札幌医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座

ニオイの障害は、食事の楽しみを損なうだけでなく、火事やガス漏れなどの生命にかかわる判断の低下を招きます。その原因には慢性副鼻腔炎 (特に好酸球性副鼻腔炎)、感冒、アレルギー性鼻炎、外傷などがあります。当科は嗅覚障害の診断に必要な精密嗅覚検査 (T&T基準嗅力検査、カード式嗅覚同定能検査、スティック型嗅覚検査、静脈性嗅覚検査、CT検査、MRI検査) を行う設備を揃え、患者さんそれぞれの病態に適した診療を行なっています。

鼻詰まり (鼻閉) は身近な疾患のひとつですが、症状が強くなると睡眠障害、集中力低下による学習や仕事への影響など、日常生活に大きな影響を及ぼします。鼻閉の原因にはアレルギー性鼻炎、腫瘍、鼻中隔弯曲症のほか、外傷・先天異常による外鼻変形、術後性彎曲症等があります。鼻閉の原因、重症度診断のためCT検査、詳細な問診、鼻腔通気度検査を活用しています。病態に応じてhemitransfixion approachやopen septorhinoplastyといった新しい手術アプローチも取り入れ、鼻の機能改善を目指した治療の提供を行なっています。