理事長・学長室だより -14号- 令和2年4月6日発行

理事長・学長室だより

はじめに

 初めに、新型コロナウイルス感染症にかかられた方の一刻も早い回復を願いたいと思います。同時に、この感染症と直接対峙している医療関係者の皆さんの日々の努力に深く敬意を表します。このような、努力が必ずやこの感染症の制圧に結びつくことを確信しています。

新型コロナウイルス感染症

 本来であれば、入学生の皆さんと共に新年度に向けた希望を大いに語りたいところではありますが、いわゆる新型コロナウイルス感染症の発生と拡大のためそれが十分にできないことが残念です。また、本学が開学70周年を迎える年の入学式を中止せざると得なかったことも断腸の思いです。しかし、一方では、このような時にこそ知識と経験が問われる職業に将来就くということ、あるいは就いているということを自覚しなければなりません。
 新型コロナウイルス感染症の終息のためには迅速・確実な診断と治療も必要ですが、それ以上に予防が重要であることは言わずもがなです。感染ソースの多くが「三密」にあることが判明しています。そのため学生・教職員の皆さんはこれをことごとく避けるという意識が不可欠です。ある意味で、私たちの日常の「行動変容」が迫られていますが、感染症制圧には極めて有効な対策であることはこれまでのいくつかの事実が証明しています。特に学生の皆さんには医療系大学に在学しているという意識を持って行動することを強く希望します。

学生・教職員の皆さんへ

 本年度は入学式の式辞に代えて、メッセージということで入学生にそれを送りました。内容は体の臓器の「再生」に関連したものですが、再生能力にはそれが最大限に発揮される「旬の時期」があるという医学的な事実です。ここから言いたかったことは、将来、能力を大きく発揮するための基礎となる時期は今をおいてはない、ということです。これは学生の皆さんのみならず、本大学法人に初めて入職された皆さんにも当てはまると思っています。大学および附属病院という少し特殊な環境で慣れない点もあると思いますが、この「旬の時期」を十分に活用してください。

おわりに

  北海道では知事の緊急事態宣言の効果もあり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大がある程度「持ちこたえている」状況ですが、東京、関西圏ではその程度が一向に減弱していません。現時点では国の緊急事態宣言が出されていませんが、最優先事項はこの感染症の抑制です。この感染症の最前線にいる医療者の方々を支援し、そしてこの感染症の患者さんの生命を守るためにも、私たちに課せられた課題を解決する必要があります。教職員、学生の皆さんの最大限の御協力をお願いします。