神経再生医療学部門

Dept.of Neural Regenerative Medicine

スタッフ

教授 Professor
本望修 Osamu Honmou, M.D., Ph.D.
所属 : 医学部附属フロンティア医学研究所 神経再生医療学部門
医学研究科地域医療人間総合医学発生分化・加齢制御医学神経再生医療学
SOM,Research Institute for Frontier Medicine Dept.of Neural Regenerative Medicine
研究テーマ : 遺伝子療法, 神経移植, 神経幹細胞, 神経再生
研究活動と展望 : 20世紀はじめにCajalによって唱えられた「いったん損傷が生じた中枢神経系の再生は困難である。」という考えは現在も一般的に信じられています。ところが、近年の生命科学の進歩によって、自己複製能と多分化能を有する「幹細胞」が発見されたことにより、脳神経の病気に対しても、再生医療という新しい治療が期待されるようになりました。 脳血管障害とくに脳卒中の7割を占める脳梗塞は、現代医療の進歩により死亡率は若干の減少傾向にあるものの、罹患率は逆に増加しており、現在でも毎年40万人以上が新規に発症しています。高齢化社会を迎えた本邦の国民健康に及ぼす影響の大きさにおいて、最も重大な疾患の一つですが、従来の治療方法のみでは、患者さんは長い闘病生活や重症な障害をもったままの苦しい生活を強いられます。 神経再生医療におけるドナー細胞の確保は、必ずしも容易なことではありません。期待される治療効果、副作用、感染症、免疫拒絶反応、倫理問題、細胞供給体制、社会事情、実現の可能性をトータルでバランスよく検討し最良の選択をすることが必要です。ドナー細胞として有力な候補は、ES細胞、胎児由来の神経幹細胞、成人由来の神経幹細胞、骨髄由来細胞が有力ですが、私達は、生着能、増殖能、分化能、分化制御技術の確立、遊走能、神経機能再建能、細胞確保の見込み、自家移植の可否、および実現性について検討した結果、骨髄由来の細胞、特に骨髄幹細胞が最も適切と判断し、実用化を目指しています。 骨髄中に存在する細胞をドナー細胞として使用する場合、自分の細胞を使うことができるので、感染症、免疫拒絶反応、倫理面での諸問題がありません。また、大きな利点として、脳神経の損傷した部位への直接移植のほか、静脈内投与でも治療効果が期待でるのです。静脈内に投与された骨髄幹細胞は、脳損傷の部位に到達して、死にかけている神経細胞を助けると同時に、自らも神経細胞になって治療効果を発揮します。 ご存知のように、骨髄移植は、既に白血病の治療などで行われている治療であり、安全かつ非侵襲的に十分量のドナー細胞が確保できることが判明しています。近い将来、若い時の自分自身の一部を“自己骨髄幹細胞バンク”などに蓄えておくことで、将来の病気に備える時代が来るかもしれません。


講師 Assistant Professor
佐々木祐典 Masanori Sasaki, M.D., Ph.D.
所属 : 医学部附属フロンティア医学研究所 神経再生医療学部門
医学研究科地域医療人間総合医学発生分化・加齢制御医学神経再生医療学
SOM,Research Institute for Frontier Medicine Dept.of Neural Regenerative Medicine
研究テーマ : 再生医学、細胞移植療法による神経疾患の治療
研究活動と展望 :


講師 Assistant Professor
小野寺理恵 Rie Onodera, Ph., Ph.D.
所属 : 医学部附属フロンティア医学研究所 神経再生医療学部門
医学研究科地域医療人間総合医学発生分化・加齢制御医学神経再生医療学
SOM,Research Institute for Frontier Medicine Dept.of Neural Regenerative Medicine
研究テーマ : 再生医療の実用化に向けた研究
研究活動と展望 :