睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に呼吸が止まり、様々な合併症を引き起こす病気です。

疫学

成人男性の約3〜7%、女性の約2〜5%にみられます。

原因

空気の通り道である上気道が狭くなることが原因です。首周りの脂肪が多いと上気道は狭くなるため、肥満と深く関係しています。
また、舌が大きい、鼻中隔湾曲症、扁桃肥大などの鼻の病気も原因となります。さらに、顎が小さいこともSASの原因となり、肥満でなくても引き起こされます。

症状

無呼吸、いびき、夜間頻尿、日中の眠気、起床時の頭痛、疲れやすいなどの症状を認めます。

診断

無呼吸、いびき、夜間頻尿、日中の眠気、起床時の頭痛、疲れやすいなどの症状を認めます。

診断

耳鼻科や内科で終夜睡眠ポリグラフ検査やアプノモニターによる簡易検査を行い確定診断します。
症状の程度により軽症、中等症、重症としています。

治療

当科では、耳鼻科や内科で睡眠検査を行い、軽度から中等度のSASと診断され、口腔内装置による治療を依頼された患者さんの治療を行っています。

治療の流れ

口腔内装置の写真
  • 1回目:問診・X線写真撮影・型取りを行います。装置は1週間でできます。
  • 2回目:1回目から1週間後、写真に示す装置を装着し、取り扱い方を説明します。
  • 3回目:2回目から1か月以内、装着状況を確認します。
  • 4回目以降:装置装着の習慣がついた頃、睡眠検査を行い効果の判定を行います。
その後は年に2〜3回ごとで定期観察を行います。

生活上の注意

  • 装置に慣れるまでに1〜2週間はかかります。最初の数日間は慣れないため、かえって眠れないこともあります。通常、1〜2か月もすると症状の改善を自覚します。
  • 肥満者は減量することで無呼吸の程度が軽減することが多いため、食生活や運動などの生活習慣の改善を心掛けましょう。
  • アルコールは睡眠の質を下げるので、晩酌は控えましょう。
  • 寝る姿勢も上向きよりも横向きの方がいいでしょう。