平成23年(2011年)理事長年頭あいさつ
平成23年1月4日 島本理事長・学長による新年の年頭あいさつが行われました
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仕事始めを迎えた平成23年1月4日、島本和明理事長・学長は臨床医学研究棟講堂において、附属病院職員、大学教職員を前に新年の年頭あいさつを行いました。
挨拶では、新中期計画の最重要課題となる新キャンパス構想や、がんワクチンや再生医療の拠点となる新研究所の設置、最先端医療の提供に向けた手術室への最先端機器の導入、質の高い学生の確保に向けた取り組み等について語られました。
平成23年度の理事長年頭あいさつについては下記をご覧ください。
挨拶では、新中期計画の最重要課題となる新キャンパス構想や、がんワクチンや再生医療の拠点となる新研究所の設置、最先端医療の提供に向けた手術室への最先端機器の導入、質の高い学生の確保に向けた取り組み等について語られました。
平成23年度の理事長年頭あいさつについては下記をご覧ください。
~平成23年度(2011年) 理事長年頭あいさつ~
新年あけましておめでとうございます。
珍しく雪のない、晴れ渡った正月で、皆様も雪かきのない、ゆっくりと落ち着いた正月を迎えられたものと存じます。
教職員の皆様、学生諸君、同窓生の皆様にとって実り多き年となりますよう心よりお祈り申し上げます。
さて、昨年4月に理事長・学長に就任して、ちょうど9ヵ月経ったところでございます。不慣れなこともあり、手探りで歩んだ9ヵ月でした。新年を迎えるにあたり、今までの歩みも踏まえて、今後の札幌医科大学の運営の抱負を述べさせていただきます。
昨年、本学は、昭和25年の創設から開学60周年、前進の道立女子医学専門学校の創立から創基65周年を迎えました。開学60周年(創基65周年)にあたり、本学の歴史を築いてきた卒業生をはじめご支援をいただいた地域社会や関係各機関の皆様に、感謝の意を込めて式典・祝賀会および記念講演会を開催いたしました。おかげさまで記念講演会には、500人を超える道民の皆様にお集まりいただき、また、多くの教員、職員の皆様、同窓会、後援会より、多額のご寄附が集まりました。寄附金は、体育館のトレーニング機器を含めた施設整備や図書整備などの学生アメニティの充実のほか、附属病院ロビーへの自動演奏グランドピアノの設置など、全額を有効に活用することができました。
ご寄附を頂いた皆様のご協力とご厚志に心よりお礼申し上げます。
~地域医療を支援する3つの特設講座を開設~
国の地域医療再生計画により、昨年8月にはオホーツク管内において地域医療を支える総合内科医をはじめ、専門性の高い看護師やハビリテーションスタッフを育成し、高度なチーム医療実践者を安定供給する「オホーツク医療環境研究講座」を設置しました。
また、9月には医師の地域的偏在、医師不足を改善するための研究や、地域ニーズに則した医療の向上を目指した「道民医療推進学講座」と、道内の二次医療圏で唯 一、分娩体制が整備されていない南檜山地域の出産環境の深刻な状況の解消に向け、医師、助産師の養成や分娩体制の構築等の調査、研究などを行う「南桧山周産期環境研究講座」を、それぞれ開設しました。
いずれも難題を抱え責任も大きなものですが、段階的に取組を重ねて成果を出したいと考えております。
~免疫、がん研究、再生医療を中心とした国内をリードする研究の推進~
札幌医科大学では、免疫、がん研究、再生医療を中心に、さまざまな分野で国内外をリードするハイレベルな研究を展開しております。
中でも、基礎研究の成果から実用化を目指した、臨床への橋渡し研究として全国的に注目されている脳梗塞患者への骨髄幹細胞を用いた脳神経再生分野の研究を推し進めることが重要です。CPC(細胞プロセッシング施設)が4月からは本格運用を行う予定です。この全国的に大きく期待されている脳梗塞患者への神経再生医療を、本学の特徴ある橋渡し研究として、がんワクチンや他臓器における再生医療と合わせて、最先端の高度先進医療を実現するため、大学として大いに推進して参りたいと考えております。
また新年度からは、新たな研究部門、学科目や診療科が設置されます。
