05専攻医研修のあと 〜 留学実績・留学体験記
専攻医研修のあと 〜 留学実績・留学体験記
その中で、一つの道として、大学院を卒業したのちに海外留学を目指すことも可能です。
平成21年4月から現時点(平成30年12月)までに14人の海外留学生を輩出しています。
留学先はハーバード大学、ベイラー大学などいずれも一流の大学・病院です。
留学を経験された先生のおはなしです。
中村 元 先生
2024年3月よりHarvard Medical School Massachusetts General Hospital Cancer Centerにて研究留学を開始しました。渡米直後は文化や言語の壁に苦労しましたが、徐々に慣れ、現在は日夜研究に没頭する充実した日々を過ごしています。
私のボスであるDr.Corcoranは消化器癌におけるRAS/RAF/MAPK pathwayやliquid biopsyといった分野の第一人者です。これまでphysician scientistとして基礎研究・臨床研究ともに多数の業績があり、彼の下で研究を行い、直接指導を受けられることは今後の自身の財産になると確信しています。また、周囲のポスドクやテクニシャンは皆揃って大変優秀で熱意に満ちており、日々大いに刺激を受けています。私の研究テーマはBRAF V600E変異陽性大腸癌における新規免疫治療戦略の開発で、BRAF阻害薬の臨床導入を以てしても未だ予後不良なアンメットクリニカルニーズである本疾患患者様の希望となる研究成果を上げることが現在の目標です。
留学先の選定から現在に至るまで、高田教授をはじめ学内外の多くの先生方に御指導いただき、この場を借りて感謝申し上げます。近い将来改めて良い報告が出来るよう、今後も精一杯努力致します。

坂本 拡基 先生
私が同センターへの留学を志望したのは、当講座出身の先生方がご活躍されていることに加え、研修経験のある同門の石川和真先生から勧めていただいたことがきっかけでした。
日常業務では、ほぼ毎日胆膵内視鏡検査を行っており、非常に密度の高い日々を過ごしています。静岡がんセンターでは年間、ERCP 約500件、EUS(-TA 含む)約700件、EUS下関連処置 約100件が行われています。これらの症例は、単なる件数の積み重ねではなく、毎回のカンファレンスで適応や戦略を丁寧に検討したうえで実施しており、1例ごとに多くの学びを得ています。
臨床研究においては、単施設のみならず多施設研究にも積極的に取り組んでおり、私自身も関わらせていただいています。なかでも、新規前向き試験の立案からプロトコール作成、倫理審査対応、症例登録・管理に至るまで、一連の流れを実際に経験できたことは、今後研究を進めていくうえで大変貴重な経験となりました。また、英語論文の執筆や学会発表を通じて、成果を外部に発信することの重要性も改めて認識するようになりました。
さらに、学会や研究会を通して全国の他施設の先生方と意見を交わす機会にも恵まれ、多様な考え方に触れるなかで、自身の視野を広げることができたと感じています。
今後はここで得た多くの経験を糧に、臨床・研究の両面においてより一層成長を重ねていくとともに、後輩医師の育成にも少しずつ携わっていけたらと考えております。
このような貴重な機会をいただきましたことに、心より感謝申し上げます。高田教授をはじめ、教室の先生方、同門の諸先生方に深く御礼申し上げます。最後になりましたが、日々ご指導くださっている小野裕之先生、石渡裕俊先生にも、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
三浦 翔吾 先生
(Harvard Medical School)のMedical Oncology Department Dr. Ritz labへ留学させて頂きました。Ritz labへは、加藤教授のもとから河野先生、村瀬先生、平川先生、神原先生、久保先生、在原先生が留学され、私で7代目となります。
留学先でのprojectは、主に悪性リンパ腫に対しCAR-T療法を受けた患者の臨床サンプルをMass Cytometry(CyTOF)と呼ばれる手法を用いて、リンパ球の表面マーカーの発現を解析し、どのようなサブセットが予後や有害事象にかかわるかという解析を行っていました。製薬会社、他のラボとの共同projectであり、このような大きなprojectに関わることができて大変貴重な経験となりました。月に数回行われるzoomでのmeetingでは、英語でのディスカッションについていくことができず、苦労することもありましたが、今となってはいい思い出です。
ボストンでの生活は、日本人留学生が多く、日本人のコミュニティや消化器内科医師のコミュニティなど、他の日本人研究者との交流の場はとても多く、楽しく過ごすことができました。またアメリカの国内旅行やカナダへの旅行などもすることができ、家族も楽しんでくれていました。
留学は、研究だけでなく、海外の異文化を体験するなど、日本にいては経験できないことを経験できる貴重な機会だと思います。今後留学を考えている人は、ぜひ積極的に留学してほしいと思います。
最後に、このような非常に貴重な留学生活の機会を与えて下さいました、加藤教授をはじめ、快く留学に送り出していただいた当時勤務していた上司の先生、同門の先生方に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
