医学部長あいさつ

新しい医学・医療の開拓への第一歩を踏みだそう

三浦医学部長
医学部長 三浦 哲嗣

 医療の記録は紀元前3世紀までさかのぼることが出来ますが、大学の医学部はボローニャ大学が1200年に医学部(Scuola di Medicina e Chirurgia)を創設したのが始まりとされています。その750年後に札幌医科大学が現在の場所に開学し、これまで医学部から5,644名が卒業し、北海道をはじめとする国内や海外の場で活躍してきました。そうした先輩達の活躍は、病気をもった方々の診療にとどまらず、医学研究、医学教育、医療・保健行政など幅広い分野に広がっており、それぞれの分野の歴史をつくってきました。
 医学は普遍的なものですが、それを個々の患者さんに応用するためには創意工夫が重要です。また、最善の医療の提供だけでなく独創的な研究にも、知識の蓄積と同時に技術の修練を欠かすことができません。医学はサイエンス(science)とアート(art)からなるといわれますが、このアートの意味は複合的です。芸術と訳されるような想像力と創造的な技術による表現という内容と、特定の訓練によって得ることの出来る技能といった職能的な内容が含まれているのです。修練によって見えなかったものが見え、理解できなかったことが理解できるようになります。一方、これまで誰にも見えなかったものを見えるようにし、理解できなかったことを理解できるようにするのが研究ともいえます。そうした医療や医学研究への第一歩が、医学部への入学ということになります。
 札幌医科大学医学部は、最新医学のサイエンスとアートの修得・研究の場として1950年以来、多くの先輩の努力と患者さんの協力で発展してきました。現在も、教員・研究者は学生とともに「進取の精神と自由闊達な気風」という建学の精神を共有しています。医療や医学が扱う分野は幅広く、情報科学など他の分野との融合によって新たに生まれつつある分野も少なくありません。札幌医科大学医学部を第一歩の場として、新しい医学や医療を開拓しようという意欲のある学生諸君に期待しています。