現在位置の階層

  1. ホーム
  2. 臨床実習ガイド
  3. 先輩からの臨床実習体験談
  4. 平成26年度
  5. 鈴木 哲さん(実習年度:平成26年)

鈴木 哲さん(実習年度:平成26年)

4週間の実習だから体感できた地域医療の現場

地域包括型診療参加臨床実習を選択した理由は?

 私は将来、北海道で地域医療を実践したいと思い、その勉強の為に松前町立松前病院を実習先として選びました。医療環境としては後方病院から車で2時間の距離にあり、病床数100床と北海道の地域医療の実際の様子や課題などを間近に見ることができる病院であり、将来、地域医療に従事するにあたって必要な能力を今の段階から具体的にイメージすることができると思います。また、教育環境は、院長をはじめとして指導に熱心な先生方やコメディカルの方が多くいてくださるため、是非、松前町立松前病院で4週間の実習をしたいと思いました。
実習先での1日のスケジュール
鈴木さん

鈴木さん
(松前町立松前病院)


 基本的に朝7:30からカンファレンスや勉強会が1時間程度あり、救急症例などがあればカンファレンスで発表しました。その後は、病棟で担当患者さんの診察・カルテ記載、外来見学・予診取り、家庭・施設・グループホームへの訪問診療などを行いました。実習中は、問診・身体診察・採血・関節穿刺など機会があれば指導医の指導の下で行う事が出来ました。
 救急外来は、救急車やウォークインで患者さんが来た場合PHSで呼んでいただき、随時実習させていただくことができました。施設から発熱や倦怠感、転倒の主訴で来院される方が多い印象ですが、胃潰瘍による出血、胆のう炎、尿路結石など発症頻度の高い疾患も対応し、勉強することができました。
 救急対応は、平均して一日に3件程度だとは思いますが、救急外来をファーストタッチで対応させていただき、問診から身体診察、ベッドサイドでの検査、入院時サマリー記載、カンファレンスでの発表、入院中の観察や退院サマリー記載まで、一人の患者さんを来院から退院まで担当させていただき経過を見ることができたのは、4週間という実習期間でなければできないことなので、勉強になることが多かったです。
 夕方には、時々ジャーナルクラブやコメディカル、施設の方々との勉強会などもあり、色々な視点から地域医療を学ぶことができました。全てにおいて先生方からアドバイスやフィードバックをいただけたので、私にとって大変貴重な経験となりました。
実習を通して得たもの、学んだことについて

 地域医療には様々な特徴があると思います。特に、コンサルテーションのタイミングや、社会的背景を考えながらの退院調整、家族の介護能力を考慮に入れた入院適応の判定など、地域医療ならではの医師に求められる判断能力・知識を、今回は学ぶことができました。介護保険制度については実際の現場ではなくてはならない知識である反面、あまり勉強する機会が多くなかったので、そういった知識も得ることができ、考えの幅がとても広がりました。
 また、地域の病院で患者さんの主訴に対し出来る限りの幅を持って対応しようとする医師としての態度は、まさに全科診療を体現しているように思えました。こういった病院では、まさにジェネラリストマインドをもった医師たちが地域の患者さん達の為に日々奮闘しており、その姿に大きく感化されましたし、そういった姿勢が地域住民の方達の役に立っていると思いました。
 地域医療を志してもアウトカムなどが分かりにくいことなどありますが、この病院は、将来のロールモデルとなる方を見つけられる病院であり、大変居心地が良く、そういった先生方の姿を見ることすべてが将来の目標の為の学びになったと思っています。大変モチベーションをあげることができた実習でした。
後輩へのメッセージ

 実習を受け入れて下さった松前町立松前病院は、やる気と積極性さえあれば、先生方・コメディカルの方たちはどんどん協力していただけますし、自分がやればやるだけ得るものも大きくなる病院だと思います。この実習を履修するに当たって、少なくとも診断学、問診・身体診察、Gram染色から微生物の推定、心電図について復習してから臨むと、より楽しく、より充実した実習ができると思います。是非、4週間の地域包括型診療参加臨床実習で、問診・身体診察・プレゼンテーション能力などの技能だけでなく、地域医療を実践する病院の雰囲気、住民・地域との関わり合いなど、地域医療ならではの側面も積極的に体感してほしいと思います。

最終更新日:2014年10月02日




サイト・マップ