研修プログラム

札幌医大耳鼻咽喉科および関連病院では、医学部学生さん、研修医の先生方の見学・研修を随時受け入れております。耳鼻咽喉科・頭頸部外科に興味をお持ちのかた、医師としての進路を悩んでいるかた、一日でもかまいません。希望に沿ったプログラムを組みますので、是非一度当教室に足をはこんでみませんか ? 臨床や研究の最前線と同時に、教室の明るい雰囲気を知っていただけたら幸いです。

卒後研修システム

医学部卒業後は、厚生労働省の臨床研修プログラムに従い、大学病院および指定病院にて2年間の臨床研修を修了します。

初期臨床研修医2年目の選択科は、耳鼻咽喉科の選択がお勧めです !

指導医と共に外来診療、病棟管理、検査、手術等を行い、基礎となる知識や基本的手技を学ぶことができます。耳鼻咽喉科は老若男女全ての人が対象となります。中耳炎やアレルギー性鼻炎はもちろん、めまい、嚥下障害、頭頸部癌など幅広い様々な疾患を扱い、それらの疾患を初診から検査・診断、内科的・外科的治療まで全てを通して行います。将来、耳鼻咽喉科以外を考えているかたにも、有意義な研修を提供しています。

専門研修プログラム

プログラムの概要

札幌医科大学医学部附属病院を中心に4年間のスケジュールで地域中核病院、地域医療を担う病院で研修を行い、耳鼻咽喉科専門医としてふさわしい基本的な臨床能力を習得するプログラムです。
専門研修基幹施設
札幌医科大学付属病院 (年間手術約800件)
専門研修連携施設
症例数、扱う症例や地域の特性をもとに研修施設を、地域中核病院としてのAグループ、札幌市内・近郊で地域医療を担うBグループ、専門研修関連施設 (Cグループ) の3つのグループに分けています。
Aグループ : 地域中核病院一覧表
帯広厚生病院 年間400件以上、救急疾患を含む多彩な疾患を扱う
函館五稜郭病院 年間300件以上、バランスよく各疾患を取り扱う
Bグループ : 札幌市内・近郊で地域医療を担う病院一覧表
市立千歳市民病院 年間200件以上、多彩な疾患を扱う
KKR札幌医療センター 年間300件以上、頭頸部も含めバランスが良い
KKR札幌医療センター斗南病院 年間500件以上、頭頸部・鼻副鼻腔・音声
JR札幌病院 年間400件以上、耳科手術が充実
厚別耳鼻咽喉科病院 年間600件以上、鼻副鼻腔・小児
北海道立こども総合医療・養育センター 年間170件以上、小児耳鼻咽喉科に特化
札幌禎心会病院 年間170件以上、頭頸部癌、難聴、めまい中心
Cグループ : 専門研修関連施設一覧表
市立小樽病院 年間200件以上、多彩な疾患を扱う
江別市立病院 年間200件以上、良性疾患中心にバランスが良い
中村記念病院 神経耳科、嚥下治療に特化
函館市立病院 年間200件以上、救急疾患を含め多彩な疾患を扱う
帯広協会病院 年間200件以上、良性疾患中心にバランスが良い
各コースの紹介
A/B/Cグループ病院で研修を行うスタンダードコース、大学院博士課程への進学により学位取得を行うアカデミックコース、札幌医大推薦入試である「特別枠」卒業医師の中で、耳鼻咽喉科専門医を志す方の特別枠コースの3つがあります。
  1. スタンダードコース
    • 地域中核病院 (Aグループ)、札幌市内・近郊で地域医療を担う病院 (Bグループ)、および専門研修関連施設 (Cグループ) の計14の研修施設において研修を行います。
    • 4年間の研修期間の内、およそ2年間を札医大病院において、2年間を連携施設において研修を行います (専門医で経験症例に偏りが出ないように配慮したローテーションとします)。
    • 4年間の研修中に学会発表を3回以上、筆頭著者として学術雑誌に1編以上の論文執筆を行います。
  2. アカデミックコース
    • 臨床経験を積みつつ、医学研究を行う期間を設けたコースで,大学院博士課程進学 (将来的に大学病院の教員、中核病院などの指導医として後進の指導にあたるうえで学位取得が必要です) が可能です
    • Aコース (初期臨床研修の2年間が終了した時点で大学院に入学) と、Bコース (初期臨床研修1年目終了時点で大学院に入学) があります。4年間の研修期間のうち、約3年間を大学病院で研修を行います。
    • 医学研究を行いながら、病棟業務などを軽減化して大学病院での診療に参加することで臨床能力を維持しながら、研究に集中できる時間を確保します。
    • 医学研究に携わることにより、臨床医として豊かな視点、新しい自分の発見、人的ネットワークの充実など、多くのものが得られます。
  3. 特別枠コース
    • 本コースは、「特別枠」卒業医師のみを対象とします
    • 「特別枠」卒業医師に義務付けられた知事が指定する道内の公的医療機関での卒後研修を,本プログラムの専門研修連携施設にて行い、地域医療に貢献しながら、同時に耳鼻咽喉科医としての臨床経験を重ねます。
    • 総合的な臨床力を培い、高い専門技術も携えた耳鼻咽喉科専門医を目指します。耳鼻咽喉科専門医は4年間の研修修了後に取得可能です。
基本的研修コース
各コースのモデルケースを下図に示します。
※基幹施設と連携施設の年数や選択は本人の特性に合わせて適宜調整されます。
各コースのモデルケースイメージ図

