インターラクティブなWebグラフを用いた新型コロナウイルス感染状況分析 - 適切な状況把握と感染対策行動への有用性 -

 

この度,札幌医科大学医学部附属フロンティア医学研究所・ゲノム医科学部門におきまして,2020年3月23日に公開し3月24日にプレスリリースを行った「人口100万人あたりの新型コロナウイルス感染者数・死者数推移のグラフ化サイト」(https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/)について,新たな解析機能を加え,その成果が米国感染症学会のClinical Infectious Disease誌に論文として受理されました.2020年4月27日にWebサイト(https://dx.doi.org/10.1093/cid/ciaa500)で論文が公開されましたのでお知らせいたします.

本論文では,人口あたりの新型コロナウイルス感染者数・死者数推移についてWeb上で自由に操作できるインターラクティブなグラフとして解析可能としたこと,また,これにより時間的な推移や国間の比較が容易となることで,より正確な感染状況の把握が可能となり,様々な国において感染抑制に向けた行動の助けになることを報告いたしました.この論文が米国感染症学会の公式雑誌に掲載されたことは,本Webサイトの有用性が国際的にも評価されたものと考えられます.

解析例として主要国での人口100万にあたりの感染者数および死者数推移のグラフを提示しています.他国と比較して日本における増加率が明らかに異なっていることがグラフから分かり,このような解析をWeb上で容易に行うことが可能です.また,指数関数的な増加の状況把握に有用とされるトラジェクトリー解析(縦軸に増加数,横軸に総数)も簡易的に行うことが可能です.現在,国別だけでなく都道府県別の解析についても,本サイトにて公開しております.

【論文情報】
雑誌名: Clinical Infectious Diseases
論文タイトル: Interactive web-based graphs of novel coronavirus COVID-19 cases and deaths per population by country.
著者:Masashi Idogawa, Shoichiro Tange, Hiroshi Nakase, and Takashi Tokino.
DOI番号: 10.1093/cid/ciaa500
URL:https://dx.doi.org/10.1093/cid/ciaa500
 
図
(図は論文投稿時のデータ)

<本件に関するお問い合わせ先>

札幌医科大学医学部附属フロンティア医学研究所 
ゲノム医科学部門・講師・井戸川雅史
TEL:011-611-2111(内線23870)     
E-メール:idogawa★sapmed.ac.jp ※★を@に変えて送信してください。
 
 

発行日:

情報発信元
  • 医学部附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門