2011年7月17日: 橋渡し研究とは?「フロンティア医学研究所」
私たちの体には増殖を命令する「アクセル」の役目をする遺伝子と、 抑制を命令する「ブレーキ」役の遺伝子があり、 通常はバランス良く働いています。 ところが、細胞が長い間紫外線や喫煙などの環境にさらされると アクセル役の遺伝子は細胞の増殖を加速させ ブレーキ役の遺伝子は抑制の命令を出さなくなります。 このように無秩序に細胞が増殖した状態が、がんです。 札幌医科大学の付属がん研究所は、1955年の設立以来 世界的な研究成果を上げてきました。 分子生物学部門の時野隆至(ときの・たかし)教授は ブレーキ役の遺伝子「p53」が司令塔になって 複数の遺伝子に命令し、がん細胞を減らして行くことを 発見しました。 先生は「p53」と似た構造の遺伝子を組み合わせて 新しいがん抑制の遺伝子をデザインしたいと話しています。