第16回環太平洋アジア心臓カテーテル治療学術集会にて受賞
第16回環太平洋アジア心臓カテーテル治療学術集会(SEOUL)にて内科学第二講座 國分宣明助教が"Best Abstract Award"を受賞しました【4月27日受賞】
画像スライド集
本学内科学第二講座 國分宣明(こくぶ のぶあき)助教が、4月27日~29日にソウル(韓国)で開催された、第16回環太平洋アジア心臓カテーテル治療学術集会(Angioplasty Summit-TCTAP2011)にて、4/27に急性心筋梗塞の口述セッション(Moderated oral abstractcompetition)でBest Abstractに選出され、Best Abstract Awardを受賞しました。
受賞研究:Impact of Gensini score for coronary angiographic severity on outcomes of out-of-cardiac arrest due to acute myocardial infarction(急性心筋梗塞による院外心肺停止例における冠動脈病変の重症度と神経学的予後との関係:Gensini scoreによる冠動脈重症度評価)
受賞者:札幌医科大学医学部内科学第二講座 國分宣明(こくぶ のぶあき)助教
受賞日:2011年4月27日
発表概要
急性心筋梗塞による院外心肺停止例における冠動脈病変の重症度と神経学的予後との関係:Gensini scoreによる冠動脈重症度評価
背 景
急性心筋梗塞が、院外心肺停止の原因であることが広く認識されているが、急性心筋梗塞による院外心肺停止例における冠動脈病変重症度と神経学的予後との関係を比較検討した報告は少ない。
方 法
1999年4月から2010年3月までに当院に搬入となった心原性院外心肺停止292例で、急性心筋梗塞と確定診断され、冠動脈造影を施行した102例(男性 89人、59±13歳)を対象に冠動脈病変の重症度と入院1ヶ月後の神経学的予後を後ろ向きに検討した。今回の検討では、冠動脈病変重症度の評価にはGensini scoreを、神経学的予後評価にはCerebral performance category (CPC) scoreを用いた。
結 果
病院搬入後も2次救命措置に反応なく、心拍再開に至らなかった57例(56%)に経皮的心肺補助装置が導入されていた。経皮的冠動脈形成術は、92例(91%)に、低体温療法は、66症例(65%)に施行されていた。1ヶ月後の神経学的予後良好群(CPC score:1~2)、予後不良群(CPC score 3~4)、死亡群(CPC score 5)は、それぞれ32例(31%)、19例(19%)、51例(50%)であった。神経学的予後良好群、予後不良群、死亡群のGensini score は、115±104 、131±91、157±111と予後良好群で低値の傾向を認めたが、有意差は認めなかった。神経学的後遺症を認めないCPC1群におけるGensini score は、106±94であり、CPC2~5群の152±109と比較し、有意に低値を示した(p=0.048)。
結 論
Gensini scoreによる冠動脈病変の重症度の評価は、急性心筋梗塞による院外心肺停止例の神経学的予後予測に有用である可能性が示唆された。