臨床研修・臨床実習

Clinical Practice

消化管チーム

当チームでは消化管悪性腫瘍症例を中心に症例が非常に豊富であり,十分に診断・治療を学べる機会があると考えています.これまで国内・海外留学などにより最先端の内視鏡診療,薬物療法を学んだ教室員がその知識・技術を還元しており,これら消化管内視鏡,薬物療法の両者を学べるのが当チームの強みです.日本消化器病学会,日本消化器内視鏡学会,日本臨床腫瘍学会の専門医・指導医が複数在籍しており,サブスペシャリティとして,それら学会の専門医取得が可能です.

上部下部内視鏡検査は年間2100-2500件であり,特にESD等の治療内視鏡についても多数施行しています.薬物療法については,当科関連施設のみならず全国の協力施設も含めた多施設共同の臨床試験にも参加し,次世代の新規治療開発に携わることが可能です.日常診療や臨床試験で得られた新たな知見については,若手の先生に国内・海外の学会や各種医学雑誌等にて発表の場を積極的に設けており,そのような経験を通じ将来の専門医取得等につながる知識・技術の蓄積が得られるものと考えています.また,各癌種において多数の臨床試験を積極的に実施しており,標準治療のみならず新規治療を一つの治療選択として提示することで,患者さんにも貢献できる臨床を実践可能です.

悪性疾患診療の豊富な経験を通じて,消化器科専門医の枠を越え,近年需要の高まっている臓器横断的な悪性疾患診療のスペシャリストである臨床腫瘍医として活躍の場を広げることも可能です.

高齢化社会を迎える本邦において今後間違いなく需要の高まる消化器癌診療のスペシャリストを目指す皆様の参加を心よりお待ちしております.

初期臨床研修でできること

当チームでは、食道・胃・小腸・大腸における悪性腫瘍に対する診療を行っております。

当チームローテーション中の研修は新内科専門医制度に対応しており、多くの症例登録を行ってもらえるように、指導医のサポートのもと下記の項目について研修して頂きます。

 

・“がん”は全身疾患であり、その診療においては罹患部位のみならず、しっかりとした全身管理が必要となります。当チームでは消化管悪性腫瘍(食道癌、胃癌、大腸癌など)の患者さんを主治医として担当して頂き、問診・腹部を中心とした全身の診察・採血結果の解釈などを・指導医とともにしっかりと学んで頂きます。

 

・悪性腫瘍だけではなく、消化管領域全般の診療において必要な、腹部レントゲン・CT・MRI画像の読影技術を研修して頂きます。これまで学んできた教科書的な知識に加え、実際の症状と画像所見を照らし合わせることで、より実践的に画像所見の解釈ができるようになります。

 

・指導医のサポートのもと、上部消化管・下部消化管内視鏡検査の研修を行うことができます。まずは、指導医とともに実際の症例を通して基本的な内視鏡画像所見について学んでいただきます。また、ファントムを用いて内視鏡挿入の技術を習得していただき、最終的には実際の患者さんに対して、内視鏡検査を担当して頂くことを目標とします。

治療内視鏡に関しても、消化管出血に対する内視鏡的止血術や、早期癌に対する内視鏡的切除術(EMR、ESDなど)などを指導医とともに体験して頂き、少しずつその技術の習得することも可能です。

 

・上記の他、中心静脈カテーテルの挿入、中心静脈ポートの造設、腹水穿刺などの基本的な手技についても、指導医のもと多数経験することが可能です。

専攻医研修でできること

当チームにおいては、内科専門医の研修を引き続き継続しつつ、初期研修医時代に学んできたことから一歩進んで、サブスペシャリティとして消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、がん治療認定医、がん薬物療法専門医などの取得を目指した研修が可能です。

「初期臨床研修でできること」に記載されている項目の知識や技術の確立を目指し、より多くの症例を経験して頂き、より専門性を高めていきます。

がん薬物療法の分野では、毎週行われるカンファレンスへの参加や、研究会、学会などにも積極的に参加してもらい、日進月歩を遂げる最新のがん薬物療法を学んで頂きます。

内視鏡分野においても、スクリーニング検査はもちろんのこと、内視鏡的止血術、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の技術習得も可能です。