研究所におきましては、神経再生医療部門、医生物学部門、分子医科学部門、遺伝子工学部門の合わせて4つの研究部門が新設され、7部門体制で札幌医科大学の研究をリードする新しい「フロンティア医学研究所」が4月以降スタートする予定です。また附属病院におきましても、新たな診療科を設置するなど、これまで以上に質の高い医療を提供するシステム作りを進めたいと考えております。
新しい札幌医科大学を作るため、これらの取り組みを新中期計画におけるキャンパス構想につなげていく基礎となる変革を行う予定ですので、皆様のご協力をお願い申し上げます。
~法人の実績評価と附属病院の実績と補正予算について~
大学法人としての実績評価につきましては、皆様の努力のおかげでA評価が91.2%と及第点を頂きました。
平成21年度は附属病院の利益が赤字となりましたが、今年度は経営改善に向けて、附属病院長、副院長をはじめとした病院スタッフの皆さまの尽力で、上半期は黒字となりました。この度の追加補正予算で診療環境整備や患者さまから要望のあったトイレの改修などを行いました。これからも病院の各種診断器機の整備について取り組んでいきたいと考えています。
また、全国的に外科系を志す医師が少なくなっている傾向にありますので、全国トップレベルの最先端手術が可能な手術室の先進医療化を推し進めます。
札幌医科大学の卒業生が札幌医科大学に残り、また他大学の卒業生が札幌医科大学で、良い臨床医を目指すような夢のある病院づくりを実現し、それが夢のある大学づくりにつなげていけるよう取り組んで参ります。
~新キャンパス構想について~
また平成25年から新中期計画が始まります。新中期計画の最重要課題は、新キャンパス構想につきると思います。現在、医学部棟は建物の老朽化、狭隘化により教育研究環境が十分ではありません。
また附属病院についても、診療環境や入院環境も十分とは言い難い状態です。新棟、新病棟を含むキャンパス構想は、全教職員の願いでもあります。
これらの構想については、現在、設置団体である北海道と協議を進めており、今後、大学の最重点課題として取り組んで参りたいと思っています。
~質の高い学生の確保に向けて~
ハード面を充実するだけでなく、両学部ともに優秀な学生を確保することは重要な課題です。
より良い学生教育、卒後研修を行い立派な医療人として自立させ、教員においても最高レベルの医学教育を提供し、札幌医科大学を目指してより質の高い学生が集まるよう、両学部長や医療人育成センター長等との連携を強化するなど全学を挙げて取り組んで参りたいと思っています。
最後に、還暦を迎えた札幌医科大学のさらなる飛躍のため、教職員、病院職員の皆様のご理解・ご支援・ご協力を心からお願いいたしまして新年のご挨拶といたします。
北海道公立大学法人 札幌医科大学 理事長・学長 島本和明
珍しく雪のない、晴れ渡った正月で、皆様も雪かきのない、ゆっくりと落ち着いた正月を迎えられたものと存じます。
教職員の皆様、学生諸君、同窓生の皆様にとって実り多き年となりますよう心よりお祈り申し上げます。
さて、昨年4月に理事長・学長に就任して、ちょうど9ヵ月経ったところでございます。不慣れなこともあり、手探りで歩んだ9ヵ月でした。新年を迎えるにあたり、今までの歩みも踏まえて、今後の札幌医科大学の運営の抱負を述べさせていただきます。
昨年、本学は、昭和25年の創設から開学60周年、前進の道立女子医学専門学校の創立から創基65周年を迎えました。開学60周年(創基65周年)にあたり、本学の歴史を築いてきた卒業生をはじめご支援をいただいた地域社会や関係各機関の皆様に、感謝の意を込めて式典・祝賀会および記念講演会を開催いたしました。おかげさまで記念講演会には、500人を超える道民の皆様にお集まりいただき、また、多くの教員、職員の皆様、同窓会、後援会より、多額のご寄附が集まりました。寄附金は、体育館のトレーニング機器を含めた施設整備や図書整備などの学生アメニティの充実のほか、附属病院ロビーへの自動演奏グランドピアノの設置など、全額を有効に活用することができました。
ご寄附を頂いた皆様のご協力とご厚志に心よりお礼申し上げます。
~地域医療を支援する3つの特設講座を開設~
国の地域医療再生計画により、昨年8月にはオホーツク管内において地域医療を支える総合内科医をはじめ、専門性の高い看護師やハビリテーションスタッフを育成し、高度なチーム医療実践者を安定供給する「オホーツク医療環境研究講座」を設置しました。
