case3:手術を受ける人への看護

手術室での医師に器械を手渡す「器械出し看護師」
手術が円滑に進むように環境の調整を行う「外回り看護師」(写真左)

 手術室の看護師は手術看護の専門的な知識と技術をもち、患者さんの手術を安全・安楽に終えることができるよう他の医療者と連携しながら手術の円滑な進行を支えます。

 

 手術とは主に手術室で行われる外科的治療のひとつです。実際にメスを用いて頭や胸、腹などを切開する方法から、切開部分が小さく手術後の痛みが少ない内視鏡という器具などを用いて行われる方法などがあり、手術の方法も多様化しています。手術室は患者さんの手術方法に合わせた手術器材が整備され、医療者は手術着やガウンなどを装着するなど特殊な環境です。手術室看護師「患者さんの手術を安全・安楽に進行し終える」ことを目的とした役割を担っています。そのため、手術室看護師は次のような役割があります。

 

 手術室で働く看護師は「手術を円滑に、かつ安全に行う」ために、手術中の直接的介助を行う「器械出し看護」と患者さんの心身の状態を確認・判断し手術全体の進行や手術室の環境を全体的に捉えて調整する「外回り看護」という大きく2つの役割から成り立っています。

 「器械出し看護」とは、主に手術中の直接的な介助です。手術といっても、胃や腸などの消化器、心臓などの循環器、足などの整形外科手術、手術支援ロボットを用いた最新の手術など術式は多岐に渡ります。 「器械出し看護師」は、手術が円滑に進行できるように、術野と医師の様子から手術の進行の程度を把握しつつ器械を手渡します。患者さんの年齢、体型、今までの手術した回数や罹患した病気などによって注意する点が異なります。このように、「器械出し看護師」は患者さんの身体に及ぼす影響を最小限にし安全に手術が行えるように関わります。

「外回り看護」とは、主に手術による患者さんの心身の状態の変化を観察します。「外回り看護師」は、手術による患者さんの身体への負担が軽減できるように、患者さんの心身の状態を観察し、時には急変の対応や他職種との連携を行います。また、「外回り看護師」は手術室の室温を一定となるよう調整します。なぜならば、手術室の室温を管理することは患者さんが「暑い・寒い」と感じないような安楽な環境を作ること、医師や看護師が手術に集中できるような環境を整えることで患者さんの安全を守ることに繋がるからです。このように「外回り看護師」は患者さんの安全と安楽を守るために、手術全体を捉え、手術が円滑に進むような環境の調整を行います。

 

 手術室で働く看護師は手術室以外の場でも役割を担っています。手術を受ける患者さんの手術に対する不安や緊張が緩和できるように手術前に実際にお会いし、手術室はどのような環境なのか、手術がどのくらいの時間で行われるのかなどを説明します。また、手術後には手術によってもたらされる影響が最小限となるように患者さんの状態を確認に病棟に伺い「病棟看護師」とともに看護援助について検討し、継続的に看護が行われるように連携します。