在原 洋平 先生
2019年2月-2021年3月:Dana-Farber Cancer Institute, Boston, MA. US
札幌医科大学 腫瘍内科学講座・診療医の在原洋平(2010年医学部卒、2017年大学院修了)です。私は2018年4月から2019年1月までは米国Massachusetts州BostonにあるMassachusetts General Hospital(MGH)に、さらに2019年2月からはMGHと同様にハーバード大学医学部関連施設であるDana-Farber Cancer Institute (DFCI)にラボを移籍し、2020年3月までの計3年間、アメリカ留学をさせていただきました。留学当初は米国内でラボを移籍するとは予想もしていませんでしたし、公私共に苦労も多い3年間でしたがが、結果的には世界で最も有名な病院・研究施設を2箇所も体験させていただくことができ、とても貴重な体験となりました。紙面の関係上、以下では主にDFCIでの研究や生活のことを書かせていただきます。
DFCIではDepartment of Medical Oncology, Ritz labに所属しておりました。Ritz教授のラボへは、加藤教授のもとから過去に河野先生・村瀬先生・平川先生・神原先生・久保先生が留学されている、当教室と縁の深いラボです。Ritz labではこれまでは、造血幹細胞移植後の免疫再構築やGVHD prophylaxis関連の研究が主に行なわれておりましたが、ちょうど私が留学する少し前から、CAR-TやNK cell therapyといった免疫細胞療法関連の仕事にも研究範囲を広げているタイミングでした。Ritz教授はcell manipulation core facilityという、造血幹細胞移植やCAR-Tのプロダクトを調製する部門のexecutive directorを兼ねており、さまざまな製薬会社から新規の免疫細胞療法関連の研究依頼が舞い込んでくる環境でした。幸いにも私は、現在、医療界全体を見渡しても最もホットな分野の一つである、CAR-T療法や免疫療法のTranslational researchに携わる機会を多く得ました。
例えば、某CAR-T療法の1st in humanの臨床試験において私は、末梢血サンプル中のCAR-T cellのトラッキングとT cellのフェノタイピングを担当するリサーチチームの一員として研究に参加させてもらう機会を得ました。具体的には、第一症例目の患者様が治療を受けた直後から、毎日のようにラボに末梢血サンプルが送られてきて、それをmulti-parameter flowcytometryでその日のうちに解析し、臨床医・製薬会社・リサーチチームのメンバーに結果をシェアし、夕方にウェブカンファレンスで治療効果や有害事象と免疫動態の関連性をディスカッションするという、とてもエキサイティングなものでした。
また、私の留学に大きな影響を及ぼしたものの一つとしてCOVID-19が挙げられます。pandemicの影響により、2020年3月から6月頃まではBostonでは完全なロックダウン(買い物とジョギング以外は外出禁止)を経験しました。この時、私は単身赴任でしたので、ラボにも行けず、一人自宅で悶々とした日々を過ごさざるを得ませんでした。幸い私は乗り切れましたが、帰国命令が出て急遽帰国した友人や、体調を崩すなどして母国に帰国せざるを得なくなった研究者も多く、留学中の皆にとって、辛い期間になりました。2020年7月以降は徐々にラボに戻って研究ができるようになりましたが、対面でのミーティングは厳しく制限されておりました。ただ、逆にzoomなどのウェブカンファレンスを介してやりとりができたことも面白い経験になりました。大人数のフィジカルな会議だと、非英語話者の私が強く意見を主張するのはなかなか難しい場面も多いのですが、オンライン会議なら、ある程度話を聞いてもらえますし、画面共有などですぐに資料を共有できて、ウェブカンファレンスが逆に心地よいと感じる場面も多くありました。COVID-19の影響により進行が遅れた研究もあり、まだ形になっていないものも多いですが、2021年5月現在、下記の共著論文3報が出版済みです。いずれもOpen accessとなっておりますので、ぜひご参照いただけますと幸いに存じます。
今後は、留学中に得たがん免疫の知見や実験手法を活かし、他施設や他科の先生方とも共同でエキサイティングな臨床・研究活動に従事していきたいと思っております。最後になりますが、貴重な留学生活の機会を与えて下さいました、加藤淳二教授をはじめ、教室員の皆様、同門の先生方に心より御礼申し上げます。
1) Rambaldi B, Arihara Y(3rd), et al. Phenotypic and functional characterization of the CD6-ALCAM T cell costimulatory pathway after allogeneic cell transplantation. Haematologica. 2022 Apr 28. doi: 10.3324/haematol.2021.280444. Online ahead of print.
