札幌医科大学のレディースクリニック

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不妊症などのQ&A

習慣性流産関連Q&A(5題)

Q流産を繰り返した場合、何回流産したら病院に行ったらよいのですか?

A

一般的には、続けて3回流産した場合習慣性流産の診断がつき検査治療をします。その根拠は、過去に3回流産した場合、無治療の次回流産の確率は40-50%だからです。一方2回流産の場合、次回流産の確率は25-30%で、生児を得る確率の方が高いからです。しかし、2回流産の方が検査を希望される場合は、この数字の意味をご説明した上で検査治療を行っています。

Q夫リンパ球の免疫療法はどんな場合に行うのですか?また副作用を教えて下さい。

A

いろんな検査をしても原因不明の習慣性流産の場合に免疫療法をしています。その効果を疑問視する声もありますが、平成14年の日本産婦人科学会で日本医大の竹下医師のアンケート調査による発表によると、日本の大学病院の7割で実施していることがわかりました。しかし適応、実際のやり方も施設により必ずしも一定していません。 副作用を防ぐため、一般的にはB型肝炎などの感染のない夫からとったリンパ球に放射線をかけている場合が多いようです。また膠原病の発症の引き金にならないように自己抗体がプラスのヒトには実施しないよう勧められています。ただし、この治療を輸血の一種と考えれば、輸血を受けたヒトに膠原病が多いということが知られていない事から、膠原病発症との関連を疑問視する声があります。効果の有用性は必ずしも確立されておりませんし、全ての患者さんに効くわけではありませんが、効く患者さんがいることは事実です。私たちの施設ではMLC(リンパ球混合培養試験)とNK細胞活性の検査を行い適応を決めています。

Q血栓と流産は関係あるのですか?

A

血栓とは、血管に血のかたまりがつまって血液が流れなくなることです。血栓との関連では、抗リン脂質抗体症候群(カルジオリピン抗体、ループス・アンチコアグラント、フォスファチジルエタノールアミン抗体、抗プロトロンビン抗体など)、プロテインC、プロテインS、XII因子の低下などでは胎盤に血栓が出来て、流産と関係していると報告されています。もしこれらが見つかれば、低用量アスピリンの内服、ヘパリンの注射などを行います。抗リン脂質抗体症候群の重症例には血漿交換が必要な場合もあります。

Qストレスと流産は関係があるのですか?

A

ストレスは様々な体調不良と関係します。最近、ストレスがNK活性を高める事が流産と関係するとの報告があります。今、この方面の研究が注目されています。

Q夫婦の染色体異常と流産は関係あるのですか?

A

習慣性流産の場合、健康な夫婦でも約5%に染色体異常が見つかることがあります。異常の種類は、均衡型相互転座、ロバートソン転座、性染色体異常などです。しかし、異常があったからといって必ず流産するわけではなく、例えば均衡型相互転座の保因者の流産率は 30~50%と言われています。いずれにしても、主治医からの詳しい説明を聞いた上で判断すべきです。