理事長室だより第36号 平成27年10月14日
理事長室だより第36号をお届けします。
9月末から、札幌では最高気温も20℃いかないくらいの日が続くようになり、一気に季節が進んだように感じられます。朝晩は冷え込んできており、そろそろ暖房器具も必要になってくるでしょうか。皆様、風邪などをひかぬよう体調管理に十分お気を付けください。
今年度の下半期が始まりました。これからは入試をはじめとする重要な行事も始まります。
それでは、本学における最近の動きをお知らせします。
●平成27年度地域医療合同セミナー「地域医療基礎実習」、「メディカル・カフェ、健康教育セミナー」及び「地域密着型チーム医療実習」を実施しました
8月4日から21日までの各日程で、本学のカリキュラムの特徴である地域医療合同セミナー「地域医療基礎実習」、「メディカル・カフェ、健康教育セミナー」及び「地域密着型チーム医療実習」を実施しました。今年度は、根釧地区、留萌地区、利尻地区、別海地区において実施し、医学部及び保健医療学部の1学年から3学年の計82名の学生が実習に参加しました。
本学は、地域医療への貢献を目指した質の高い医療人を育成するため、両学部合同の学部一貫教育により地域医療マインド(地域医療に対する理解)の形成に取り組んでいます。その一つとして、このように両学部の学生が合同で道内の各地域に滞在して医療実習やメディカル・カフェを実施しており、地域との相互理解を図るとともに、地域医療に従事する使命感を育てています。
8月7日に根室市の大地みらい信用金庫本店を会場に行われたメディカル・カフェでは、私も講師として高血圧をテーマに講演を行い、本学2学年の学生が、当日ご来場いただいた地域の皆さんと一緒に高血圧について考えました。
学生の実習に際しましては、本学と連携協定を締結している企業の皆様や、実習先の道内各地域の皆様に毎年多くの温かいご支援とご協力をいただいています。本当にありがとうございます。
この実習をもとに、学生の皆さんが、医療人として今後さらなる成長を遂げることを大いに期待しています。
●平成26年度業務実績に関する評価結果が決定されました
8月末、北海道地方独立行政法人評価委員会において、本学の平成26年度業務実績に関する評価結果が決定されました。
評価結果については、平成26年度「年度計画」全126項目のうち、124項目(98.4%)についてA評価(達成度9割以上)となり、平成30年度までの第2期中期計画における本学の取組が「おおむね順調に進んでいる」との評価をいただきました。
7月に実施された道の評価委員によるヒアリングに際しては、事務局職員による従前の受審に加え、医学部長、保健医療学部長、附属病院長及びアドミッションセンター長が参画し、これまでにも増して評価委員に対し取組の成果をより具体的にお伝えすることができたものと考えております。
今年度はすでに上半期が終了していますが、しっかりと年度計画に対する実績が残せるよう、引き続き皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
●株式会社ホリ・札幌医科大学の包括連携協定事業として秋の健康セミナーを開催しました
9月10日、本学臨床教育研究棟1階講堂にて、株式会社ホリと本学との包括連携協定事業として秋の健康セミナー「からだに活きる、こころに生きる」を開催しました。
セミナーは、株式会社ホリの堀昭代表取締役社長の挨拶で幕を開け、第1部は、私が「北海道の食材で美味しく健康!」と題して、「健康寿命」を伸ばしていくことの大切さや、牛乳を使った健康食「乳和食」などについて講演しました。続く第2部では、世界的な建築家である安藤忠雄氏が「ビジョンをもって生きる」と題して、安藤氏の若かりし頃のお話しや、今の若者について思うこと、これまでに手掛けてきた建築物の紹介をしつつ、ご自身の仕事や人生に対する考え方・ビジョンなどについてご講演いただきました。
安藤忠雄氏には、お忙しい中にも関わらず大変貴重なご講演をいただき、本当にありがとうございました。また本セミナーの開催にあたってご尽力いただいた関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。
●北海道アイヌ協会主催による平成27年度の札幌医科大学イチャルパを実施しました
慰霊祭「イチャルパ」は、平成18年10月に本学と北海道アイヌ協会が交わした覚書に基づき、本学に保管されているアイヌ民族の遺骨をご供養する儀式で、同年第1回目となる「札幌医科大学イチャルパ」を開催以降、毎年実施しています。
当日は、すっきりとした秋晴れの中、多くの関係者の皆様がご列席し、「カムイノミ」(神酒を神にささげる儀式)など、先祖や神へ祈りを捧げるアイヌ民族の伝統的な儀式が行われました。
当日の実施及び準備などにご尽力いただいた関係者の皆様、ありがとうございました。
●最後に
本学では引き続き、北海道の「札幌医科大学施設整備構想」に伴う建設工事が進められています。
大学側で建てられる教育研究施設3棟のうち、旧体育館跡地に教育研究施設Ⅰの建設工事が昨年12月から進んでいますし、隣接地では教育研究施設Ⅲの工事も9月からいよいよ始まりました。
同時に、附属病院の増築棟の建設工事も7月から本格的に進んでおり、その影響で大学と附属病院の間の遊歩道が一部狭くなるなど、施設・遊歩道をご利用の皆様にはご不便もおかけしていますが、どうかご理解をいただければと思います。
工事の様子を見るたびに、新しい札幌医科大学の形の実現に向け、着実に前進していることを実感する今日この頃です。