2) Shapiro RM, Arihara Y(13th), et al. Expansion, persistence, and efficacy of donor memory-like NK cells infused for post-transplant relapse. J Clin Invest. 2022. Mar 29;e154334. doi: 10.1172/JCI154334. Online ahead of print.
3) Rambaldi B, Arihara Y(5th), et al. Impaired T- and NK-cell reconstitution after haploidentical HCT with posttransplant cyclophosphamide. Blood Adv. 2021 Jan 26;5(2):352-364. doi: 10.1182/bloodadvances.2020003005.
久保 智洋 先生
今まで北海道にしか住んだことのない私にとって,言葉も文化も違うアメリカで生活することはとても新鮮であり、世界各国からの留学者と交流することで、見聞が広がりました。また日本各地から様々な目的で来ている他職種の日本人の方たちと短期間ではありますが交流できたことは大変貴重な経験で、本当に充実した2年間となりました。このような非常に貴重な留学生活の機会を与えて下さいました、加藤教授をはじめ、教室員の皆さま、そして様々な激励などを頂きました同門の先生方に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
大須賀 崇裕 先生
夜になると、数ヶ月に1度、ボストン界隈の消化器内科・外科の留学生が集まる機会が催されました(「ボストン消化器会」)。当教室からの留学生が3人もいたため、「札幌医大の腫瘍血液内科ってすごいアクティビティの高い教室なんだね!」と何度も驚かれ、その都度少し誇らしく思いました。そこでは、日本の将来の消化器病を担うであろう(?)若き逸材たちと色々話し、刺激を受け、交流ができたこと、これも、将来の財産になるような気がします。
生活面としては、週末実験しない日は、家族4人で、車でカナダモントリオールからニューヨーク、ナイアガラ、ワシントンまで色々行きました。日本と全く違う国民性や都市、自然の姿は、私のものの「見え方」「考え方」を変えるのに十分でした。本当にいい経験をしました。そして充実した生活が送れたのは、妻と子の支えがあってこそのことでこの場を借りて、感謝したいと思います。7歳だった娘は英語ペラペラで帰国できたので少し羨ましいくらいですが、この子にとっても良い経験になったと思います。
この2年間の素晴らしい経験を、今後の研究活動に活かし、教室のために頑張って行きたいと思います。最後に、このような大変貴重な研究留学の機会を与えて下さった加藤教授をはじめ、教室の皆様に深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

平川 昌宏 先生
田中 信悟 先生
ヒューストンはアメリカ南部にありメキシコと国境を接するテキサス州の南東部に位置する全米第4の都市です.石油化学工業やNASAに代表される航空宇宙産業で有名な都市ですが,Medical centerとしては世界最大の面積を誇るTexas Medical Center(TMC)が古くから設置され,その中心的役割を担うベイラー医科大学にて研究を行ってきました.
