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鈴木祐人 さん(実習年度:平成27年)

入院から退院まで一連の経過を見ることができました

鈴木祐人 さん(函館五稜郭病院 循環器内科)

地域包括型診療参加臨床実習を選択した理由は?

 5年生での臨床実習は4年生までの座学とは大きく異なり、実際の患者さんと接し学んでいくというところに面白さを感じていました。しかし、学生として参加できる実習の幅は、やはり大学病院の中ではそこまで広くないと感じたため、外病院で研修医の先生方と同じような環境で実習が出来るというところに魅力を感じ選択しました。

 循環器内科は全身管理といった面で私の将来やりたいと感じるものに近かったので、1ヶ月間勉強させていただければと思い選択させていただきました。

実習先での1日のスケジュール

 朝8時半~9時に病院に到着し、担当患者さんの朝回診をして、新患外来の予診とり、心臓カテーテルや検査の見学で午前を過ごし、12時頃昼休み。午後は13時半頃から心臓カテーテルの見学、参加をして、救急車で搬送されてくる患者さんがいるようなときは先生方と一緒に診察させていただくような形で午後を過ごし、17時頃に担当患者さんの夕回診をして1日が終わるといった流れでした。それ以外の時間でも搬送されてくるようなときはPHSに連絡をいただき、一緒に診察させていただくという機会もありました。

実習を通して得たもの、学んだことについて

 今回の実習で最も印象に残っているのは、毎日のスケジュールにある新患の予診とりで話を聞かせてもらった患者さんについて、入院から退院までの一連の流れを指導医の先生と一緒に追うことが出来たという点です。

 実習が始まった直後は循環器の知識が足りているとは言い難いものでした。しかし、その一連の経過を診ていく中で、患者さんが来院したときの外来で検査は何をオーダーするべきなのか、入院が決定した際はどのような薬剤の投与を開始し、安静度はどの程度に設定すべきなのか、カテーテル検査の是非と検査結果の見方について、退院までの管理、これらすべてを目の前にいる患者さんから学ぶことが出来ました。これはこの実習を選択しない限りは学生のうちに経験することが出来なかったのではないかと思います。それだけではありません、指導医の指導・監督の下で抹消動脈血ガス採取の介助や、心臓カテーテルにガウンを着て参加させてもらい、使われている器具に実際に触れてみるということ、これも学生のうちは決して体験できるとは考えていなかっただけに、非常に緊張しましたが、とてもいい経験になったと思います。

 予診とりでも、あがり症な私にとって何人もの患者さんと次々に接していくということは少し苦手意識を持っていましたが、数を経験させていただくことにより、ある程度の聞くべき形というものが出来上がり、自信を持って臨むことが出来るようになりました。

救急外来の見学もさせていただき、当番日に次々と運ばれてくる1次、2次救急の患者さんの症状を見て話を聞き、検査の必要性や処置を判断するということの難しさというものも見せていただくことが出来ました。

 サテライト実習においても、普段勉強する機会の少ない特別養護老人ホーム、救護施設、介護老人保健施設などに訪問し施設の仕組みや入所する人たちの様子、職員の方々の業務内容など丁寧に教えていただきました。そして、医師として働いていく中でこのような施設についてもしっかりと知っておき、病院との連携を考えて動くべきであると実感しました。訪問看護の帯同に関しても、看護師さんについて色々な患者さんの家をまわり、どのような方が訪問看護を利用しているのか、そもそも訪問看護の利用はどのような制度のうえで成り立っているのか、業務は病院内のものと比べてどのようなものなのか、ということや訪問看護という制度について詳しくあるべき、というよりそういう制度があり利用できる患者さんがいるということを知っている、ということが重要であるとも教えていただき、将来のためになりました。

 施設実習も訪問看護も、病院内だけでなくその前後の連携に関しても非常に重要であり、医師が知っているのと知らないのでは大きな違いがあるということも勉強になりました。

後輩へのメッセージ

 以上、学んできたことを列挙しましたが、これらはすべて先生方や病院のスタッフの方々が丁寧に教えてくださったことです。6年生の最後の1年のうち、1ヶ月間を地域で実習と聞くと少し尻込みしてしまう人もいるかもしれません。しかし、1年間やってきた5年生と仕事が始まる医師1年目の間である6年生の臨床実習だからこそ感じることが多くあると思いますし、それは心に残ると思います。病院の皆さんも丁寧で、学びたいという気持ちがあればしっかり教えていただける環境があると思いますし、大学とは全く異なった経験を積むことができると思います。そして何より1ヶ月やりきったという自信がつきます。是非、選択してみてはいかがでしょうか。

最終更新日:2015年10月04日




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