事業推進代表者の挨拶
ごあいさつ
事業推進代表者
札幌医科大学 学長 塚本 泰司
札幌医科大学の「地域拠点と連携によるICT連動型臨床実習」事業は、大学改革推進事業「基礎・臨床を両輪とした医学教育改革によるグローバルな医師養成」として、文部科学省が公募した国際標準の診療参加型臨床実習に向けた教育改革事業に採択されたものです。全国で採択された10校の事業のうちの一つとして平成24年8月から開始されているものです。
この教育改革事業が導入された背景には、2023年までに国際医学教育連盟が提示する国際標準に準拠した臨床実習が義務づけられ、これを基準として医学教育の質を担保するための評価制度の導入が必要になる、ということがあります。なかでも、医学教育における臨床実習の量と質の確保は、わが国の医学教育の大きな問題点としてこれまでも指摘されてきました。上述の国際標準では、72週の臨床実習がminimum requirementとしてあげられています。
このような国際的な背景と本学に要求されている地域医療への貢献を考えると、私たちの「地域拠点と連携によるICT連動型臨床実習」事業は大きな意義を持っていることがわかります。本事業は、地域基幹病院において学生が医療チームの一員として診療業務を分担しながら臨床実習を行うことで、従来の見学型学習では習得できなかった医療現場に即した基本的な診療能力を養うことを目的としています。そのため、TV会議あるいはe-learningなどのICTを利用することで、大学、地域基幹病院を遠隔教育で結び、広大な北海道において地域密着型の医療実習を実現することを計画し、実施してきました。
また、この実習では、地域の基幹病院での実習のみならず、診療所、療養型病院、介護老人施設、保健所など地域の医療を支える多くの機関、施設での各種医療者の役割を認識し、医療における多職種連携を肌で感ずることも重要な目的の1つになっています。
平成25年に開始された本実習に参加する学生は、10名、14名、20名、37名と着実に年々増加し、また協力病院も3、8、11、13病院と、この事業の意義が広く理解されている様子がわかります。
本事業は平成28年度に最終年度を迎えました。
これまでの本事業の取り組みを通じて、本学の事業が診療参加型臨床実習の全国モデルとして認知され、また、北海道の地域医療にとっても意義のあるものなることを願っています。関係の皆様のご理解とご支援を改めてお願い申し上げます。
最終更新日:2016年11月11日
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