私の研究室はベイラー医科大学の関連病院であるMichael E. DeBakey Veterans Affairs Medical Center(退役軍人病院)内にあり,いつも病院玄関から研究室まで退役軍人患者で溢れかえる中を歩いていくという生活でした.研究室の主宰者はDr. Grahamという先生で,ピロリ菌の診断検査である尿素呼気試験の開発等数多くの業績があり,これまでに100人以上の研究者を受け入れてきたようです.非常に親日家で年に2-3回は日本に来ているようで,日本の歴史や文化など私よりはるかに詳しいです.そのDr. Grahamのもと,私はピロリ菌感染により胃粘膜内で発現変動するオートファジー関連遺伝子や新規サイトカイン遺伝子をテーマとして研究を行ってきました.TMC内にはDigestive Disease Center(TMC-DDC)という基礎研究,臨床研究,疫学研究の円滑な連携を図ることを目的とした組織があり,毎週行われるセミナーや他の研究室の先生とのdiscussionなど,自分のテーマはもちろんのこと,臨床や疫学的なことも含め数多くの勉強をすることができました.このような恵まれた環境で24時間365日研究に没頭できたことを,帰国して改めて良かったと思っております.
北海道にしか住んだことのない私や私の家族にとって,4月から10月まで毎日30℃以上という北海道とは全く違う気候の土地に住み,言葉も文化も違うアメリカ人やメキシコ人の中で生活したこと,また日本各地から様々な目的で来ている日本人の方たちと短期間ではありますが交流できたことは大変貴重な経験でした.大雨等の自然災害やアパート内での銃による殺人事件等の恐ろしいこともありましたが,無事帰国できた今となりましては思い出話しとなりつつあります.
このような貴重な留学経験を与えて頂きました加藤教授をはじめ教室員の皆様,そして多方面に渡り御協力を頂きました同門の先生方には厚く御礼申し上げます.本当にありがとうございました.

吉田 真誠 先生

札幌医科大学腫瘍内科学講座 助教
吉田 真誠
はじめに
早いもので、日本に帰国して約3ヶ月経ちました。留学期間は臨床業務から完全に離れておりましたので、現在、思い出しながら精進しているところであります。私は大学院卒業後、1年間の地域派遣業務を経て、2014年4月〜2016年3月までの2年間、ボストンのマサチューセッツ総合病院(MGH)消化器内科のラボに研究留学をさせて頂きました。ボストンは御存知の通りアメリカの中で最も歴史の古い街の一つで、昔ながらの建物が私達を魅了します。
研究室について
MGHは全米病院ランキングで1位に選ばれるほど、有名な病院でありラボも数多くあります。その中の一つである消化器内科のメインのラボは、ビルの7Fと8Fの2階分を占めます。MGHの消化器内科医は基本がん診断はしますが、抗がん剤などの治療をしませんので、ラボのメインテーマはIBDです。しかし、その中で私のBossであるDaniel C.Chungは、内視鏡検査による大腸癌診断やLynch症候群などの家族性腫瘍を専門としています。研究面では大腸癌における低酸素誘導因子(HIF)を専門としており、これまで数多くの論文を発表されてきました。私の研究のテーマはHIF-1αの新規標的遺伝子として以前発表したANKRD37という遺伝子の機能解析でした。Cell lineやノックアウトマウスを扱ったりと基礎的な手技を必要とし、非常に勉強になりました。アメリカでは時間があるので様々なことを調べ、時にはYoutubeも使いながら実験手技を勉強していきました。分からないことがあれば、他国出身の同僚や他のラボのアメリカ人に質問しながら進めていきましたが、日本にいる時に比べ時間が大幅にかかります。しかしその反面、問題が解決した時や、その後の実験で良い結果が出た時は非常に嬉しかったです。また週に1回、Bossとミーティングがあるのですが、figure作成や、ましてや英語で説明する練習など大変だったですが、非常に充実しておりました。
交流について
毎週, 消化器科内の他のラボの研究内容を聞くことができるセミナーが開かれています.ちょうど大学行われているprogressみたいなものです.
その他, ハーバード関連施設や全米から高名なPIがMGHに来て, セミナーが開かれます.もちろん英語なので完全には理解できないところはありますが, 非常に勉強になります.
