無痛分娩のご案内

当院で無痛分娩を希望される場合

当院に通院されている妊婦さんは、妊婦健診の際に担当医に「無痛分娩を希望する」とお伝えください。合併症などがない、健康な妊婦さんの無痛分娩も行っています。
当院以外の施設で妊婦健診を受けている妊婦さんは、かかりつけの先生に依頼し、地域連携室を通して受診予約を入れて下さい。

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無痛分娩を受け入れられる数には限りがありますのでご了承ください。電話での、無痛分娩についての空き状況確認や予約は受け付けておりません。

当院での無痛分娩のメリット

  1. 効果的に出産の痛みを和らげることで、出産時の体力を温存できます。
  2. 出産後、お母さんの悩みや心配は皆さん違います。産後の疲労回復が早いので、入院中に助産師や産科医に ”授乳のこと” 、 ”赤ちゃんのケア” 、 ”退院後の生活”、などゆっくり相談できます。
  3. 全ての無痛分娩の麻酔を、熟練した麻酔科専門医が担当しています!
  4. 麻酔科専門医が副作用・合併症が発生した時には迅速に対応します。
  5. 麻酔科医が24時間院内に待機しているので、すぐに緊急帝王切開に移行できます。
  6. 赤ちゃんに何かあった場合、新生児科医が24時間院内に常在し、新生児ICU(NICU)があるので、すぐに治療を開始できます。
  7. 麻酔科・産科ともに母体救命システム普及協議会(JCMELS)のインストラクターが多数在籍しています。
  8. 助産師が妊婦さんと共に歩行したりスクワットをしたり…、赤ちゃんの通り道(=産道)が産まれる準備ができる(=熟化する)お手伝いをし、できるだけ自然に近いお産を目指します。
  9. 産科医、麻酔科医、小児科医、助産師が連携して、皆さんの幸せなお産のサポートをさせていただきます。

赤ちゃんへの影響

基本的にありません。
背中の神経に直接お薬を投与するので赤ちゃんにお薬が届きません。ごく僅かなお薬が血液の中に入ることはありますが、へその緒や胎盤を通過して赤ちゃんに届く量はあってもほんのわずかのため、赤ちゃんに影響はありません。

出産の痛みは必要か

日本では、「お腹を痛めて産んだ赤ちゃん」という表現があるように、陣痛に耐えることにより良い母親になれるという概念が残っています。しかし医学的根拠はなく、世界的には痛みを伴わない出産で、母子の愛情が育まれないとは考えられていません。
また、お子さんの成長・発達に異常が出るという根拠はありません。

痛みは全くないのか

痛みを取りすぎると、分娩の進行を妨げてしまったり、妊婦さんの足に力が入らなくなり、赤ちゃんが出てくるときに上手にいきめなくなったりする可能性があります。
ですから、痛みのコントロールの目標は、痛みを0にすることではなく、足の力が入らなくならない範囲で、妊婦さんができるだけ痛くないよう痛みを抑えることです。
また、赤ちゃんができるだけ自然に近い状態で産まれるように、お母さんが痛いと感じても、すぐに麻酔を開始しないことがあります。特に初産婦さんの場合、赤ちゃんの通り道(=産道)が赤ちゃんが産まれる準備ができている(=熟化する)状態、具体的には子宮の入り口が十分に(4-5cm程度)開いてから麻酔を開始することがあります。

当院の無痛分娩対応可能時間

  • 内診所見などから入院予定日を決定し、計画分娩を行います。
  • 一度決定した入院予定日は、外来での内診所見により変更になることがあります。
  • 基本的に平日の日中のみ、出産の見込みのある場合に麻酔開始となります。
  • 夜間・休日に出産する場合は、スタッフの人数が少なく、安全性が保たれない可能性があるので、対応できませんのでご了承ください。
  • 予定日以外に陣痛発来・破水して入院した場合でも、平日日中で日中に出産の見込みがあり、安全性が確保できる場合、対応することは可能です。
  • 大学病院という性質上、重症の患者さんが多数いらっしゃる場合は対応ができない場合がありますのでご了承ください。
  • 分娩枠には制限があるので、ご希望の方全員に対応できない場合がありますのでご了承ください。
  • 最も重要なことは母子ともに健康に出産できることです。そのため対応可能時間が限定的になることをご理解ください。

無痛分娩までの流れ

  • 妊娠34~35週頃の妊娠後期検査に合わせて、採血や心電図、胸部レントゲン写真を行います。
    費用は約5,000円必要となります。
  • 妊娠34-36週程度で、産科外来の指示で麻酔科外来を受診していただきます。ご自身で麻酔科外来を予約していただく必要はありません。受診前に採血・心電図・胸部レントゲン検査を行います。
    麻酔科外来の受診は月・水・金曜日となります。
  • 妊娠37~38週以降の健診では、適宜内診を行って子宮口の熟化状態を確認します。熟化が進んで計画分娩の成功率が高くなっていることを確認した上で、空き状況を確認して入院日を決定します。
    そのため、「何月何日に産みたいです」といった要望にはお応えできません。
  • 入院日は内診所見の進行程度により最終決定を行いますので、一度決定した入院予定日が変更になる場合がありますのでご了承ください。

※予定の前に陣痛が来たり破水したりした場合

希望の無痛分娩は、安全性を考え、24時間365日の対応はしていません。入院前に陣痛発来や破水した場合、平日の日中で産科麻酔科医が対応可能な状態であれば無痛分娩の提供をさせていただきます。
上記の通り、妊婦健診の中で予定を調整して原則全例計画分娩とします。予定外に分娩が開始した場合でも上記の条件を満たした場合には対応が可能となりますが、時間外や麻酔科医が対応できない場合には無痛分娩を行うことは出来ません。その場合、無痛分娩の料金は発生しませんが、それまでに発生した追加費用は返却されません。

緊急での無痛分娩対応について

  • 無痛分娩を予約していない妊婦さんでも、平日時間内で医師および助産師が対応可能な場合に限り、緊急で無痛分娩が可能な場合があります。
  • 通常の無痛分娩とは方法および費用が異なります。
  • 希望される場合は産科医もしくは助産師にお伝えください。

費用

  • 分娩費用に加え、94,230円の費用が発生します。
  • 麻酔科外来の受診費用が別途かかります。(保険診療になります。)
  • 最終的な分娩費用についてはお産の経過により異なりますので、分娩終了後にお問合せください。

【PDF】JALA :無痛分娩関係学会・団体連絡協議会登録情報