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最新ロボットシステムによる東日本第1例目の咽頭がん手術を実施

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執刀する黒瀬准教授
当科では最新手術支援ロボット「da Vinci(ダビンチ)SP (Single Port=単孔式)サージカルシステム」を導入し、咽頭がん手術への東日本で第1例目となる手術を2023年5月に実施し、安全に終了しました。
待望のSPサージカルシステムが導入され、これまで困難だった咽頭・喉頭がん患者様に、精緻で自由度の高いロボット手術が可能となりました。短期間の入院で、安全かつ侵襲の少ない手術が提供できるようになります。
当科では、これからも患者さんの体へのさらなる負担軽減や機能障害の軽減のため、ロボット支援手術を積極的に施行します。

咽頭・喉頭がんに対する経口的ロボット支援手術

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da Vinci SPサージカルシステムによる手術
咽頭癌・喉頭がんに対する治療は、手術(経皮的)、化学放射線療法が主体ですが、既存手術に関しては、侵襲の大きさ、音声・嚥下機能の低下、化学放射線療法に関しては、治療期間の長さ、嚥下障害、唾液分泌障害、味覚障害などが問題点としてあり、未だに解決されていません。適応は限られますが、経口的ロボット支援手術が実施されることにより、低侵襲で後遺症の少ない治療の達成が可能となりました。今回、da Vinci(ダビンチ)SPサージカルシステムが導入されたことにより、これまで難しかった深部病変(下咽頭、喉頭、舌根など)へのアプローチが可能となりました。
本邦における、咽頭・喉頭がんに対する経口的ロボット支援手術は、2018年8月に適応(薬機承認)となり、2022年4月から保険適応となりました。当科では2022年1月から実施し、2023年5月までに13例施行しています。

対象となる疾患は?

 対象は早期の中咽頭がん、下咽頭がん、声門上がん(喉頭がんの一部)です。開口障害、嚥下障害がなく、深部組織(頸動脈、骨組織など)への浸潤可能性がない症例が良い適応とされます。海外においては、良性疾患(甲状腺腫瘍、睡眠時無呼吸症など)も適応とされています。

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