医学部長あいさつ

三浦医学部長
医学部長 三浦 哲嗣

 1950年に44名が札幌医科大学第一期生として入学以来、これまで多くの学生が本学医学部で医学を学び、研究者が優れた医学研究成果を発表してきました。
 建学の精神である、「進取の精神と自由闊達な気風」、「医学・医療の攻究と地域医療への貢献」は、国内初となる脳神経外科、胸部外科など当時新たな講座の設置、多くの教員・学生の海外留学、国際的な研究成果の発信、附属病院と地域関連病院との連携強化、といった様々なかたちで現れています。そうした経緯の2000年までについては「札幌医科大学開学50年・創基55年史」で知ることができます。
 現在、医学部のめざすべき目標として、グローバルな視野をもち人間性豊かな医師・医学研究者の育成、独創的な先端研究の推進、高度先進医療の開発と研究成果の社会還元、国際交流の促進、などが含まれると思います。
 本学医学部では、そうした目標の達成のため、継続的なディプロマ・ポリシーならびにカリキュラムの改定、教育・研究設備の整備と高度化、海外の大学や医療施設との交流が、教職員、学生それぞれの立場で進められています。また、教養科目、基礎医学、社会医学、臨床医学という基本的な修学の流れと同時に、早期から医療の現場を学ぶための地域実習や保健医療学部との合同プログラム、附属病院・地域基幹病院での参加型臨床実習、医学部在学中から基礎医学研究に参加することのできるMD-PhDコース、など現代社会で求められている多様な医師、医学研究者の育成に応えることのできるカリキュラムと制度が整備されています。
 設備面でも、2012年の札幌医科大学施設整備構想にもとづき、医学部の教育研究施設は新たに整備されつつあります。こうした施設や制度を活用し、本学医学部の目標を達成するためには、「進取の精神と自由闊達な気風」のもと医療、医学の課題と未来について教職員と学生が議論し、それぞれの能力を十二分に発揮することが何より重要であると考えます。
 現在、医療は高度化し、その成果は平均寿命の延伸にも表れていますが、その結果、個々の患者さんがもつ疾病は複数かつ複雑になり、患者さんを取り巻く社会環境も多様化しています。一方、癌の診療だけでなく、循環器疾患を含めた広い領域の診療にゲノム医学が応用され、AIの進歩ともあいまって精密医療(precision medicine)や精密予防(precision prevention)の時代が到来する可能性も示されています。それら多くの新しい課題に挑戦し、課題の独創的な解決に貢献する”tough and competent”な人材の育成と活躍の場として、本学医学部がさらに発展するよう教職員、学生諸君とともに努力する所存です。

医学部長 三浦 哲嗣