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國島拓也 さん(実習年度:平成27年)

実践的な実習とフィードバックでステップアップ

國島拓也 さん(市立室蘭総合病院 精神科)

地域包括型診療参加臨床実習を選択した理由は?
 精神科を志望しており、大学の精神科だけではなく地域中核病院の精神科でも実習したいと思ったから。地域の精神医療の実際を体験し、本当に精神科としてやっていきたいと思えるか、その覚悟があるか確かめてみたいと思ったため。
実習先での1日のスケジュール

朝カンファ: 自分が予診を担当した患者について病歴を5分程度でスライドを用いて発表します。曜日によっては抄読会や、輪読会に参加します。

午前: 新患の予診とりを一人でさせて頂きました。作成した病歴は指導医が内容を修正した後に本当のカルテとして使っていただけるので非常にやりがいがありました。

午後: 医療保護入院者退院支援会議:医療保護入院者の退院の可否について検討します。希望があれば患者自身やその家族も参加します。退院したい患者さんと、医療的な観点から入院継続の必要があると考える医療者側で意見が異なることがしばしばあります。納得するまで話します。

症例検討会: 主にナースステーションで病棟の患者さんについて今後の治療方針を他職種で話し合います。 

病棟回診: 指導医の先生の横について回ります。基本的に週1回です。全ての患者さんについて簡単な病歴と診断、今後の治療方針や課題について懇切丁寧に教えて頂けるので非常に楽しいです。これらの合間に担当患者さんに会いに行き、経過をまとめます。精神科の急患が来た場合はその対応も見学することができます。

夜: 教室行事 北大の教室行事(インターネット中継で先生の講義をうける)に参加します。小児精神医学や、解離性障害についての講義がありました。

当直実習が入っていなければ、大体夜7時には帰宅します。当直実習が入っていれば、当直室で待機します。精神科は救急外来を担当するため、呼び出し回数は多めでした。身体的に問題が疑われる時は迷わず他科にコンサルする重要性も教えて頂きました。

また毎週木曜日は精神科デイケアで1日実習します。慢性期の統合失調症の方が主ですが、様々な慢性期の精神疾患の患者さんと仲良くなれます。退院した後の日々の生活などについても患者さん自身から聞くことができ非常に勉強になります。

実習を通して得たもの、学んだことについて

 実に幅広い症例を学ぶことができました。一人で新患の予診とりをさせて頂けるのは緊張しますし、自分の未熟さを痛感する場面でもありますが、同時に非常に実践的で得るものが大きかったです。予診もとったらそれで終わりではなく、カンファでのプレゼンとフィードバックがもらえ、ステップアップできました。

 また、医療は病院内だけで完結するものではないということを学びました。退院してからも患者さんの生活は続きます。退院後に病状が悪化しないように定期的なフォローや、場合によっては自宅以外の退院先を考える必要があります。精神科では患者さんと、患者さんのご家族双方の意見を聞き、調整するためにはPSWをはじめとしたコメディカルの力が不可欠であり、密な連携が求められます。恥ずかしながら、退院後の生活についてはこの実習をとるまで実感を持つことができませんでした。精神科デイケアでの実習は、退院後にも続く患者さんの生活を考える上で非常に勉強になりました。

後輩へのメッセージ

 私は真面目でやる気のある模範的な生徒ではありません。勉強に対するモチベーションも決して高くない学生でした。この実習もとるかどうか最後まで悩んで、締め切りギリギリに申し込みました。案の定、実習前には実習ちょっと面倒臭いな、と思っていました。でも今はこの実習をとって本当に良かったなと思っています。確かに楽な実習ではなかったですが、自分の興味のある科の実際を1ヶ月学べるのは楽しいです。可能な範囲で仕事を任せて頂けるのでやる気も出ますし、何より勉強になります。もし、これを読んでいるあなたに何か気になる科があり、本当にその科に進むかどうか悩んでいるならこの実習をとると良いと思います。もちろん、研修医になってからでも希望する科の面白さはわかるかと思いますが、学生のうちに1ヶ月でも体験すると、将来の目標が明確になり、勉強のモチベーションが格段にあがります。

最終更新日:2015年10月04日




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