また、9月には医師の地域的偏在、医師不足を改善するための研究や、地域ニーズに則した医療の向上を目指した「道民医療推進学講座」と、道内の二次医療圏で唯 一、分娩体制が整備されていない南檜山地域の出産環境の深刻な状況の解消に向け、医師、助産師の養成や分娩体制の構築等の調査、研究などを行う「南桧山周産期環境研究講座」を、それぞれ開設しました。
いずれも難題を抱え責任も大きなものですが、段階的に取組を重ねて成果を出したいと考えております。
~免疫、がん研究、再生医療を中心とした国内をリードする研究の推進~
札幌医科大学では、免疫、がん研究、再生医療を中心に、さまざまな分野で国内外をリードするハイレベルな研究を展開しております。
中でも、基礎研究の成果から実用化を目指した、臨床への橋渡し研究として全国的に注目されている脳梗塞患者への骨髄幹細胞を用いた脳神経再生分野の研究を推し進めることが重要です。CPC(細胞プロセッシング施設)が4月からは本格運用を行う予定です。この全国的に大きく期待されている脳梗塞患者への神経再生医療を、本学の特徴ある橋渡し研究として、がんワクチンや他臓器における再生医療と合わせて、最先端の高度先進医療を実現するため、大学として大いに推進して参りたいと考えております。
また新年度からは、新たな研究部門、学科目や診療科が設置されます。
研究所におきましては、神経再生医療部門、医生物学部門、分子医科学部門、遺伝子工学部門の合わせて4つの研究部門が新設され、7部門体制で札幌医科大学の研究をリードする新しい「フロンティア医学研究所」が4月以降スタートする予定です。また附属病院におきましても、新たな診療科を設置するなど、これまで以上に質の高い医療を提供するシステム作りを進めたいと考えております。
新しい札幌医科大学を作るため、これらの取り組みを新中期計画におけるキャンパス構想につなげていく基礎となる変革を行う予定ですので、皆様のご協力をお願い申し上げます。
~法人の実績評価と附属病院の実績と補正予算について~
大学法人としての実績評価につきましては、皆様の努力のおかげでA評価が91.2%と及第点を頂きました。
平成21年度は附属病院の利益が赤字となりましたが、今年度は経営改善に向けて、附属病院長、副院長をはじめとした病院スタッフの皆さまの尽力で、上半期は黒字となりました。この度の追加補正予算で診療環境整備や患者さまから要望のあったトイレの改修などを行いました。これからも病院の各種診断器機の整備について取り組んでいきたいと考えています。
また、全国的に外科系を志す医師が少なくなっている傾向にありますので、全国トップレベルの最先端手術が可能な手術室の先進医療化を推し進めます。
札幌医科大学の卒業生が札幌医科大学に残り、また他大学の卒業生が札幌医科大学で、良い臨床医を目指すような夢のある病院づくりを実現し、それが夢のある大学づくりにつなげていけるよう取り組んで参ります。
~新キャンパス構想について~
また平成25年から新中期計画が始まります。新中期計画の最重要課題は、新キャンパス構想につきると思います。現在、医学部棟は建物の老朽化、狭隘化により教育研究環境が十分ではありません。
また附属病院についても、診療環境や入院環境も十分とは言い難い状態です。新棟、新病棟を含むキャンパス構想は、全教職員の願いでもあります。
これらの構想については、現在、設置団体である北海道と協議を進めており、今後、大学の最重点課題として取り組んで参りたいと思っています。
~質の高い学生の確保に向けて~
ハード面を充実するだけでなく、両学部ともに優秀な学生を確保することは重要な課題です。
より良い学生教育、卒後研修を行い立派な医療人として自立させ、教員においても最高レベルの医学教育を提供し、札幌医科大学を目指してより質の高い学生が集まるよう、両学部長や医療人育成センター長等との連携を強化するなど全学を挙げて取り組んで参りたいと思っています。
最後に、還暦を迎えた札幌医科大学のさらなる飛躍のため、教職員、病院職員の皆様のご理解・ご支援・ご協力を心からお願いいたしまして新年のご挨拶といたします。
北海道公立大学法人 札幌医科大学 理事長・学長 島本和明