佐藤弘樹 さん(実習年度:平成27年)
カルテ記載でより実践的な知識を得る
佐藤弘樹 さん(市立函館病院 救急)
地域包括型診療参加臨床実習を選択した理由は?
私が地域包括実習に参加した理由としては、主に3つあります。1つ目はより実践的な実習ができることです。大学ではスタッフ数も多く、また学生の人数も多いため、診療に積極的に参加できないのが現状です。しかし、地域包括実習では他に学生が殆どいないため、診療に積極的に参加する事ができます。また、1ヶ月間という長い期間の実習であるので、病院の先生方との信頼関係も築く事ができるため、自分のやる気次第で想像以上にいろいろなことをやらせていただけます。
2つ目は実習期間が長いため、その科の実際の診療内容をみられる事です。1ヶ月間、朝から晩まで実習に参加するので、大学の実習では見えないその科の診療内容をみる事ができます。
3つ目は、私が救急志望であるため、様々な救急疾患をみてみたいと思ったからです。札幌医科大学の救急の実習は主に3次救急のため、あまり症例をみる事ができませんが、市立函館病院救命センターはER式のため、たくさんの症例をみる事ができます。実習先での1日のスケジュール
基本的な1日の流れとしては、8時半にカンファレンス、午前中は救命病棟での実習、午後から救急外来での実習という形でした。市立函館病院は3の倍数の日は当番日のため、救急車がたくさん来ます。そのため当番日は午前中から救急外来での実習でした。その他にも、ドクターヘリの見学や、当直の実習などもあり、非常に充実した実習でした。
実習を通して得たもの、学んだことについて
救命センターでの実習は主に2つありました。1つは救命病棟での実習です。救命病棟には重症患者さんが多数入院しており、集中治療を行っています。実習では数人の担当患者さんを受け持ち、研修医、指導医の先生方と一緒に診療に参加しました。毎日エコーを当てて評価したり、カルテ書きなどを主に行いました。集中治療のカルテは普通のカルテとは少し違い、記述内容も多いため、その患者さんの疾患についてしっかり勉強しなければならず苦労しましたが、非常に勉強になりました。また、担当患者さんの容態が改善して行く様子をみる事ができ、非常に嬉しかったです。私は重症外傷の患者さんを受け持ち、初めは意識状態が悪かったのですが、徐々に改善していき、最終的には会話までできる状態になりました。集中治療管理を1ヶ月間しっかり勉強できたのはこの実習の大きなメリットだと思います。
2つ目は救急外来での実習です。市立函館病院は3日に1回当番日という日があり、非常に多くの救急車が来ます。初めは研修医の先生の診察を見学して、問診のとり方や救急外来のカルテの書き方を教えていただきました。その後、指導医の先生の指導・監督の下で問診や身体診察、カルテの記載などを随時やらせていただきました。初めは鑑別診断などを意識する事はできませんでしたが、徐々に鑑別を意識した問診や身体診察などを行うことができる様になってきました。最後の方になると、指導医の先生の指導の下、問診から身体診察、そして診断までを一通りやらせていただき、とても勉強になりました。また、市立函館病院の救命センターには、外傷や心肺停止患者も搬送されるため、JATECやACLSなどの勉強もする事ができました。
以上の2つ以外にも、市立函館病院は研修医向けのセミナーが盛んなため、随時参加させていただきました。自分の直近の先輩方が熱心に勉強している様子をみて、非常に刺激を受けました。ドクターヘリの見学などもさせていただき、pre hospitalの医療の勉強もさせていただきました。
後輩へのメッセージ
最終更新日:2015年10月04日