大学病院での研修

  • 札医大病院および関連施設は人工内耳、鼓室形成術等をはじめとする耳科手術の件数は全国でもトップクラスです。頭頚部再建手術は皮弁採取から血管吻合まで当科単独で施行可能です。近年ではTransoral Robotic Surgery (TORS) や Video-Assisted Neck Surgery (VANS) をはじめとする頸部内視鏡手術も積極的に導入しています。また頭蓋底を含む鼻内視鏡手術、嚥下改善手術、音声外科など、耳鼻咽喉科領域の手術を幅広く網羅しており、また、鼻アレルギー、めまい平衡、睡眠時無呼吸なども得意分野で、それぞれの領域の専門医が指導します。
  • 当科は主治医制ではなくチーム制をとっております。専攻医は赤/白いずれかのチームに属します。
  • チームは疾患で分けられていないので、どちらのチームでも幅広い症例を経験することが可能です。
  • 週2回各チームでカンファレンスを行い、週1回全体カンファレンス(グランドカンファレンス)を行います。隔週で放射線治療科・腫瘍血液内科との合同カンファレンスを行い、必要に応じて脳神経外科や形成外科とのカンファレンスも開催されます。
  • 手術日は月曜日・水曜日・金曜日です。概ね月曜日は再建を含む頭頸部外科手術、水曜日は耳科・鼻副鼻腔手術、金曜日は口腔咽頭・喉頭の手術を行なっています。
  • ジャーナルクラブ(JC)は週1回開催していて、1~2ヶ月に1回の「クルズス」では講師以上の教員が各専門分野の最先端レクチャーを行います。
表 : 研修の週間計画例
区分 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 手術
外来/病棟
グランドカンファレンス
外来/病棟
JC/クルズス
外来/手術
外来
病棟
手術
外来
午後 手術/病棟
チームカンファレンス
各種検査
勉強会等
手術
病棟
チームカンファレンス
他科合同カンファレンス
手術
病棟

関連病院

当科の関連病院は非常にバランスがよいと自負しております。現在、勤務医が常駐しているのは、札幌市内およびその近郊 (小樽、江別、千歳)、函館、帯広の地域中隔病院であり、北海道の主要都市を中心に北海道医療を支えています。耳鼻咽喉科という高い専門性ゆえに、比較的大きな都市に勤務地が集中しております。どの病院も経験豊かな指導医と豊富な症例があり、充実した研修をすることができます。

大学院

当科では扁桃・鼻アレルギー・中耳炎および頭頸部腫瘍に加え、聴覚中枢などの幅広い領域で臨床に根ざした研究が行われており、内外から高い評価を得ています。

当科での研究に興味のあるかたはメールでご連絡下さい。

民主的でオープンな教室

教室PV外部サイト(新規ウィンドウで開きます)

札幌医科大学耳鼻咽喉科教室は、時代に即した民主的かつ開かれた教室を目指しております。
いわゆる”大学医局”に存在した慣習や不文律であった曖昧な部分を教室規約として明文化し、時代にそぐわない旧いルールは随時見直しています。
教室の意思決定プロセスを透明化し、先進的かつ教室員にとって有益となる教室づくりを行っています。
関連病院の人事については、人事委員会により、「教室員の能力、経験、関連施設での勤務内容等を総合的に考慮して、教室員の意向を尊重しつつ関連施設への派遣など教室員の人事に関する事項を決定する」と規約に定めております。

お問い合わせ

お問い合わせは、メールまたはお電話でご連絡ください。ZOOM等を用いた遠隔相談にも応じています。

札幌医科大学耳鼻咽喉科

  • 郵便番号:060-8543
  • 住所:札幌市中央区南1条西16丁目291
  • メールアドレス:jibika-kyoshitu@sapmed.ac.jp
  • 電話番号:011-688-9655 (教室直通)
  • FAX番号:011-615-5405