化学教室

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2022年4月13日 ページを更新しました。

概要

 生命は化学物質から構成され,その生理やその異常による疾患の原因と成り立ちは化学反応により説明されます。薬物的・物理的治療を含めた医療,あるいは基礎医学研究を実施するためには,化学的知識とそれに基づく論理的思考が必要とされます。基礎科目につづく専門科目の履修や臨床実習は,化学的基盤を備えていることが前提とされます。また現代の医学では,医療材料や薬物などを扱う幅広い専門分野の研究者と適切な連携を行う力も求められます。医療を学ぶ初期には,先端医療や生命科学研究のアーリーエクスポージャーだけに目を奪われることなく,科学的にものごとを捉えるための前提となる化学,生物,物理,数学などの自然科学分野の知識を十分に身につけることが必要であり,医療系導入教育はそれを目的として行われます。
 化学教室では,自然免疫をキーワードとして,細胞性応答および液性応答による感染症をはじめとする生体恒常性の調節機構,また,宿主と微生物の相互応答による感染調節の基本機構に関して,物質の化学反応に基づいた研究を展開しています。宿主の細胞性応答ではマクロファージや好中球による細菌やウイルスの認識と排除を,液性応答では肺サーファクタントや抗菌性物質による細菌排除の機能制御を調べています。一方で,細菌の宿主感知と遺伝子発現を制御する分子の働きを調べることで,宿主免疫への抵抗機構や,感染調節の仕組みを明らかにすることを目指しています。

研究内容

 私たちの体の中には,生まれてから死ぬまでの一生を通じて,体内に侵入した微生物や変性した自己細胞が頻繁に出現します。これらの排除や制御は生体の恒常性維持に必須であり,その破綻は疾患につながります。私たちの体には,免疫の仕組みが備わっており,除去すべき細胞や物質を認識し,抗微生物性物質や免疫細胞を発動して,標的を排除します。
 一方で,細菌にとっては私たちの体内への侵入は大きな環境変化であり,体液や免疫細胞を認識して,遺伝子発現を変化させます。つまり,宿主と細菌が遭遇すると,両者は違いを認識することにより,特有の遺伝子発現レパートリーを持ちます。その総和が,感染成立,細菌排除,両者の共存などの両者の関係を規定すると考えることができます。
 化学教室では,物質の構造と機能の視点に立ち,次の研究課題に取り組んでいます。

1. 宿主—細菌の相互応答と感染調節
 1) 宿主感知時の細菌遺伝子発現制御と感染調節
 2) 細菌毒性を規定する環境中因子の構造と機能 
2. 自然免疫による生体恒常性維持の調節 
 1) 食細胞による微生物および変性自己細胞の処理
 2) 生体防御タンパク質の構造と機能,および臨床応用

担当科目・連絡担当科目

学部
  医学部 保健医療学部
担当科目 基礎生化学
自然科学実験
生化学
基礎配属
生化学実習
新入生チュートリアル
医学概論1
化学1
化学2
自然科学実験
連絡担当科目   手話・点字
家族関係学
 


大学院

  医学研究科 保健医療学研究科
担当科目  分子細胞機能学
生体情報学(I)
医学研究入門セミナー(前期研修) 
 

教員

教授 白土 明子
  • 専門分野:
    • 生化学、自然免疫
  • 研究テーマ:
    • 微生物に対する自然免疫の分子機構と意義
    • 宿主感染による細菌遺伝子発現制御と感染症
  • 所属学会:
    • 日本生化学会(評議員,元・男女共同参画推進委員)
    • 日本分子生物学会
    • 日本組織培養学会
    • 日本薬学会
准教授 有木 茂
  • 専門分野:
    • 生化学
  • 研究テーマ:
    • 肺コレクチンの生体防御機構
  • 所属学会:
    • 日本生化学会