストロフィーが3つの種類にわたっていること、また、各患者さんの症状がまちまちであることが分析結果を出づらくしたものではありますが、治療により運動機能や筋力の改善が見られたことはレスベラトロールが筋ジストロフィーの治療に有効である可能性が強く示されたと考えています。特に、運動機能(MFM)が改善したことは患者さんのQOLの改善に直接つながる重要な知見であるとともに、筋力増加については平均で2倍、患者さんによっては3倍の増加を示したことはこれまでの既存の治療法では観察されたことがないもので、特筆に値する結果であると考えています。
<今後の展開について>
・今回の研究ではごく少数の患者さんで効果があったことを示すことが出来ましたが、より多くの患者さんにご協力いただいてさらに大規模な臨床研究を行うことがレスベラトロールの実用化に必須と考えています。
・また、今回使用したレスベラトロールは健康食品として使われているものであり、医薬品ではありません。研究結果からは長期の服用が必須と考えられ安全性のためにも、また、費用負担の面からも医薬品としてのレスベラトロール開発が求められます。
・現在、筋ジストロフィーの治療薬は、ドゥシャンヌ型に対するステロイドホルモンが主体ですが、一方で注意すべき副作用も多く、完全な治療法というには距離があるものです。また、同じくドゥシャンヌ型の一部では遺伝子治療が始まっていますが、まだ全面的な応用には至っていません。レスベラトロールはこれらの薬物とは作用機序が異なる点で、これらの治療薬と併用も可能であり、症状の進行抑止や症状低下のための筋ジストロフィー治療薬としての開発が必要と考えています。このためには多くの患者さんや治療に当たられる医師をはじめとした医療関係者の方々のご協力が不可欠であります。どうぞ、今後の展開につながるようなご支援を頂けますと光栄です。
[参考文献]
(1) Kawamura K. et al. Resveratrol improves motor function in patients with muscular dystrophies: An open-label, single-arm, phase IIa study. Scientific Reports www.nature.com/articles/s41598-020-77197-6.
(2) Tanno M. et al. Induction of manganese superoxide dismutase by nuclear translocation and activation of SIRT1 promotes cell survival in chronic heart failure. J. Biol. Chem. 285, 8375-8382, 2010.
(3) Hori S.Y. et al. Resveratrol ameliorates muscular pathology in the dystrophic mdx mouse, a model for Duchenne muscular dystrophy. J. Pharmacol. Exp. Ther. 338, 784-794, 2011.
(4) Morselli E. et al. Spermidine and resveratrol induce autophagy by distinct pathways converging on the acetylproteome. J. Cell Biol. 192, 615-629, 2011.
(5) Hori Y.S. et al. Regulation of FOXOs and p53 by SIRT1 modulators under oxidative stress. PLOS ONE 2013 Sep 11;8(9):e73875.
(6) Kuno A. et al. Resveratrol improves cardiomyopathy in dystrophin-deficient mice through SIRT1 Protein-mediated modulation of p300 Protein. J. Biol. Chem. 288, 5963-5972, 2013.
(7) Kuno A. et al. Resveratrol ameliorates mitophagy disturbance and improves cardiac pathophysiology of dystrophin-deficient mdx mice. Sci Rep. 2018 Oct 22;8(1):15555.
(8) Sebori R. et al. Resveratrol decreases oxidative stress by restoring mitophagy and improves the pathophysiology of dystrophin-deficient mdx mice. Oxid Med Cell Longev. 2018; Article ID 9179270.
(9) Fujiwara D. et al. SIRT1 deficiency interferes with membrane resealing after cell membrane injury.
PLOS ONE. 2019 Jun 26;14(6):e0218329.