難病の現状を理解する
特発性肺線維症(IPF)は稀な疾患で診断も複雑であるため、世界的に見ても精度の高い疫学研究が少ない実情があります。また人種・地域差を検討するために国際間比較が必要で、国際的に一致している診断基準に基づいた大規模研究が求められています。
北海道は他の都道府県とは異なり、国基準の重症度Ⅲ度・Ⅳ度の患者に加えて、Ⅰ度・Ⅱ度の軽症者も特定疾患医療受給証を交付していました。このような背景から厚生労働省の要請を受けて、北海道地域の臨床調査個人票に基づく疫学調査を行い、IPFの軽症者も含めた真の実態を把握することをめざしました。
北海道は他の都道府県とは異なり、国基準の重症度Ⅲ度・Ⅳ度の患者に加えて、Ⅰ度・Ⅱ度の軽症者も特定疾患医療受給証を交付していました。このような背景から厚生労働省の要請を受けて、北海道地域の臨床調査個人票に基づく疫学調査を行い、IPFの軽症者も含めた真の実態を把握することをめざしました。
北海道Studyが明らかにしたこと
- 北海道の有病率に基に、全国のIPF患者数は少なくても1万数千人存在すると推計される。
- 男性、年代別では70歳台で最も多く、高齢での発症が大部分である。
- 生存期間中央値が35ヵ月と予後の厳しい疾患である。
- 死亡原因では急性増悪が最も多く4割を占める。
- 肺活量の低下が予後に最も強く関係する。
- 日本は欧米と比べて、IPF患者の男女比や急性増悪死亡率などに違いがある。