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作業療法学科 領域紹介

高齢期障害作業療法学

領域紹介 -高齢期障害作業療法学とは

 高齢期作業療法学では、対象となる高齢者が年齢を重ねてもその人らしい生活を続けられるための援助を考えます。ところで、皆さんは“生活”という言葉を聞き、どのようなことを思い浮かべるでしょうか?作業療法では、人々が日常的に行っている活動を作業とよび、その視点から生活を考えます。これら作業には、食事や入浴などのセルフケア、仕事やボランティアといった生産的な活動、趣味や生きがいなどの余暇活動、休息をもたらす活動などが含まれます。高齢期には、身体や精神の機能の低下、社会的な役割などの変化があり、さらには高齢期に特有の疾患にかかり易く、それらがきっかけとなって今まで当たり前に行ってきた日常の作業を続けることが難しくなる人がいらっしゃいます。そこで、この領域では、こうした高齢の方々を対象に、援助が必要な日常の作業は何か、どうすればその作業を行えるようになる、あるいは続けることができるかを考えます。介入では、身体機能と精神機能の両面に働きかけたり、作業を行うための環境を調整したりする他、模擬的または実際の生活場面で作業を行いながら、健康や幸福感の向上につながる作業が行えるようになることを目指すトップダウン的なアプローチを重視しています。

 この領域の学習方法は、「高齢期、高齢者を知る!」ことから始まり、高齢期に特有の疾患に対する評価・介入方法やトップダウン的なアプローチのための方法を学習します。学内で行う講義の他にも、模擬事例を通した評価や介入過程の演習、高齢者施設を利用する人に直接面接をして介入計画を立案する演習などがあります。

教員紹介教員一覧

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准教授 坂上 真理

高齢期作業療法学では、作業療法介入に必要な知識や技能とともに、情報を生活と関連付けて考えられることや、その人に必要な作業を深く理解するための方法を伝えることを心がけています。

研究テーマ(教育活動、社会貢献活動)

  1. 在住高齢者を対象とした作業に焦点を当てた介護予防の効果に関する研究
     地域生活を送っている高齢者を対象に、対象者自らが自分の生活を振り返って望む作業を実現するための目標設定をして取り組む、作業に焦点を当てた介護予防プログラムの効果を検討しています。
  2. 日常生活の満足感に関係する高齢者の作業や日常生活の送り方の特徴を理解するための探索的研究
     高齢者を対象に、生活満足感に関連する作業の特徴をインタビューや観察を通して客観的側面と主観的側面の両面から詳細に理解するための研究を行っています。その際、前・後期高齢者や85歳以上の超高齢者といった年代による違いや、ジェンダーの違いにも着目しています。また、特定の作業だけではなく、日常生活で行われている作業全体をみて、対象者が健康的で満足のいくバランスの取れた生活を送るために、どのような作業を行う必要があるかを明らかにするための研究も行っています。これらの研究は、今後作業療法プログラムを検討するための有益な資料になることが期待されます。