卒業生からのメッセージ

札幌医科大学附属病院 呼吸器・アレルギー内科学講座 西條 浩(札幌旭丘高等学校出身・札幌医大平成18年卒業)

留学先:プリンセスマーガレットがん研究所(カナダ)

西條 浩の写真
 私は本学卒業後、呼吸器・アレルギー内科学講座に所属し、現在はカナダのトロントのプリンセスマーガレットがん研究所に研究留学しています。卒後臨床医として充実した日々を過ごす事ができましたが、当時の呼吸器疾患、特に進行期の肺癌患者さんの診療は現在より困難な状況でした。初診から携わった多くの患者さんが短期間で亡くなっていくという現実を目の当たりにし、様々ながん腫の中で肺癌の予後の悪さに疑問を抱き、疾患の理解を深めるために大学院へ進学しました。その間、世界におけるがん治療は一変し、それまでがんに対する効果が疑問視されていた免疫療法が、がん治療における主役となりました。大学院で進学した病理学第一講座は以前から免疫療法の研究を重ねてきた日本でも有数のがん研究所です。ここでの経験から世界中で苦しむ人々を救うことが出来る可能性を秘めた基礎研究の面白さに魅了されました。
 海外での留学生活は辛い事も多く、留学が正解かどうかはまだ判断できませんが、何か世界に貢献できる仕事が出来ればと思っています。
 何事も挑戦する事で新たな道が開けるかと思います。受験は過酷ですが、その先の大きな可能性のために今を頑張って下さい。

手稲渓仁会病院 循環器内科主任部長 湯田 聡(札幌南高等学校出身・札幌医大平成3年卒業)

留学先:クイーンズランド大学プリンセスアレキサンドラ病院(オーストラリア)

湯田 聡の写真
 大学卒業後は、内科系、特に心臓に興味を持っていたことから、内科学第二講座(現在、循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座)に入室しました。大学と地方で研修を積みながら、症例発表などを通じて、臨床研究に興味を持ち、さらに臨床レベルの向上と臨床研究を学んでみたいと思い、卒後5年目から3年間、国立循環器病研究センターへ心臓内科レジデントとして留学しました。そこで現在繋がる心臓超音波検査(心エコー図法)を用いた臨床研究を行い、学会発表や原著論文を書く機会を得ました。また、循環器病センターでは、多くの先輩方が海外留学して活躍していたことから、自分もぜひ行ってみたいと思うようになり、循環器病センターでお世話になった恩師の紹介で2年間、豪州へ留学し、最先端のエコー図法を用いた研究を行いました。
 2回の留学する機会に恵まれたことで、国内外の多くの人と知り合い、さらに様々な視点からものを見ることができるようになり、自分の度量の幅が拡がったと感じていますし、人生の中での得難い経験だったと思っています。皆さんも留学するチャンスが必ず巡ってきますので、ぜひチャレンジして様々なことを学んで欲しいと思います。

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