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教育課程編成・実施方針
(カリキュラム・ポリシー)

学部共通

 札幌医科大学保健医療学部では、ディプロマ・ポリシーに示す能力を身につけた人材を育成するために、人間・自然・社会を広く学ぶ「一般教育科目」と、専門職、専門分野の基盤となる「専門教育科目」を体系的に編成し、講義・演習・実験、臨地/臨床実習を適切に組み合わせた教育課程を展開します。

 学部カリキュラム・ポリシーでは、学部ディプロマ・ポリシーを達成するための3学科共通の基本事項を定め、専門教育科目に関しては、各学科のカリキュラム・ポリシーに具体化します。

  1. 教育内容
     一般教育科目では、創造性と倫理性に富む豊かな人格を形成するための教養を「自然科学」「心理と思考」「社会と文化」「生活と情報」「外国語」に区分し、主に1、2年次に開講します。また、大学生としての自律的な学修活動に必要なスタディスキル等の初年次学修を配置します。
     専門教育科目では、看護学・理学療法学・作業療法学の支持科目、北海道の地域特性や、地域医療にかかわる科目で構成する「専門基礎科目」、専門分野の知識と技術を系統的・段階的に学修する「専門科目」、既習の知識と技術の統合が求められる「統合学習」、対象者、関係職種の人々とのかかわりを通して専門職に必要な知識・技術・態度を実践的に学ぶ「臨地実習/臨床実習」で編成します。「統合学習」には、3学科合同のチームで学ぶ「保健医療総論1~4」を各年次に配置し、専門職に求められる基本的な態度と、多職種連携・協働のあり方を学修します。
     3、4年次には研究に関する科目を開講し、指導教員のもとで、一連の研究過程を展開します。また、災害医療に関わる基礎的な知識・技術を学修します。生涯を通じた持続的な就業力の育成を目指すキャリア教育とキャリア支援は、各学科の正課内・外を通して行われますが、キャリア形成にかかわる基礎となる諸事項は3年次の合同科目で学びます。
  2. 教育方法
     保健医療学部のカリキュラムは、各学科とも年次進行に即して専門性を深めていく漸進的な設計とし、将来の専門職としてのモチベーションを高めるために、入学後早期より専門基礎科目・専門科目を開講します。また、小規模学部・学科の特徴を活かした少人数の能動的学習を積極的に採用するとともに、事前準備・事後展開を含む質・量を伴う学修過程を展開し、自発的・継続的に学ぶ姿勢を養います。
  3. 学修成果の評価
     ディプロマ・ポリシーに示された学修成果の修得状況に関し、教育課程レベル・科目レベル・学修到達レベルの評価を行うこととし、具体的な内容はアセスメント・ポリシーに定めます。
     学生個人の成績評価は、科目シラバスに示す評価対象・評価割合に基づき、試験・レポート・プレゼンテーション等、各科目の教育内容・方法に適した方法で実施します。

看護学科

 看護学科では、看護学を体系的に学ぶとともに、看護師に必要な知識・技術・態度を修得するため、以下のように教育課程を段階的・階層的に編成し、教育内容に適した形態と方法で実施します。

  1. 教育内容

    1)「一般教育科目」では、人間・自然・社会に関する文化や知見、コミュニケーション能力を高めるための科目を学びます。特に、社会と文化の理解や多様なコミュニケーションに必要となる科目については必修とします。

    2)「専門基礎科目」では、人体の構造と機能、医学的、社会学的、心理学的な面からみた健康に関する基本的知識、健康と医療に関わる歴史、および保健・医療・福祉のシステムといった専門科目の基盤となる知識を学びます。

    3)「専門科目」では、個人、家族、集団および地域社会を看護の対象として理解し、その特性に応じた看護方法、さらに看護の発展と機能の充実に関する科目を学びます。

    4)「臨地実習」では、対象者・関係職種の人々と直接的にかかわり、看護活動に必要な知識・技術・態度を体験的、実践的に学びます。学年進行で臨床・臨地とのつながりを意識できるカリキュラムとし、1年次では医療施設の見学・看護師との同行実習、2年次では看護の対象者への日常生活援助を行います。3、4年次では小児・母性・成人・老年・在宅・精神・地域といった各専門領域の実習、4年次では看護実践の現実を統合的に学ぶ体験を通して、看護実践力を涵養します。