医学以外にもマサチューセッツ工科大学(MIT)のPhDを中心に ボストン日本人研究者交流会(BJRF)が毎月, 開かれております.印象に残っているのは3Dプリンタやリニアモーターカーの話題で, 自衛隊の方々もボストンに留学しているため, 普段, なかなか交流のない自衛隊の活動などの話しも聞けました.
年に2回ほどMGH研究者の会が開かれており, 家族など含め100人弱の方々が参加していますので,日本全国の方々と仲良くなれます.
生活について
私は家族と一緒に渡米しました. 子供たちは現地の学校に通い,毎日nativeの英語を聞いているためか, 全く文法もわからないのに,みるみる私の英語力を追い越して行き, アメリカ人の家に遊びに行くほどになりました.食事の面は日本で買うよりはやや高くつきますが,ほぼ何でも手に入り, なんとか暮らせていけます.私の住んでおりましたアパートには日本人が多く,日本にいる時より結束力が高まり,助けあって生活していますので,家族ともどもあまり大きなストレスなどなく, 2年間過ごせました.
この2年間の経験を,最大限今後の研究活動に活かし, 頑張りたいと思います.最後に,このような大変貴重な研究留学の機会を与えて下さった加藤教授はじめ, 教室の皆様に感謝申し上げます.
村瀬 和幸 先生
2011年8月より2014年3月までBostonにあるDana-Farber Cancer Institute (Harvard Medical School) のMedical Oncology部門に研究留学させて頂きました。こちらのDFCI は加藤教授の元で留学に出られました4内の先輩であられます高田弘一先生、河野豊先生に続きまして、私で3年連続の所属先となりました。先輩二人が築き上げてくださった流れを引き継ぐことが出来ました事は、私にとって大変光栄なことであり、非常に有り難いことでした。またお二方にはボストンでの生活のセットアップから、実験手技、メインテーマに至るまで公私にわたり大変お世話になり、そのおかげを持ちまして、非常にスムーズに留学生活に馴染むことが出来ました。お二人には本当に感謝いたしております。
DFCIにおきまして私は河野豊先生の後を継ぎましてDr. Jerome Ritzのラボに所属致しました。Dr. Ritzは造血器腫瘍部門のchiefであり、移植免疫の権威であります。私は札医大所属時に骨髄移植に携わっておりましたので、その移植のメッカであるDFCIで、移植後患者検体を使用して実験出来ることは大変な幸せでした。私の研究テーマは造血幹細胞移植後におけるT細胞の再構成、特にgraft versus host disease (GVHD)を発症した場合のアポトーシスの機序に関わる因子の同定であります。BH3 profilingというFunctional assayを行い、BimやBcl2といったアポトーシス関連タンパクの影響を認めることが出来ました。
私がアメリカでの研究生活で良かったと思う点は二つあります。一点目は病院からのcallがないこと。日本で実験している時は、マウスの腹を開いた直後やTime dependentな実験の最中に呼び出されていたので、大変なストレスを感じておりました。しかしアメリカでは当然それがございませんので、朝から晩まで本当に好きなだけ実験出来たのが非常に楽しかったです。もう一点は最新の機械や手技に携われることです。私は幸運な事にDFCIが全世界で初めて導入したCyTOF2という機械(rare metalを使用したMass cytometry)を使用することが出来ました。この機械は従来のFACSの次世代機であり、rare metalを使用しているので、通常の蛍光色素における自家蛍光やover lapを一切気にする必要がなく、さらに1度に36種類の抗体を使用することができる物でありました。こちらは現在非常に注目されている実験手技であり、急速に広まってきております。残念ながら日本でその経験を活かすことはまだ出来ませんが、非常にexcitingな経験でした。また2014年2月より4内の後輩であります平川昌弘先生が同ラボにてCyTOF2を使用した実験を引き継いでくれており、その結果が非常に楽しみであります。
このような非常に貴重な留学生活をご許可頂きました加藤教授、教室員が少ないにも関わらず、留学をサポートして下さいました教室員の皆様、そして多方面に渡りご助力頂きました同門の先生方に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。