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舌痛症
舌痛症は舌に炎症や潰瘍などの明らかな病変がなく、色調や機能も正常にも関わらず、舌に慢性的なヒリヒリ感やピリピリ感、灼熱感などの痛みを感じる疾患です。鑑別疾患として、貧血に伴う舌炎による舌痛、糖尿病や薬物などによる口腔乾燥により生じる舌痛、歯列不正や歯の鋭縁や不良補綴物による舌痛、カンジダ症による舌痛などと区別する必要があります。詳細な問診を行った上で、血液検査や細菌検査などの各種検査を行うことがあります。また、近年ではストレスや鬱などで生じる心因性によることも多くなってきています。治療としては抗うつ薬を中心とした薬物療法が中心です。
顎関節疾患
顎関節症
症状
口を開けると痛い!痛くて開けれない!
顎がガクガクする!口を開けると音がする!
顎がガクガクする!口を開けると音がする!
顎関節症とは
顎関節症は、顎の関節(顎関節)や顎の筋肉(咀嚼筋)の痛み、顎の関節の雑音、開口障害ないし、顎の動きの異常が主な症状で、発症には、日常生活を含めた環境因子、行動因子、宿主因子、時間的因子などの様々な因子が積み重なって発症するとされています。
- 環境因子:ストレス、疲れ
- 行動因子:硬固物の咀嚼、長時間の咀嚼、集中作業、楽器演奏、スポーツ、歯ぎしり
- 宿主因子:咬み合わせ、顎関節形態、習癖、睡眠障害
- 時間的因子:悪化・持続因子への暴露時間
顎関節症の検査
- 問診:どのような症状が、どこに、いつから等
- 触診:疼痛部位の確認、開口量の検査等
- 画像検査:X線写真、CT、MRI
治療
症状に合わせて、薬物療法、マウスピース療法、理学療法などがあり、日本顎関節学会より発表されている診療ガイドラインを基に治療を行います。
顎関節脱臼
症状
開いた口が閉じれなくなった!
顎関節脱臼とは
顎の関節が脱臼してしまうと、口を閉じれなくなる(閉口障害)、唾液が口からこぼれてくる、耳の前方部(顎関節部)の痛み、皮膚の陥没などが主な症状です。原因は大きく口を開けることがほとんどですが、高齢者などで、顎関節周囲の骨が減少していたり、周囲の組織が弛緩していると習慣的に脱臼を繰り返してしまう場合もあります。
顎関節脱臼の検査
- 問診:いつからか、繰り返しているか等
- 触診:顎の動き、顎の関節周囲の痛み、陥没の有無
- 画像検査:X線写真、CT
治療
脱臼してすぐの場合は、徒手的に整復を行います。習慣的に繰り返す場合は自己整復の訓練を行いますが、整復不可能な場合は脱臼防止を目的に手術を行うこともあります。また、長期間脱臼していた場合には徒手的な整復は困難なことが多く、手術を行います。
顎関節強直症
症状
口が徐々に開かなくなった!
口が全く開かない!
口が全く開かない!
顎関節強直症とは
顎の関節の動きが著しく制限、もしくは喪失した状態を顎関節強直症といいます。顎の関節の周囲の組織が感染を起こしたり、外傷を受けた後に、顎の関節が固まった状態で治癒してしまうことで生じます。幼少期に発症した場合では下顎の発育障害も合併します。
検査
- 問診:いつからか、過去の病歴など
- 検査:X線写真、CT、MRI
治療
開口不能または著しい開口障害では手術を行います。
その他
顎関節腫瘍
発生頻度は少ないが、顎の関節を構成する組織にできる良性腫瘍もしくは悪性腫瘍。主な症状としては顔の非対称、かみ合わせの異常、顎関節症と似た症状ですが、急に発症するものではなく、長期間かけて徐々に発症します。