    5)「統合学習」では、専門領域の研究に取り組むための基礎的な知識を学び、研究過程を体験します。また、保健医療学部3学科及び医学部との合同科目を通して、専門職としての基本的態度やチーム連携能力を身につけ、看護師としてのプロフェッショナリズムを涵養します。

  2. 教育方法

     保健・医療・福祉に直接携わる看護師を育成する本学科の特徴として、実体験に基づき知識・技術・ 態度を統合的に修得する専門的な演習・実習に重点を置く科目を多く配置します。超高齢社会において、看護師に求められる基礎的な能力を育成するため、人々の生活を医療施設内のみならず、在宅・ 地域の視点からも捉えることを学びます。さらに平常時と災害時における生活の特徴を知り、さまざまな状況の対応に必要な知識と技術、連携のあり方を学修する機会を設けます。
     また、3年次からは少人数ゼミナールを行い、グループ学習やフィールド活動等の能動的学習を採り入れ、学生が発表し、質問に答える機会を設けます。ゼミナールでの学習を通じて、論理的思考力、倫理的判断力、自らを知り他者とコミュニケーションする能力を高め、人々の健康に貢献できるよう看護実践の専門性 を追求する能力を高めます。

  3. 学修成果の評価

     看護学科における学修成果の評価は学部のアセスメント・ポリシーに準じて行います。
    課程レベルの学修成果は、国家試験の合格率や卒業要件の達成状況(単位取得状況・GPA)、および、各科目の学修成果はシラバスに提示された授業科目の到達目標に対する評価方法を用いて評価します。学修到達レベルの評価は、講義・演習科目では定期試験・レポート・授業内で行われる小テスト・実技試験等の各科目の教育内容・方法に適した評価方法により実施します。看護技術総合演習では客観的臨床能力試験(OSCE)による評価、臨地実習科目、看護学研究および保健医療総論ではルーブリックによる評価を実施します。

理学療法学科

 理学療法学科では、理学療法学を体系的に学ぶとともに、理学療法士に必要な知識・技術・態度を修得するため、以下のように教育課程を段階的・階層的に編成し、教育内容に適した形態と方法で実施します。

  1. 教育内容

    1)対象者の疾患・生活・環境に対して適切な支援を行う理学療法の多様性を鑑み、「一般教育科目」では、人間・自然・健康・社会・環境を広く学び、文化やコミュニケーションへの理解を深め、理学療法士として求められる人間性や倫理性を高めるための科目を学びます。特に、運動科学と医科学を基礎に置き、人間の人文・社会学的な理解と生物学的な理解を必須とします。

    2)「専門基礎科目」では、人体構造やメカニズム、医学の基礎知識や代表的な臨床医学の基礎概念を習得します。また、疾患別に種々の検査・測定をもとに対象者の障害とその程度を把握する理学療法評価の基礎を学びます。

    3)「専門科目」では、理学療法の対象となる運動器障害、神経障害、内部障害、発達障害、高齢期障害などの体系ごとに治療法の概要を学びます.加えて、身体的障害をサポートする器具や物理的刺激を用いた理学療法の治療ツールについて学ぶと共に、地域・在宅系の理学療法や行政、キャリア形成などを見据えた広い視野を養います。

    4)「臨床実習」では、臨床の現場での対象者や様々な関連職種との直接的なかかわりを通して、理学療法に必要な知識・技術・態度を実践的に学びます。1年次では医療機関・施設の見学実習を通して、理学療法士の役割について理解を深めます.2年次では理学療法評価診断の講義・演習と連動した各専門領域のテーマに沿った実践的な理学療法評価の基礎的な知識・技能について学びます.3年次では、発達障害および高齢期障害の理学療法領域の実習を通して、対象者のライフステージと地域全体を見渡す視線を養うことを目指します.4年次では、運動器・神経・内部障害系の理学療法領域の実習において、的確な検査・測定による評価をもとに、対象者の社会的背景も含めた総合的な視点からの治療計画の策定や治療の実践を通して、理学療法の一連のプロセスを経験します。

    5)「統合学習」では、科学的思考力を養うために、それぞれの興味関心に基づいて専門領域を学び、一連の研究過程について学びます.また、保健医療学部3学科が合同し、グループワークの基礎を学ぶ科目や医学部と合同して地域医療の現状に触れる科目など、多職種との連携を早期から体験することで、様々な人々とのコミュニケーション能力を磨きます。

