強度変調放射線治療
強度変調放射線治療(IMRT:Intensity Modulated Radiation Therapy)とは、同一照射野内の強度を変化(変調)させてこれを数方向から照射を行う治療法のことをいいます。腫瘍の形状が凹凸不整であっても、その腫瘍形状に放射線を集中させることが可能で、近接する周囲の正常組織への照射を減らすことができるようになります。
そのため放射線による有害事象を増加させることなく、より強い放射線を腫瘍に照射することで治癒率を向上させることが可能となります。また腫瘍に対して従来と同程度の放射線照射を行う場合は有害事象を軽減させることが可能となります。
当院では2003年からIMRTを開始しており、現在上咽頭癌を中心とする頭頸部癌、前立腺癌に主に用いています。
2010年4月より限局性固形悪性腫瘍が健康保険の適応となり大多数の癌に対してIMRTが保険診療で可能となりました。IMRTが適当と考えられる症例には積極的にIMRTを行っています。