医学生・研修医による感想
札幌医科大学病院放射線治療科での研修記
現:旭川医科大学病院 放射線科
青木 友希 先生
札幌医科大学病院放射線治療科での研修記 旭川医科大学病院放射線科(以下旭医)の青木友希と申します。私は医師7年目の時に札幌医科大学病院放射線治療科(以下札医)で2017年4月から2018年3月まで研修をさせていただきました。簡単ではありますが研修内容と感想を述べさせて頂きます。
札医では主に病棟管理、プランニング、前立腺組織内照射、外来業務、他病院での治療科としての外来業務などをさせていただきました。病棟管理についてですが、旭医と札医の大きな違いの一つは病棟の有無でした。札医では根治から緩和まで多くの患者が入院しています。病棟管理というのは臨床研修以来の経験でしたが、入院して毎日診ている分、照射に伴う有害事象をしっかりと評価することができ、かつ対応もすることができるようになったかと思っています。また、疼痛のある患者に対する薬剤調整や、抗癌剤に伴う有害事象への対応もある程度できるようになったかなと思っております。
プランニングに関しては通常の3DCRTのプランからIMRTのコンツーリングまで多くの症例をやらせていただきました。今まで自分が気づけていなかったコンツーリングのノウハウやビームを入れる際のコツ、注意点などたくさんのことを学びました。また、施設によって照射に対する考え方が結構異なるということも感じました。どちらが良いとかいうことではなく、様々な考え方を知ることができ、非常に視野が広がりました。
前立腺組織内照射は旭医ではやっていない手技であり、まったく初めての経験でしたが、何度か助手として入らせてもらい、最後には実際の穿刺もさせていただきました。これまでは組織内照射に対する知識も乏しく、ぼんやりとしたイメージしかありませんでしたが、札医での研修でかなりしっかりとしたイメージを得ることができました。外来業務は旭医にいた際はほとんどやっていなかったのですが、初診から治療方針決定、患者への説明およびプランニング、経過観察までの流れを自分ですべてやるというのは本当に難しいということを実感したとともに、大変勉強になりました。特に他病院での外来業務は自分しかいない状態で、色々と決めていかないと行けない部分が多く、大変ではありましたが、今までどこか人任せで治療方針など考えていた自分にとって非常に貴重な経験となりました。
現在はこの経験を生かし、旭医に戻ってきた後も少しずつ外来患者をもたせてもらえるようになりました。この他にも食道や子宮頸癌の腔内照射や研究会での発表などたくさんのことを経験させて頂き、本当に有意義な研修となりました。
また、私にはこれまで同期という存在がいなかったのですが、札医では私の同期に当たる先生が2人おり、お互い切磋琢磨しながら過ごすことができました。その他の先生達も皆さんとても優しく、素晴らしい方達で、飲み会などにも多く誘って頂き本当に楽しかったです。この場を借りてお礼を申し上げます。たくさんのご指導、本当にありがとうございました。今後も治療医として精進して参ります。今後とも末永くお付き合いさせて頂けると嬉しいです。