  2. 教育方法

     保健・医療・福祉に直接携わる理学療法士を育成する本学科の特徴として、理学療法の専門領域を「運動器障害」、「神経障害」、「内部障害」、「発達障害」、「高齢期・地域理学療法」に分け、それぞれの領域ごとの講義による知識の習得と演習・実習による技能の習得をシームレスに行う独自のカリキュラムを設定しています。
     また、3年次から理学療法の専門領域や研究室に配属された少人数のゼミナールを行い、先進的な理学療法の応用可能性に触れながら、自己研鑽と能動的学習の重要性を感受し、科学的思考力と問題解決能力を養います。これにより科学的根拠に基づく理学療法の確立と実践を目指した科学リテラシーを有する人材の育成を目指します。

  3. 学修成果の評価

     理学療法学科における学修成果の評価は学部のアセスメント・ポリシーに準じて行います。
     課程レベルの学修成果は、国家試験の合格率や卒業要件の達成状況(単位取得状況・GPA)などにより評価を行い、科目レベルの評価はシラバスに提示された授業科目の学修目標に対する評価方法を用いて行います。学修到達レベルの評価は、講義科目では定期試験・レポート・授業内で行われる小テスト等、演習・実習科目ではこれらの評価に加えて実技試験、臨床実習や卒業研究ではルーブリック評価等、各科目の教育内容や方法に適した方法で実施します。

作業療法学科

 作業療法学科では、作業療法学を体系的に学ぶとともに、作業療法士に必要な知識・技術・態度を修得するため、以下のように教育課程を段階的・階層的に編成し、教育内容に適した形態と方法で実施します。

  1. 教育内容

    1)対象者の疾患・生活・環境に対して適切な支援を行う作業療法の多様性を鑑み、「一般教育科目」では、人間・自然・社会に関する文化や知見、コミュニケーション能力を高めるための科目を学びます。特に、生命現象を科学的にとらえる力や心理・社会的な理解の基盤となる科目については必須とします。

    2)「専門基礎科目」では、基礎医学と臨床医学の基本的知識、人の成長発達や社会福祉システムといった専門科目の基盤となる知識を学びます。

    3)「専門科目」では、作業療法の対象となる発達障害、身体障害、精神障害、高齢者の基礎的な能力から応用的能力に関連する評価学および治療学に関する科目を学びます。

    4)「臨床実習」では、臨床の場での対象者・関係職種の人々との直接的なかかわりを通して、作業療法に必要な知識・技術・態度を実践的に学びます。学年進行で切れ目なく臨床とのつながりを意識できるカリキュラムとし、1年次では施設の見学実習、3、4年次では発達障害作業療法、身体障害作業療法、精神障害作業療法、高齢者作業療法の領域で、作業療法評価や治療技法に関する実習体験を通して実践力を涵養します。

    5)「統合学習」では、専門領域の研究に取り組むための基礎的な知識を学び、研究過程を体験します。また、保健医療学部3学科及び医学部との合同科目を通して、専門職としての基本的態度やチーム連携能力を身につけ、作業療法士としてのプロフェッショナリズムを涵養します。

  2. 教育方法

     保健・医療・福祉に直接携わる作業療法士を育成する本学科の特徴として、実体験に基づき知識・技術・態度を統合的に修得する専門的な演習・実習に重点を置く科目を多く配置します。臨床実習前には、臨床技能に関する実技を模擬的に学修する機会を設定し、臨床実習に必要な学修の到達度や態度を学生自身が客観的に評価する機会を設けます。
     また、3年次から少人数ゼミナールを行い、グループ学習やフィールド活動等の能動的学習を多く採り入れ、学生が発言、発表する機会を設けます。ゼミナールでの学習を通じてディスカッションの機会を増やし、各自の意見や考えをまとめることや、ディベート能力を高めます。

  3. 学修成果の評価

     作業療法学科における学修成果の評価は学部のアセスメント・ポリシーに準じて行います。
     課程レベルの学修成果は、国家試験の合格率や卒業要件の達成状況(単位取得状況・GPA)などにより、各科目の学修成果はシラバスに提示された授業科目の学修目標に対する評価方法を用いて行います。学修到達レベルの評価は、講義科目では定期試験・レポート・授業内で行われる小テスト等、演習・実習科目ではこれらの評価に加え、客観的臨床能力試験などの実技試験、臨床実習や卒業研究ではルーブリック評価等、各科目の教育内容や方法に適した方法で実施します。