センター長挨拶
令和8年(2026年)3月 札幌医科大学 統合 IR センター長を拝命いたしました小山 雅之です。本ページをご覧のみなさんは、IR をご存知でしょうか?
統合IR(Institutional Research)とは大学・病院の教育・研究・診療・経営に関するデータを統合的に収集・分析し、エビデンスに基づく意思決定を支援する組織的活動です。本学では、統合 IR センター運営規程および公立大学ガバナンス・コード(2023年1月30日公表)に基づき、本学運営の意思決定・推進・改善を支援する組織として歩んでまいりました。2019年に統合 IR 部門として産声を上げ、初代・樋之津 史郎先生、二代目・長峯 隆先生、三代目・辻 喜久先生がつむいでこられた礎を受け継ぎ、新たな時代へとつなぐことが私の責務と存じます。
札幌医科大学は「Vision for the Next Decade」という将来ビジョンを掲げ、教育・研究・診療・地域貢献を新たな段階へと進めようとしております。統合 IR センターは、その実現に向け、 AI やビッグデータ解析を活用しつつ、エビデンスに基づく目標・戦略策定に寄与する立場にあります。教学 IR・研究 IR・病院IR・経営戦略 IR──この4つを「統合」の名のもとに縦・横、さらには斜めにもつなぎ・つむいでいく営みこそ、本センターの真価(進化)であろうと考えます。経営の4要素「ヒト・モノ・カネ・情報」のうち、IR は「情報」を司る機能ですが、これに第5の要素として「フィールド」、つまり、北海道という地理的・社会的文脈そのものをわたくしたちの強みとして加える視点こそが、本学 IR の独自性を支える基盤であると存じます。
IR 活動の生命線は、客観性・透明性・中立性にあります。「データ分析は決して個人の評価ではなく、組織改革と戦略検証のためにある」、この運営指針を堅持し、分析結果を視覚化・公表することで、本学の自己・他者理解と社会への説明責任の双方に資するよう努めてまいります。
私自身は、これまでのキャリア形成の中で、循環器内科(2008—)、公衆衛生(2018—)、医療情報、IR(2022—)、医療安全、DX・AX 推進(2025—)、総合情報センター、医療人育成(2026—)と8つの役割を兼ねてまいりました。これらは別々の歩みではなく、「データを意思決定と現場の言葉へと翻訳する」ひとつの営みの異なる断面であったと、いま改めて捉えております。データから意味を引き出し、意思決定を支え、現場をより良くしていく——この「データ<->現場」といった還流回路を、広大な北海道の医療圏のなかで設計し直すことが、統合 IR センターの責務であり、まさに「統合」の部分を物語っていると捉えております。
目指す先は、単なるデータの集約・分析にとどまりません。「教育→研究→経営」「研究→社会実装→経営」「地域貢献→ブランド→経営」——複数の好循環サイクルを駆動させ、相互に育てあう「統合IRエコシステム」を2030年に向けて段階的に築いてまいります。その先に見据えるのは、「北海道医療への真の貢献」という、私たちにとっての"真のアウトカム"の実現であります。
私は本学と本センターの伝統に敬意を払いながら、北海道民の皆さま、患者さん、学生、医療従事者、 tender そして共に働く同僚の Well-being に資する仕事を、一つひとつ丁寧に積み重ねてまいる所存です。今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2026年5月
小山 雅之(こやま まさゆき)
札幌医科大学 統合IRセンター センター長
札幌医科大学 附属総合情報センター 副センター長
札幌医科大学医学部 社会医学講座 公衆衛生学分野
同 内科学講座 循環病態内科学分野 心臓・血管内科学部門
同 医療安全・病院管理学講座 医療安全部
札幌医科大学附属病院 医療情報部 副部長
同 医療情報企画室 副室長
札幌医科大学 DX推進室 室長補佐