【研究成果】薬剤耐性菌による尿路感染症への新たな治療選択肢:国際共同フェーズ3試験「Integral-1」で新薬の有効性と安全性を確認
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本学医学部 感染制御・臨床検査医学講座 高橋 聡教授らの国際的研究グループは、複雑性尿路感染症(cUTI)および急性単純性腎盂腎炎を対象とした新たな治療法の有効性と安全性を検証する**国際共同フェーズ3試験(Integral-1試験)の結果を、『The Lancet』に発表しました。
[背景] 深刻化する薬剤耐性(AMR)への挑戦
現在、世界的に薬剤耐性(AMR)菌の増加が公衆衛生上の大きな脅威となっており、特にカルバペネム系抗菌薬に耐性を持つ腸内細菌目細菌は、治療が極めて困難です。こうした耐性菌に対抗するため、既存の抗菌薬(セフェピムやアズトレオナム)の効果を増強させる新しいβ-ラクタマーゼ阻害剤「ナキュバクタム」の開発が進められてきました。
[研究の概要と結果]
本研究は、日本を含む世界9カ国79施設で実施された、二重盲検ランダム化比較試験です。
1. 有効率は、セフェピム–ナキュバクタム群で82%、アズトレオナム–ナキュバクタム群で72%であり、対照群(61%)と比較して、いずれも非劣性が示された。
2. 特にセフェピム–ナキュバクタム群は、対照群に対して統計学的な優越性(より高い効果)が認められた。
3. 有害事象の発生率は新薬群(30〜33%)の方が対照群(43%)よりも低く、良好な安全性が確認された。
1. 有効率は、セフェピム–ナキュバクタム群で82%、アズトレオナム–ナキュバクタム群で72%であり、対照群(61%)と比較して、いずれも非劣性が示された。
2. 特にセフェピム–ナキュバクタム群は、対照群に対して統計学的な優越性(より高い効果)が認められた。
3. 有害事象の発生率は新薬群(30〜33%)の方が対照群(43%)よりも低く、良好な安全性が確認された。
[社会的意義と今後の展望]
本研究により、セフェピム–ナキュバクタムおよびアズトレオナム–ナキュバクタムが、薬剤耐性菌を含むグラム陰性菌による複雑性尿路感染症の有望な治療選択肢であることが証明されました。セフェピム–ナキュバクタムおよびアズトレオナム–ナキュバクタムが、カルバペネム系抗菌薬に耐性を示すグラム陰性菌による感染症に対し、カルバペネム系抗菌薬の使用を抑えつつ、難治性感染症を治療する戦略(カルバペネム・スペアリング)に大きく貢献することが期待されます。
[論文情報]
タイトル: Efficacy and safety of cefepime–nacubactam and aztreonam–nacubactam compared with imipenem–cilastatin for complicated urinary tract infection or acute uncomplicated pyelonephritis (Integral-1): a double-blind, randomised phase 3 trial
著者: Satoshi Takahashi, Kazuhiro Tateda, Katsunori Yanagihara, Hiroshige Mikamo et al.
掲載誌: The Lancet (2026; 407: 1929–40)
資金提供: Meiji Seika ファルマ株式会社、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
著者: Satoshi Takahashi, Kazuhiro Tateda, Katsunori Yanagihara, Hiroshige Mikamo et al.
掲載誌: The Lancet (2026; 407: 1929–40)
資金提供: Meiji Seika ファルマ株式会社、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)