令和7年度札幌医科大学入学式 式辞

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 本日ここに、令和7年度札幌医科大学入学式を挙行するにあたり、大学を代表して式辞を申し上げます。
 本日の入学式にご多忙のところご臨席いただきました、北海道副知事 濱坂真一(はまさか しんいち)様、北海道議会副議長 稲村久男(いなむら ひさお)様、札幌医科大学後援会長 秦 史壯(はた ふみたけ)様をはじめとする多くのご来賓の皆様に厚く御礼申し上げます。

 新入生の皆さん、入学おめでとう!
 今日から皆さんが、札幌医科大学の一員になっていただくことを、大変嬉しく思います。そして心から歓迎いたします。
 本日は、多くの父兄の皆様にもご出席いただいております。この度のご入学、さぞやお喜びのことと存じます。心からお祝い申し上げます。

 今年2025年は、本学にとって創基80周年という節目の年にあたります。1945年に前身である北海道立女子医学専門学校が設立されてからの80年は、戦後の日本の復興・発展の80年に重なります。この間多くの先達により、札幌医大の伝統が築かれてきました。
 これまで、医学部は6,400名、保健医療学部は2,700名を超える卒業生を輩出し、全道、全国はもとより世界の各地で活躍しています。

 2020年からの新型コロナ・パンデミックにおいても、本学は、附属病院に多くの感染患者を受け入れるとともに、全道の保健所や病院、宿泊療養施設への支援など、本道のコロナ医療の先頭に立って貢献してきました。
 そのほか本学は、世界初の自己骨髄間葉系幹細胞による脊髄再生医療をはじめ、がんゲノム医療、高度救命救急医療、スポーツ医科学など多くの先端的研究・診療を展開しています。

 新入生の皆さんは、今日から、そのような歴史と伝統を有し、先進医療を展開する札幌医科大学の一員となったのです。皆さんはぜひそのことを誇りに思ってください。皆さんが目標とする、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、助産師、保健師という職業は、人々の生命や身体に関わり、病から救い、苦しみを癒すことのできる素晴らしい仕事であります。自分がそれを目指すことができることを喜びとし、幸せに感じ、大いに学んでください。
 ただ同時に、皆さんには札幌医科大学の名に恥じない行動が求められます。特に現代において普及しているX、インスタグラムなどいわゆるSNSには大きな落とし穴があります。安易な情報発信は重大な事態を招くことがあります。特に医療に関する情報には、機密性や個人情報保護が求められます。軽率な行動・言動が、皆さんの夢と将来を一瞬にして壊してしまうことがあることを肝に銘じてください。

 本学は、2022年に新キャンパス整備が完成しました。皆さんは、新しく快適な環境で学修し、学生生活をエンジョイすることができます。この新キャンパス完成を機に、本学では、学生・教職員の投票をもとに、新しい札幌医科大学のロゴマークであるコミュニケーションマークを制定しました。ステージ向かって右に掲示されているのがその新マークです。コンセプトは、「世界に羽ばたく札医のつばさ」です。札幌医大のイニシャルSをモチーフに、未来へ、そして世界へとはばたく翼やプロペラをイメージしています。

 世界で活躍する皆さんの先輩に、国境なき医師団日本会長の中嶋優子先生がいます。2001年に本学医学部を卒業した中嶋先生は、現在、米国に拠点を置き、シリア、イラク、ウクライナ、最近ではパレスチナ、ガザ地区など、紛争地域や貧困地域にける医療活動に従事しています。献身的な医療活動を通して、命の尊さと平和の重要性を訴えるその姿は、2024年のウーマンオブザイヤーにも選ばれました。中嶋先生は、本学在学中はアイスホッケーに熱中する生活で、その中でできた友人たちとの交流は現在も続いています。
 皆さんも、中嶋先生のように伸び伸びとした学生生活を送り、あらゆることに好奇心と興味を持ち、自分の好きなこと、やりたいことを見つけ出し、それを追い求めてスケールの大きい医療人になっていただきたいと思います。

 一方で、本学は「医学・医療の攻究と地域医療への貢献」を建学の精神に掲げており、北海道の地域医療への貢献は大きな使命です。北海道民の命と健康を守る医療に携わることは、自らの医療人としての修練や成長につながり、そこで得られた知見や研究成果は世界へと発信することができます。北の大地に根差し、世界を視野にいれた医療人を目指すこと、これもまた「世界に羽ばたく札医のつばさ」のコンセプトにかなうことだと言えます。

 本日は大学院の入学生の皆さんも出席しています。それぞれが与えられた、あるいは自ら選んだ研究テーマのもと、本学の基礎的・臨床的研究をさらに発展させ、その成果を世界に向けて発信していただくことを期待しています。

 2022年の本学新キャンパス落成記念講演会では、元日本ハムファイターズ、そしてWBC「侍ジャパン」監督の栗山英樹さんにご講演をいただきました。その中で、栗山さんからは、「誰かを助けてあげられたり、痛みを取り除くことのできる皆さんはわれわれのヒーローです。札幌医大が日本一、世界一の大学となることを信じています。」という言葉をいただきました。
 新入生の皆さんには、近い将来に、医療・医学界における「ヒーロー」「ヒロイン」となり、本学が日本一、世界一となるための原動力となってくれることを期待しています。皆さんの、これからの学生生活が、楽しく、また実り多いものになることを願っています。

 あらためまして、この度のご入学を心からお祝い申し上げるとともに、皆さんの輝く未来にエールを送り、ご挨拶とさせていただきます。

令和7年4月4日
北海道公立大学法人 札幌医科大学
理事長・学長 山下敏彦