理事長・学長室から2022 -8号- 令和4年11月7日発行

理事長・学長室から2022

理事長・学長 山下 敏彦

はじめに

 今年もあと2か月となりました。ようやくコロナ第7波が収まったかと思いきや、休む間もなく第8波だそうです。まさに「いたちごっこ」ですね。(ちなみに、「いたちごっこ」という言葉は江戸時代の子供の遊びからきているようですよ。知りませんでした。)現状、軽症患者がほとんどで、以前とは明らかに様相は異なりますが、いずれにしろ気を抜かず、基本的感染対策を怠らないようにしてください。
「理事長・学長室から2022」第8号をお届けします。

1. 国境なき医師団日本会長 中嶋優子先生が来学。国際医療セミナーで熱く講演。

 10月28日、本学医学部2001年卒(48期)で、国境なき医師団日本会長の中嶋優子先生が来学されました。国際医療セミナーとして、「グローバルなキャリア形成と国際貢献」というテーマでお話しいただきました(図1)。本学卒業以来歩んできた道のり、米国Emory大学救急部でのassistant professorとしての勤務の実際、国境なき医師団としてのシリア、イエメン、南スーダン、イラクなど紛争地域・貧困地域での活動の実際について、臨場感あふれるお話をいただきました。私も講義室の片隅で聴いていましたが、学生さんたちが目を輝かせて引き込まれるように聴いていたのが印象的でした。会場は満員となり、中継会場を設けるほどでした(写真1-2)。講演後は多くの学生さんに取り囲まれ質問を受けていました。
 中嶋先生ご自身も、後輩たちに話ができる機会を持てて大変喜んでおられました。今後も、帰国された際にたびたび母校を訪れていただき、われわれをencourageしていただきたいと思っています。

2. 高麗大学 Young-Mee Lee教授が本学に滞在。FD教育セミナーで講演。

 韓国高麗大学(Korea University)医学教育学教授のYoung-Mee Lee先生が、10月24日~11月1日まで本学に滞在されました。医療人育成センター教育開発研究部門の相馬教授が受け入れホストとなり、医学教育に関する様々な活動をされました。
 10月26日には木古内町国民健康保険病院を訪問され、地域医療の課題や学生地域医療実習に関してdiscussionを行いました。当日は、木古内町長にも参加していただきました(写真3)。10月31日にはFD教育セミナーにて、「韓国における医学教育分野別評価の状況」というテーマでご講演いただきました(写真4-5)。
 Lee先生は充実した日程をこなされ、大変満足されて帰国されました。本学と高麗大学は大学間連携協定を締結しており、コロナの収束とともに、学生のexchange programの再開、さらには研究者間の交流も進めていきたいと考えています。

3.第33回日本臨床スポーツ医学会学術集会を開催します。

 2022年11月12日(土)、13日(日)の両日、ロイトン札幌において第33回日本臨床スポーツ医学会学術集会を開催します(図2)。本学術集会は、スポーツ医学に関する国内最大の学会です。内科、婦人科、整形外科、歯科、リハビリテーション、スポーツ心理、栄養、ドーピング、障がい者スポーツなど総合的・多角的にスポーツ医学に関する議論を展開します。参加者も医師、歯科医師、理学療法士、薬剤師、トレーナーなど多職種にわたります。
 プログラム委員として、本学から千葉弘文教授(呼吸器・アレルギー内科)、橋本暁佳先生(循環器・腎臓・代謝内分泌内科、病院管理学)、宮崎晃亘教授(歯科口腔外科)、小川万梨絵先生(産婦人科)、寺本篤史先生、岡田葉平先生(整形外科)、片寄正樹教授、渡邉耕太教授、戸田創先生(保健医療学部理学療法学科)、河合誠先生(リハビリテーション部)、青山弘達先生(薬剤部)らにご参画いただきました。
 基調講演として、前東京2020組織委員会会長の橋本聖子先生、特別講演として、前ソフトバンクホークス監督の工藤公康さん、スポーツ庁長官の室伏広治さんらにご講演いただきます。
 学会期間の現地参加に加え、会期後のオンデマンド配信もします。学生さんの参加もwelcomeです。全国のスポーツ医学の第一線で活躍されている先生方のお話を聴くことのできるチャンスですので、ぜひご参加ください。詳しくは、下記学会ホームページを参照してください。

おわりに

図3
図3:新キャンパス落成記念講演会ポスター

 11月19日のキャンパス落成記念式典が近づいてきました。当日は、侍ジャパン監督の栗山英樹さんにご講演をいただくほか、式典にあわせて、新キャンパス「広場」の愛称の選考結果発表、記念ノベルティの披露、大学ホームページの一部リニューアルなど様々なイベントを予定しています(図3)。
 これを機に「新しい札幌医科大学」を広くアピールし、本学が未来に向かって大きく飛躍する契機としたいですね!