外反母趾
外反母趾とは足の親指(母趾)が小指側に曲がり、変形を来す疾患です。変形は年齢を重ねると進行することが知られており、母趾の付け根の突出部(バニオン)が当たって痛くなります。また、変形に伴い母趾の支持性が低下することで足の裏(足底)にタコ(胼胝)ができたり、歩行時に痛くなったりします。母趾の支持性が低下することで人差し指(第2趾)や中指(第3趾)にも変形が生じ、転倒リスクが上昇することも知られています。
治療は装具や足趾の体操、筋力トレーニングで症状の緩和や更なる変形の予防を行います。それでも症状が残る場合や進行する場合は手術で骨切り術を行い、変形を矯正します。当科では外反母趾の病態研究や治療を積極的に行っております。外反母趾でお困りの方は外来を受診し、医師とご相談ください。
治療は装具や足趾の体操、筋力トレーニングで症状の緩和や更なる変形の予防を行います。それでも症状が残る場合や進行する場合は手術で骨切り術を行い、変形を矯正します。当科では外反母趾の病態研究や治療を積極的に行っております。外反母趾でお困りの方は外来を受診し、医師とご相談ください。
陳旧性足関節外側靭帯損傷、慢性足関節不安定症
繰り返す捻挫や元々の関節のゆるさ(弛緩性)によって外側靭帯がうまく機能せず、捻挫を繰り返しやすくなり、歩行時の足関節の不安定感や疼痛が生じます。当科では寺本篤史医師が開発したATメジャーと呼ばれるデバイスを用いて足関節の不安定性を定量的に測定し、靭帯の状態を評価します。靱帯の状態にもよりますが、まずは装具やリハビリにより足関節周囲の筋力をトレーニングすることで症状を軽減させます。それでも不安定感や疼痛が残る場合は手術で靭帯の修復もしくは再建を行います。当科では関節鏡を用いた靭帯修復術を積極的に行い、早期歩行リハビリを取り入れることで術後1週以内の歩行獲得、早期のスポーツ復帰、社会復帰を促しています。
距骨骨軟骨損傷
捻挫後に長期にわたり痛みが持続する場合は骨軟骨損傷を生じている可能性があります。捻挫などで強い外力が加わることで距骨を脛骨が衝突し、骨軟骨損傷が生じるとされています。損傷の程度によりますが、ギプス、装具、免荷(体重をかけないようにすること)治療を行います。また、足関節周囲の筋力トレーニングなども重要です。損傷の程度が強い場合や時間が経過している場合は手術で損傷した骨軟骨の修復、再建を図ります。骨軟骨の損傷が軽度であれば自分の骨で採型した骨釘を用いて骨接合術(図)や骨髄刺激法などを行います。損傷が重度な場合、膝関節の骨軟骨を採取し、骨軟骨柱移植術を行う場合もあります。
変形性足関節症
繰り返す捻挫やケガ、加齢などによって足関節の軟骨が損傷し、変形する疾患です。変形を来すことで歩行時や立位時の痛みを感じるようになります。保存療法として、お薬、装具治療、リハビリを行うことで除痛を図ります。保存療法で効果がない場合は手術で治療します。主に関節症の進行程度によりますが、当科では骨切り術、人工関節置換術、鏡視下関節固定術などの状態に合わせた最適な治療法を行っています。
成人期扁平足
足裏にはアーチ構造があり、効率よく体重を分散しています。幼少期からある平べったい扁平足は問題になることは少ないですが、中年以降に腱の変性や繰り返される負荷によって生じる成人期扁平足は内くるぶしや足の内側が痛くなります。変形が進むとアーチが消失し、足部全体が痛くなることもあります。治療としてはアーチを形成する中敷き(アーチサポート)や足部の筋力トレーニング、ストレッチを行うことで痛みを軽減させます。重症例では手術により腱移行や靭帯再建、骨切り術などを併用して変形を矯正することがあります。